パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

じっくり取り組んでみたい?今西錦司

2008年06月13日 22時04分15秒 | Weblog
「学長は寂しいもんなんや!」
そのあまりにも場違いな言葉に
緊迫した空気が失笑につつまれた(様に感じられた)
記憶が今でも残っている

場所は大衆団交の大部屋の教室
そしてこの言葉の主は、今西錦司

もう何十年前の話
ノンポリの学生だった自分も、
その時代の雰囲気の勢いに押されて大衆団交の場にいたのだが
必ずしも学生たちの立場の応援ではなかった自分は
単に議論を聞いていたに過ぎなかった

そこで出たのが冒頭の言葉
すっとぼけた味わいのあるこの言葉
学長のキャラクターを如実に現しているようで
自分はこの言葉に不快感は感じなかった
それどころか、まるで子供みたいに思われ
歳の割にとてもかわいく思えたのだった

正直なところその頃の自分は
学長の名前も知らなかったし
何をしていた人かも知らなかった

だが次第に今西錦司の名を知る様になって
えらい人だったんだ!
と認識する様になったが、今でも心の中では
「かわいい感じの子供みたいな人だった」
として残っている

今読みかけている
「新・進化論が変る」ブルーバックス 中原英臣/佐川 峻
この中に今西錦司の事が出ていて
アンチ進化論の立場から
「種は変るべき時が来たら変る」
との言葉が紹介されていたが
この一見学者にあるまじき様な言葉に
学生時代に感じた今西錦司氏のキャラクターを感じて
懐かしく思ってしまった

そして彼の唱える「棲みわけの理論」の方が
自分にとってダーウィンの進化論より抵抗感なく
受け入れられそうな気がした

それは単に自分がものを知らないだけかもしれないし
昔学長だった人へのシンパシーから来ているのか
はたまた自然をこよなく観察した人への畏敬の念から
引き起こされたものか知らないが
とにかく今西錦司の著作を
一度じっくりと読んでみなければいけないかな

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