パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

ブルックナー交響曲第3番(名古屋ブルックナー管弦楽団コンサート)

2017年06月19日 08時32分37秒 | 見てきた、聴いてきた(展示会・映画と音楽)

何年ぶりだろう
おそらく10年は超えている
むかしはオーケストラのコンサートと言えばここばかりだった
ショルティのウィーンフィルも、シノーポリのニューフィルも
確かここで聴いた

先日の名古屋での演奏会形式によるワルキューレの際に
とても魅力的な印刷物を手渡された

まず目を引くのがプログラムでブルックナーの交響曲3番(第3稿)となっている
詳しく見るとオーケストラの名前が、名古屋ブルックナー管弦楽団
ブルックナー好きの自分とすれば、これだけでチケットお買上げというところ
そして会場が、懐かしい以前の名で言えば金山市民会館 (現在は日本特殊等業市民会館フォレストホール)

会場は自由席、料金は1000円
リーズナブルな価格なので、今まで経験したことのないような良い席を確保した

メインのプログラムが女性には好かれないと思われるブルックナーだったし
マニアしか受けない3番だったが意外や意外、女性の数は多かった
(このオーケストラの関係する方々が来てたのか、、、) 

この日のプログラムは

今まで聞いたことのないベートーヴェンの劇音楽「シュテファン王」Op.117 序曲
次にブラームスのドッペルコンチェルト
そしてメインのブルックナー交響曲3番

ベートーヴェンは作品番号が後ろの方だからどんな曲かな?
と思いながら耳を傾ける
冒頭は「彼の音楽らしい」スタート、だが直ぐに木管の親しみやすいメロディーが続き
全体的に作曲技術が確保されて職人さんの作品といったところ
前座の曲としてアイスブレイクは上手くいった

ブラームス、、、
この曲はCDで聴いたことがあるはずなのだが、記憶にない
(聴いたことがあるようなフレーズがあったので)
第一楽章のちょっと大げさな主題
だがモゴモゴ・ウジウジと進められていくような音楽の印象
テーマが勇ましい割には何故かそんな風に感じてしまう曲だ
結局、最後まで楽しめず  少しつらい時間
ブラームスは4番の交響曲やクラリネット5重奏曲はいいけど
あとはどうも相性が良くない
(バイオリン協奏曲もなかなか通して聴けないでいる)

でもこの日のお楽しみは生で聴いたことのない3番
眠気を振り切って気合を入れて音楽に向かう
弦が細く刻みブルックナーらしいスタート
冒頭のトランペットは緊張するだろうな、、
でも、やりがいがあるというか目立って嬉しい、、、
そんなことを思いながら聴く

音楽は自然に流れるというよりはブツブツと途切れて
話があちこちに飛んでしまっているような装い
大音量のあとの静かな応答のフレーズ
なるほどオルガン的発想とはこういうことをいうのかもしれない
だが、この大音量の心地よいこと
難しい感情を込めたり流れの必然性というのではなく
単に大きな音を出すという生理的な心地よさ
ブルックナーの音楽を聴く時は、特に生で聴く時は、そのように感じることが多い

この初めて聴くだけでは何処にいくかわからない音楽
このスコア献呈されることになったリヒャルト・ヴァーグナーは
(2番と3番のどちらが良いか聞かれた)
すぐさまブルックナーの才能を感じ取ったのだろうか
そうだとしたら、仲間内の擁護はあるかもしれないが、やはり素人との捉え方は違う

アダージョの作曲家と言われるブルックナー
第二楽章は初稿ではかなりいろんなことをやっているが
この日の3稿では初稿の無鉄砲さはなくまとまっている
曲のはじめの大きな旋律を聴いた刹那、4年前リンツから聖フローリアン修道院に
向かったバスの車窓から見た穏やかな風景・自然を思い浮かべた
そこはブルックナーがいつも見たであろう風景だ
このオーケストラの人々もあの風景を見たら、一度経験したら
きっと違う音楽を演奏したに違いない
そういう機会があればいいのに、、などと思い浮かべた

自分は大いに楽しんでいたが、やはり何処に向かうかわけの分からない音楽
途中で逃げ出した方々もチラホラ見かけた(仕方ない、慣れないとキツイだろうから)
実際のところ、この曲は生でないと通して聴けない
CDやレコードでは楽章ごとに聴くしか出来ていない

オーケストラはプロではないので音色に潤いとか、細かなニュアンスなどは
望むことは出来ないが、それにも勝る熱気とか音楽に対する愛情みたいなものは感じた
だから最後の最後に、あの第一楽章のトランペットの主題が回帰された時は
わかっていても感動した
それはブルックナーがこうしたかったということと、
奏者も目一杯やったという充実感・幸福感をこちらも 感じさせてもらったということだ

会場では近場・近日に行われるコンサートのチラシが手渡されるが
次は何にしようか、、
7月7日に芸術劇場コンサートホールで行われる冷泉家絡みのけったいな行事も面白そうだが、、

 


 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする