5月だ
耳元を過ぎる風も、不意に聞こえる鳥の声も
降り注ぐ陽の光も、生まれたての生き物のような新緑も
どこか包み込んでくれるような優しさがある
5月だ
不意に「美しい5月に」という言葉が浮かんだ
それはシューマンの歌曲集「詩人の恋」の一曲目
伴奏のピアノのいつまでも解決しないような
憧れがいつまでもあとを引くような
もやもやしたような不思議な世界に引き込まれた
初めて聴いたのはヘルマン・プライ
同時期の万能の歌手、フィッシャー・ディースカウではない
プライの素朴な歌いっぷりの方が、うまいけどどこかやりすぎの感がある
フィッシャー・ディースカウよりも気に入っている
動画はフィッシャー・ディースカウの方が多くアップされているが、プライのはこちら
ピアノ伴奏に心を掻きむしられる
Hermann Prey; "Im wunderschönen Monat Mai"; Dichterliebe; op. 48; Robert Schumann