昨日トリエステ出身の女性と会った
トリエステで思いつくのがウンベルト・サバ
この女性は少し真面目なテーマ(ダイバーシティ×キャリア教育)のシンポジウムのパネリストだったが
そのテーマの興味よりもサバの地元の人間だから、直接話してみたいとの思いが強くて
話す機会があるかどうかはわからないがとにかく出かけた
サバの名前を知ったのは須賀敦子さんのイタリアの詩人を紹介した本
何人か紹介された中で、しっくりというかとても素直に心(気持ち)のなかに
入ってきたのがサバで、すぐさま彼の詩集を手に入れた
この中にトリエステを扱った詩がある
まだ見たこともない、まるっきり異国の情景を難しくない言葉で紡いでいるがこれがとても心地よい
外国語の詩を日本語に訳して本当にその良さを感じられるか
リズムとか音の醸し出す雰囲気が伝わるかは確かに疑問が無いではないが
全体の印象としてはなんとなく伝わるのではないかと思っている
この本の成功の大きな理由は須賀敦子さんの抜群のセンスによる訳詩だろう
サバの詩は小難しいというより、柔らかな感受性をそっと呼び起こす感じで
読むのに苦労しないから時々適当にページを開きたくなる
ところでこの女性とはシンポジウムのあとのティータイムで少しだけ話すことができた
すでに別の方と話をしていたのでちょっと遠慮気味に声をかけた
「サバは大好きなんです」「彼の本屋はまだあるのですか」「トリエステにはサバの詩にあるようにユダヤ人が多いのですか?」
彼女はサバの名前が出てきたことに少し驚きを感じたようだ
そして彼女の親戚はサバの名前がついた中学に通っているとか(これはいい加減に聞いたので少し違っているかもしれない)
ユダヤ教会の大きなのが確かにあります、、とも丁寧に答えてくれた
トリエステはサバの詩を読んでからネットで色々調べた
イタリアの都市でスロベニアに近く、海に面した小ざっぱりした街
ヘッセの誕生地カルフに訪れたように、サバ詣でとしてトリエステにもいつか訪れる機会があれば良いのだが
(どこかへ行きたいと思っていることは行けないとしても、なにも望まないことよりきっといいこと)