「「初春歌舞伎公演」は、毎年1月に東京・国立劇場で開催されてきた公演。国立劇場が建て替えに伴い10月末に閉場したため、来年は新国立劇場 中劇場で実施される。上演演目には「梶原平三誉石切 鶴ヶ岡八幡社頭の場」「芦屋道満大内鑑 -葛の葉-」「勢獅子門出初台」が並んだ。」
「この席で今年、一時休演など、体調不良が続きファンを心配させた菊五郎が、最近の状態を初めて語った。
「背骨がまっすぐになり、(骨をつなぐ)クッションが無くなった。脊柱管狭窄症と座骨神経痛で。重心が定まらず立っている方がつらく、動いている方が楽」と説明した。痛みはないという。そして「役者って体が動かないとおもしろくないものでね。もっと動きてーな!と思った」と悔しさをにじませた。」
国立劇場の建て替えのため、今年の「初春歌舞伎公演」は新国立劇場で開催されている。
ふだんは静かにオペラ、バレエや芝居を鑑賞している場所に、歌舞伎愛好家がやって来るのだから、ちょっとシュールである。
ふだんであれば、客席では会話禁止で、ブラボーも演技が止まったときだけに発せられるのだが、今回の公演では、歌舞伎愛好家の方(高齢の方が大半)の多くが、かなり自由に会話しており、「音羽屋!」「萬屋!」という掛け声が二階席最前列辺りから頻繁に響いてくる。
残念なのは、「花道」と「弁当」がないところ。
「花道」については、何とか工夫して短い道(4メートルくらい)を造っているが、これだと「勧進帳」のような演目は難しいだろう。
弁当も売っていないので、おにぎりなどを持ち込んでいるお客さんがちらほら見られた。
菊五郎は体調に配慮したのだろうが、最後の演目の中盤あたりから登場。
やはり腰が痛そうに見えるが、最後は楽しそうにおひねりを客席に投げていた。
「40回目の公演となる歌舞伎界の次代を担う若手花形俳優が大役に挑む“若手歌舞伎俳優の登竜門”『新春浅草歌舞伎』(2024年1月2日(火)~26日(金)に浅草公会堂)の取材会が18日、都内で行われ尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村米吉、中村隼人、中村橋之助、中村莟玉が登場した。 尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村米吉、中村隼人の7名は今回の公演で卒業する。」
私が行ったのは初日(第一部)ということもあって、ほぼ満員の大盛況である。
弁当の売り切れを心配したのだが、会場でたくさん売られており、杞憂に終わった。
蝙蝠の安五郎(松也)やお富(米吉)らの気合が圧倒的なのは、彼らが今回の公演で「卒業」するからなのかもしれない。
特に米吉は、第一部では3演目出ずっぱりの大活躍である。
「新春歌舞伎公演」との比較で一つだけ残念だったのは、「おひねり」がなかったこと。
新国立劇場の「花道」「弁当」もそうだが、これはないものねだりというものだろう。