イヌシデの冬芽
<カバノキ科イヌシデ属>
落葉高木。
樹皮は灰白色でなめらかだが、
老木になるとやや浅い裂け目ができる。
一年枝は褐色で若いものは毛が多い。
冬芽は(葉芽)は1列に4~5個の芽鱗がつき。
枝にほぼ伏生する。
乾くと芽鱗が外へ開くものが多い。
葉痕は小さく、半円形。
下は幹と冬芽
下は幹
イヌシデの冬芽
<カバノキ科イヌシデ属>
落葉高木。
樹皮は灰白色でなめらかだが、
老木になるとやや浅い裂け目ができる。
一年枝は褐色で若いものは毛が多い。
冬芽は(葉芽)は1列に4~5個の芽鱗がつき。
枝にほぼ伏生する。
乾くと芽鱗が外へ開くものが多い。
葉痕は小さく、半円形。
下は幹と冬芽
下は幹
ニワトコの冬芽
<スイカズラ科ニワトコ属>
落葉低木。
冬芽は大きくて対生し、
早春から芽が膨らみ緑色を帯びる。
小枝は、灰褐色で太く柔らかい。
枝先は枯れて細くなることが多い。
枝や冬芽は無毛で皮芽は大きい。
葉芽は長卵形~卵形。
下は幹
古い枝は樹皮が縦に裂けて落ち灰褐色になる。
枝や幹の黒焼きは骨折、打ち身などの薬になり、
接骨木とも言う。
若芽は山菜になるが、青酸配糖体を含むので要注意。
アセビ(馬酔木)の花芽
<ツツジ科アセビ属>
やや乾燥した山地に生え、群生することがある。
葉は互生し倒披針形で厚い革質。常緑低木。
3~5月、
枝先に白い花が垂れ下がって咲く。
花冠は壺形。
果は扁球形で上向きにつき、9~10月に熟す。
有毒植物で、万葉植物のひとつ。
まだまだ固い蕾
<俳句歳時記>春
馬酔木(あしび)の花
[花馬酔木(はなあしび)、あせび]
宵長き馬酔木の花の月を得し 野澤 節子
馬酔木咲き歳月戻す雨の中 古館 曹人
帰るべき家ありて憂し花あしび 児玉 悦子
馬酔木咲くかがむは放浪のはじめ 伊藤 淳子
梅の花
<バラ科サクラ属>
落葉高木。
中国原産で古く日本に渡来。
樹皮は黒褐色。
早春、葉に先立って開く花は5弁で香気が高く、
平安時代以降、特に香をめで、詩歌に詠まれる。
花の色は、白、紅、薄紅、一重、八重咲など多様。
果実は
梅干しあるいは梅漬として
木材は器物とする。
未熟の果実生食すると、しばし有毒。
枝垂れ梅
枝垂れ梅
<俳句歳時記>春
梅(うめ)
[野梅(やばい)白梅、紅梅、薄紅梅、豊後梅、臥竜梅(がりょうばい)、枝垂梅、他]
馬でゆく梅咲く他は大枯野 橋本 夢道
梅咲いて庭中に青鮫が来ている 金子 兜太
地球儀をかかへて下校は梅の中 桜井 博道
まひる梅の咲くさえ朧愛人あり 末永 有紀
飛び梅に野をひろげたる余白かな 河野 南蛙
紅梅やいましばらくは夕景色 ながさく 清江
オウバイ(黄梅)
<モクセイ科ソケイ属>
古い時代に渡来し、
観賞用によく植えられている落葉半つる性植物。
よく分岐し、
枝はつる状に伸びて垂れ下がり、地に着いたところから根を出す。
葉は3出複葉で対生。
小葉は長楕円形で、頂小葉はやや大きい。
2~4月、
葉より先に前年枝の葉脈に黄色い花を開く。
花冠は筒状で先は6裂して平開する。
中国では迎春花と言う。
<俳句歳時記>春
黄梅(おうばい)
[迎春花(げいしゅんか)]
一邨につばめ迎春花(いんちゅうほあ)に猫 金子 兜太
黄梅の衰え見ゆる日向かな 高木 晴子
黄梅や息きらさずに越えし山 鷲谷 七菜子
黄梅や砂鉄まみれに棒磁石 中村 雅樹
黄梅や鎌倉山に風出でぬ 嶋田 麻紀
カツラ(桂)の実
<カツラ科カツラ属>
渓流沿いなどにはえる落葉高木。
樹皮は暗灰褐色で、
縦に割れ目ができてはがれる。
葉は対生し
広卵形で基部は浅い心形。
裏面は粉白色を帯びふちには波状の細かい鋸歯がある。
花は4月頃、
葉が出る前に開く。
雌雄異株。
花には花弁も萼も無く2~4個の苞に包まれていて、
糸状の淡紅色。
果実は袋果でややそりかえった円柱形。
帯紫黒色に熟して裂け、
先端に翼のある種子を多数だす。
雌株の実のあと
雄株の冬芽
フクジュソウ(福寿草)
<キンポウゲ科フクジュソウ属>
北地に多い多年草。
よく栽培される。
黄金色の花は常に太陽に向いて咲く。
花期が早いので正月用の鉢植えなどもよくみかける。
花は黄色で有毒。
根は強心剤になる。
<俳句歳時記>新年
福寿草咲いて筆硯多祥かな 村上 鬼城
片づけて福寿草のみ置かれあり 高浜 虚子
日輪の福寿草の庭二歩三歩 阿部みどり女
書屋のみすがしさ保つ福寿草 水原 秋櫻子
わが好きの数の七つの福寿草 五十嵐 播水
裏山にゑくぼの日ざし福寿草 成田 千空
サンシュユ(山茱萸)の花芽
<ミズキ科ミズキ属>
別名ハルコガネバナ・アキサンゴ
落葉小高木。
樹皮は帯褐色で鱗片状にはがれる。
葉は卵状楕円形で、先は鋭くとがる。
裏面は有毛で、主脈の基部に褐色の毛のかたまりがある。
3月頃、
葉に先立って枝一面に散形花序をつけ、
黄色の小さな花を密に開く。
花序の基部に褐色の総苞片が4個ある。
花弁と雄蕊は4個。
果実は楕円形で赤く熟しめだつ。
<俳句歳時記>春
山茱萸(さんしゅゆ)
さんしゆゆの花晩年の野の光 平原 玉子
あまりにもさんしゅゆに近くあそびいて 阿部 完市
山茱萸や山国のものみな素顔 黒川 憲三
しのびあふけものありけり花さんしゅゆ 田浪 富布
ホトケノザ
<シソ科オドリコソウ属>
茎は細く基部で枝分かれする。
下部の葉には長い柄があり、
上部のものには柄がない。
葉は平円形で、ふちには鈍鋸歯がある。
花は紅紫色の唇形で、上部の葉のわきに数個つく。
花冠には細長い筒があり
下唇は3裂する。
萼は毛が多く先端が5裂する。
閉鎖花をつけることが多い。
春の七草のホトケノザはコオニタビラコのことである。
<俳句歳時記>新年
仏の座(ほとけのざ)
☆(実はコオニタビラコ)
子鬼田平子(こおにたびらこ)
女童の手がかしこくて仏の座 木村 虹雨
雲割れて日矢の射しけり仏の座 豊長 みのる
児の声の届く辺に摘む仏の座 磯貝 ひろし
野仏の影かたぶきぬほとけのざ 田辺 博充
たびらこの花に憩ひて古戦場 北田 桃代