いったい何回ヴァーグナーの「ラインの黄金」を聴いただろうか
3枚組レコードの最初と最後は何度か聴いたことがある
しかし、途中、特に3面以降は歌詞と照らし合わせながら聴くのが
面倒でそんなに聴いていない
今回、10月の国立歌劇場の上演に合わせて予習を兼ねて
我慢しながら歌詞と照らし合わせながら聴いてみた
(カラヤン盤のレコードの解説書をみながらフルトヴェングラーとの演奏で)
「ラインの黄金」は神話の物語で妙なストーリーだ
ラインの乙女から奪った黄金で作った指輪が
世界を支配しうる能力をもつ
というのは、どこからの発想かヴァーグナー自身の発想か
専門家ではないので分からないが、
「愛を諦めたものが手にすることができる」のアイデア・位置づけはなかなかのもの
この指輪がとんでもない力を持つのは、トルーキンの指輪物語でもおなじみだが
ヨーロッパでは割合ありふれたパターンなのだろうか
歌詞を追っていくとなかなかおもしろい
ワルハラ城を巨人に作らせたのはヴォータンだが
その報酬としてフライア(生命の女神)を与えようとする
しかし、姉のヴォータンの妻 フリッカが横槍を入れる
最初から巨人にフライアを渡すつもりなどなかったヴォータンは
火の神ローゲと策略を用いて、愛を諦めたアルベリヒが作り上げた
指輪を奪ってフライアの代わりに渡すことになる
しかし、指輪にはアルベリヒから奪った時点で呪いがかけられており
巨人に渡されると兄弟げんかをして、片方が他方を殺してしまう
ヴァーグナーはなんとまあ奇妙な話を考えたものだ
そしてこの神話的な話が、現在では演劇的に解釈されて
実生活の幾つかの状況になぞらえられているし
そのように拡大解釈をしたがる人の気持ちも何となく分かる
今回聞いていて興味深い人物(神)はローゲ
人間性の深い洞察力とひねくれた発想と策略
もしかしたらジークフリート、ブリュンヒルデ、ヴォータンに隠れた
影の主役なのかもしれない
とここまではストーリーを主体の話
音楽は前夜祭と名付けられた出しもので続く作品にも
効果的に使われるライトモチーフがお披露目
解説書の歌詞がどこだったのか見失った時、このライトモチーフは
場面を探すのに役に立つ
フルトヴェングラーの演奏はイタリアのオーケストラなので
ノリはいいかもしれないが金管の音色に少し違和感がある
こんな面倒な話(音楽)はもう一生聴くことはないかもしれないので
今回の機会を大切にしなくては、、
音楽を聞かずにストーリーだけを一回追ってみようか
そういえば、ニーベルングの指輪の漫画があった
こちらのほうがわかりやすいかも知れない
でも、漫画喫茶にはなさそうかな、、(自分で買うきにはなれない)