Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

特別な日(3)

2024年01月03日 06時30分00秒 | Weblog
 だが、1月1日が「特別な日」ではないかと言えば、必ずしもそうとは言い切れない
 古代ローマでも、この日に近い期間(12月17日から12月23日まで)に、「サートゥルナーリア祭」が盛大に開催されていた。
 ちなみに、これはクリスマスの起源とも言われているそうだ(大祭「サートゥルナーリア祭」はクリスマスの原型か)。
 サートゥルナ―リア祭が、農耕儀礼の側面を有する点については争いがない。
 冬至の前後に行われることから分かる通り、「太陽の復活」がテーマであると見てよい。
 だが、ローマ人のことゆえ、この祭りが単に農耕儀礼としてのみ機能していたわけではない。
 
"L'etat ancien est attesté a contrario, dans les fêtes de type Saturnales qui signifient le monde renversé --- celui où les paysans (serfs) ont accès à la ville."(p272)
古い状態は、これとは逆に、サートゥルナ―リア祭のようなタイプの祭りに示されている。これは、逆立ちした世界を意味しており、そこにおいて、農民たち(奴隷たち)は、街に立ち入ることが出来るのである。
(注 ここの"ville"は、”cité"(都市)の方がよいように思う。)

 サートゥルナ―リア祭の期間中、「都市と領域」、「主人と農民(奴隷)」という対立関係はいったん解消され(更には逆転してしまい)、本村先生いわく「無礼講」の状態となっていたようである。
 つまり、政治的・社会的関係が、一時的とはいえリセットされたのである。
 したがって、この祭りが、農耕儀礼としての意義だけではなく、政治的・社会的儀礼としての意義を併せ持っていたことは明らかだろう。
コメント
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