現在世界中で使われている暦は、古代ローマの暦(ローマ暦)が基となっている。
古代ローマにおける暦の政治的・社会的な機能は、昨日引用したとおり、① 政治・軍事体制のリセット(とりわけコンスルの軍指揮権に対する制約)、② 協働(農耕)スケジュールの確定、だった。
この考え方によれば、年の始まりは現在の3月1日とするのが合理的であり、それゆえこの月は「軍神マルスの月」とされた。
「紀元前8世紀頃のローマで使われていたとされる「ロムルス暦 」では、月は10しかなく、農業をしない冬の期間には月日が割り振られていませんでした。いまの3月から12月にあたる月は、ロムルス暦の時代から存在していますが、いまの1月と2月にあたる月は、当時はまだありませんでした。
古代ローマの王、ヌマ・ポンピリウスが制定したとされる「ヌマ暦 」では、それまで使われていた10の月にIanuarius(英語のJanuary)とFebruarius(英語のFebruary)を追加しました。当時のFebruariusは現在のような「2番目の月」ではなく、一年の最後の月とされていました。」
このように、ローマ暦でもヌマ暦でも、1月1日は一年の初めの日ではなく、「特別な日」ではなかった。
一年の始まり=元日は3月1日であり、この日には「マトロナリア祭」、すなわち”女性の女神”=ジュノーを祝う祭典が催されたのである。
「ローマ建国時の新年(旧暦)は、春からの農作業が始まる3月がスタート月で、3月1日にはジュノーに捧げるマトロナリア祭から始まります。この日は、既婚女性は主人から贈物を受けとり夫人は使用人に食事を振る舞ったとの言い伝えがあります。3月は農耕と軍神マルスに捧げる月のMARZO(英語March)、4月は花が開く美しい季節の始まりAperioに由来するAPRILE(Aphrodite:アフロディーテに捧げる月に起因するともされる)、5月は繫殖と成長を司る女神マイアに由来するMAGGIO。
3月から5月までは、農耕期で農作業があるために結婚の儀式は禁じられていましたが、6月のGIUGNO(Juniusから英語のJuneに派生した言葉の語源)は乾期に入る季節で農作業もひと段落するので、結婚の儀式が許されジュノーに捧げる月とされました。当時のローマ人は占いを信じており、6月でも20日頃から月末までの間に結婚の儀式を行うことが最適としていたようです。この風習は、現在もジューン・ブライドとして6月に結婚をすると女性は女神ジュノーに守られて幸福な生活を過ごせるとの言い伝えが引継がれています。」
3月から5月までは、農耕期で農作業があるために結婚の儀式は禁じられていましたが、6月のGIUGNO(Juniusから英語のJuneに派生した言葉の語源)は乾期に入る季節で農作業もひと段落するので、結婚の儀式が許されジュノーに捧げる月とされました。当時のローマ人は占いを信じており、6月でも20日頃から月末までの間に結婚の儀式を行うことが最適としていたようです。この風習は、現在もジューン・ブライドとして6月に結婚をすると女性は女神ジュノーに守られて幸福な生活を過ごせるとの言い伝えが引継がれています。」