パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

「またやってる!」は個性か、ワンパターンか?

2022年11月14日 10時24分55秒 | あれこれ考えること

ブルックナーの音楽にはパターン化した旋律がある
タンタン・タタタというでリズムで4番も8番もそれを聴くことが出来る
それは「またやってる!」とも思う

ショスタコーヴィチの知らない曲を途中から聴いていても
5番の第4楽章のあの特徴あるリズムらしきものが現れると
彼の作品だとわかる

チャイコフスキーも、5番でも6番でも似通った部分を聴くたびに
「またやってる!」といつも思う

それらは個性なのか、ワンパターンなのか

これは音楽の話で、作曲家はまるっきり固定化したアイデアとか
思いつきから離れるのは難しいと思われる
モーツァルトでさえケッヘル番号が近い作品は似たフレーズがある

こんなことを改めて感じたのは、音楽とは違う分野だが
辻邦生の「ある生涯の7つの場所」でエピソードのパターン化を感じたからだ
長編小説の作家、辻邦生が短編の集合体としての「ある生涯の7つの場所」は
物語作家としての創作意欲の旺盛さを感じる作品だが
まとめて読んでみると「またやってる!」(死についてのエピソードが)
と実感としてしまった部分が少なくなかった

だが、これらのことは少し安心感を覚えたのは事実だ
「人はとんでもなくいろんなパターンのアイデアを思いつくことはできない」
という現実を思い知らされたからだ
つまりどんな著名な創作家でも、駄作は時に存在するということで
その不完全さは、(自分にとって)ちょいと安心につながったということだ

人はその人の重要な固定観念から抜け出すことは難しいと思う
そして作曲家や小説家に要求される能力は、作り続けるという力だと思われるが
その作り続けることは、ワンパターン化しがちで
深化はその範囲内で行われるようだ

それにしても、こんな風に思うこと自体がワンパターン化しているのだろうか


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