パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

善意が変質していく時

2009年09月21日 16時33分06秒 | 
「グーグル革命の衝撃」新潮文庫
 NHKスペシャル取材班

今、検索に主に使用しているのはグーグル
Gメールも便利で、無尽蔵なサーバを無邪気に活用させてもらっている
そしてウインドウズのパソコンを使うときのブラウザはグーグルクロム
つまりは「グーグル漬け」とまではいかないにしても
充分に利用させてもらっている

実際のところ本当に便利だ 呆れるくらい
その便利さは年々進化していく
こうあったらいいな!と思う事を
いや、それを先回りしてサービスという形にしていく

世の中の広告は一直線に効率的なものに
出会う事を消費者も広告主も求めている
検索連動型の広告、そこには無駄が無く 
既存の媒体がいかに無駄の垂れ流しを続けているか
ネットに親しんでいる世代の連中には
非効率の残骸とさえ見えるかもしれない

そう自分も、この便利さを享受していた一人だ
しかし膨大な個人の検索のデータ、IPアドレスなどが
データベースに蓄積されている事実は
この本を読むまでは知らなかった

確かにベータベースの基づき
個人の消費活動のお手伝いをしてくれるくらいなら
まだいいかもしれないが、どこか気持ち悪い
(アマゾンでも~~さんへのお薦めは何何ですと
 ご親切に出てくるが、それが的を外れていないだけに
 ちょっと奇妙な気分になるのも事実)

本当はヤフーもグーグルも
あったらいいな!
といった道具の一つだった
そして本当にそれらは必要なものだった
ところが、ある時その金儲けの可能性に気づいた時から
そこに様々な人間が関与する事になり
その機能は徐々に変化していく

もちろん表立っては利用者の利便性を
更に進めた形になっているが

グーグル八分
グーグル爆弾
検索が様々な情報の入り口になっている現在
意図的に検索結果を操作しようとする人が現れる
あるときはSEO対策を業務とするソフトの企業

実際のところ、そのくらいで済めばいいのだが
仮に意図的にある種の項目の情報を伏せるべく
検索結果を下げるような事をしていたら
また反対に上げるような事をしていたら

今、本当に怖いのは
これらの検索結果を何の疑いも無く
利用しようとする人が多い事
そしてもしかしたら、ある種の意図も気づかないうちに
受け入れてしまっているかもしれない事

ただ心底困った事は
これらグーグルの提供するサービスが魅力的すぎる
願わくば、善意が変質しないでいてくれればいいのだが



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