ヘクソカズラの実
<アカネ科・ヘクソカズラ属>
多年生のつる草。
悪臭があることから屁くそ蔓の名がついた。
花は中央が赤く、お灸(やいと)のあとに似ていることから、
ヤイトバナとも言う。
秋に
黄色い球形の実を多数つけ、
冬場も乾燥したままその実を残している。
ヘクソカズラの実
<アカネ科・ヘクソカズラ属>
多年生のつる草。
悪臭があることから屁くそ蔓の名がついた。
花は中央が赤く、お灸(やいと)のあとに似ていることから、
ヤイトバナとも言う。
秋に
黄色い球形の実を多数つけ、
冬場も乾燥したままその実を残している。
マンリョウの実
<ヤブコウジ科・ヤブコウジ属>
暖地の林内に自生し、
観賞用に栽培される常緑小低木。
茎は直立し、
丈夫でまばらに小枝を出す。
葉は互生し長楕円形で、濃緑色、質は厚い。
7月頃
小枝の先に散房花状の白い花で五裂する。
果実は赤く熟す。
<俳句歳時記>冬
万両(まんりょう)
万両の雨後の日のほか不透明 小泉 もとじ
万両やまたアメーバーのように住むか 中島不二男
万両の日にぬくみゐる我もまた 森 澄夫
万両や母に告ぐべきこと選ぶ 神蔵 器
センリョウ(千両)の実
<センリョウ科・センリョウ属>
常緑低木。
葉は互生し、
長楕円形で先がとがりふちにはあらい鋸歯がある。
6~7月
茎の先に小さな黄色い穂状花序をつける。
果実は
球形の赤色。
お正月用の切り花に使われる。
<俳句歳時記>冬
千両(せんりょう・せんりゃう)
<実千両(みせんりょう)仙蓼(せんりょう)草珊瑚(くささんご)>
名は千両といふ明るくて寂しくて 有働 亮
千両の実だけが紅し日照雨過ぎ 細田 寿郎
いくたび病みいくたび癒えき実千両 石田 波郷
縁側のひくき住居や草珊瑚 森 活井
オモト(万年青)の実
ユリ科の常緑多年草。
野生もあるが栽培品種が多い。
実は球形で
十数粒集まってつき赤く熟す。
<俳句歳時記>秋
万年青(おもと)の実
<老母草(おもと)>
指きりの指が万年青の実をはじく 加藤 いゑ
花の時は気づかざりしが老母草の実 召 波
愚を守る庵に一鉢老母草の実 松瀬 青々
埃浮く神保町の万年青の実 藤村 克明
ヤブコウジ(藪柑子)の実
<ヤブコウジ科・ヤブコウジ属>
山地の木陰によく群生する常緑小低木。
地下茎で増える。
葉は輪生状に互生し、長楕円形でふちに鋸歯がある。
7~8月、
小さな白い花を下向きに咲かす。
果実は
球形で赤く熟す。
<俳句歳時記>冬
藪柑子(やぶこうじ)
<紫金牛(やぶこうじ)・山橘(やまたちばな)>
苔寺の苔より低し藪柑子 鈴鹿野風呂
うゑのおくやましばらくは藪柑子 松澤 雅世
雪積まぬひと処あり藪柑子 井上さだお
洗い場に湯気こもりけり藪柑子 長谷川 櫂
ギンモクセイの実
(銀木犀)
<モクセイ科・モクセイ属>
庭木として植えられる常緑小高木。
樹皮は淡灰褐色。
葉は対生し、長楕円形で先はとがり、
ふちにはあらい鋸歯がある。
10月、
葉のわきに芳香のある小さな白い花を咲かす。
雌雄異株。
果実は楕円形で、
黒紫色に熟す。
タブノキ(椨の木)
<クスノキ科・タブノキ属>
暖地の沿岸部に多い常緑高木。
大木になる。
樹皮は暗褐色、
葉は枝先に集まってつき倒卵状長楕円形で先端はつきでる。
厚い革質で表面は光沢がある。
5~6月
枝先の円錐花序に淡黄緑色の小さな花をつける。
果実は
球形で花被が残り
7~8月に黒紫色に熟す。
↓新芽
アオキ(青木)の実
<ミズキ科・アオキ属>
山地の林下にはえる常緑低木。
葉は対生する長楕円形で先はとがる。
質は厚く、表面に光沢がある。
葉の汁には解熱効果があり、
押し葉にすると黒くなる。
3~4月、
茎の先に円錐花序の紫褐色、
時に緑色の小さな花を多数つける。
花弁は4個で、雌雄異株。
↓雄花
果実は
楕円形で秋に赤く熟す。
いつもなら・とっくに赤い実になっているはずだが、
今年はまだまだ青い実のほうが多く見られた。
<俳句歳時記>冬
青木の実(あおきのみ)
青木の実寡黙なるとき吾が血濃し 岡本 瞳
日当たれば日当たるいろの青木の実 藤田美代子
死の近しか青木の実は赤ききわみ 海藤 抱壷
老人病棟ガラスほほえむ青木の実 大貫つるじ
ビワ(枇杷)の花
<バラ科・ビワ属>
常緑高木。
葉は枝先に集まって互生し、
広倒披針形で革質。
11月~12月、
枝先に芳香のある白い花を密に開く。
花弁は5個、
葉の裏・花柄・苞・萼に褐色の綿毛を密につける。
果実は
翌年の6月頃に黄褐色に熟し甘くておいしい。
<俳句歳時記>冬
(花枇杷・枇杷咲く)
枇杷の花胸厚き教師病むという 岡本 政雄
枇杷の花人は小石をあたためる 本田ひとみ
枇杷の花二階にばかりゐる日かな 摂津よしこ
黒衣のように歳月過ぎし枇杷の花 出沢柵太郎