ハグマノキ(白熊木)
<ウルシ科ハグマノキ属>
ハグマノキがスモークツリーと呼ばれるのはすごく納得するのだが、
実は漢字で書くと白熊の木になる。
ヤク(白熊)の尻尾の毛を束ねてつくられる仏具の払子 (ほっす)
に似ているからハグマノキ(白熊木)。
実は花のあとが花柄が細い糸状に伸び、煙のように見えるのだと言う。
一生懸命、糸を見てもまだ実が見えなかったが、
実ができるらしい。
花の時期に出会ってみたかった。
俳句は煙で
秋風や煙立つなる玉手箱 永井 龍男
ハグマノキ(白熊木)
<ウルシ科ハグマノキ属>
ハグマノキがスモークツリーと呼ばれるのはすごく納得するのだが、
実は漢字で書くと白熊の木になる。
ヤク(白熊)の尻尾の毛を束ねてつくられる仏具の払子 (ほっす)
に似ているからハグマノキ(白熊木)。
実は花のあとが花柄が細い糸状に伸び、煙のように見えるのだと言う。
一生懸命、糸を見てもまだ実が見えなかったが、
実ができるらしい。
花の時期に出会ってみたかった。
俳句は煙で
秋風や煙立つなる玉手箱 永井 龍男
ナワシロイチゴ(苗代苺)
<バラ科キイチゴ属>
気になっていながら、すっかり行くのを忘れていた。
残っていただけでも嬉しかった。
近場は開発が進んで、ここにもすぐに及ぶだろう。
いつも、楽しみにしていた場所で、この閉鎖状のピンクの花が大好きだ。
時期は過ぎていたけれど、間に合ってよかった。
もう、殆ど花が散ってこれから実になる所だ。
雄しべが枯れ始めている。
茎は長く伸びて所々で根を出す。
葉は互生し、3出複葉だが、時に5小葉のものがある。
葉裏は白い。
花弁の先から雌しべの柱頭が覗いて、花弁のが落ち、雄しべの葯が開く。
萼は開閉するが花弁は開かない。
果実は6月の苗代の頃に赤く熟し食べられる。
7月ナワシロイチゴの実
俳句は苗代苺(なわしろいちご)で、
苗代苺水車は軋みはじめけり 岡田 史女
タイサンボク(泰山木)
<モクレン科モクレン属>
いい香りで大きな真っ白い花は見事だ。
いつも高い木の上の方に咲いているので写真は撮りにくい。
もうだいぶ花の盛りは過ぎてしまった。
雄しべがたくさん落ちてくる。
常緑高木。葉は大きく長楕円形、硬い革質。
裏面はさび色。
芳香のある白い直径12~15センチの大きな花を咲かす。
俳句は季語の泰山木の花
泰山木おのが木暮に花咲かす 長倉 閑山
チガヤ(千茅)
<イネ科チガヤ属>
群生して白い穂が風に揺れる姿は美しく、涼し気だ。
若い花穂はツバナ(茅花)と呼ばれかすかな甘味があり、
昔の子供たちはよく口にしたものだった。
河原や山野の草地や道端に群生する。
開花前の花序をツバナと呼び、噛むと淡い甘みを感じる。
赤い雄しべがある花期よりも、果期の白い綿毛の方が目立つ。
綿毛。
田んぼの近くで、アマガエルかな?
俳句は季語茅花(つばな)で
針花(つばな)ちばな・茅萱(ちがや)の花
浅茅が花(あさじがはな)茅花野(つばなの)などと使う。
茅花野にかくれてしまう私の鳥 川西 喜平
キツネアザミ(狐薊)
<キク科キツネノアザミ属>
花が薊に似る事からキツネに騙されたと言う意味の名前。
この頃、都会の空き地でもよく見られる。
古い時代に大陸から渡来した史前帰化植物と言われる。
綿毛。
羽状に深く裂けた葉は、柔らかくてとげが無い。
まつすぐな茎は上部で枝分かれし、直径2,5センチほどの紅紫色の頭花をつける。
総苞片に紅紫の突起があるのがあるのが特徴。
桑の実についていたチャバネアオカメムシ
俳句は季寄せの春(下)から薊の花
薊花(けいか)眉つくり・眉はき・野薊とも使う。
世をいとふ心薊を愛すかな 正岡 子規
センダン(栴檀)
<センダン科センダン属>
久しぶり、埼玉の都幾川までお弁当持参で車にわんこを乗せて出かけた。
もう、何十年ここへきているだろう。
ここも「立ち入り禁止」になっていたが、川まで行って見た。
懐かしい場所だ。ここで遊んでスーパー銭湯に入って夜中に帰ったものだったが、
その銭湯は、もう跡形もなかった。
夏草が茂って、思い出の栴檀の木だけが残っていた。
哀しい時も苦しい時も、愉しい時も・・よくお風呂から上がって1本道の先にある
古民家の灯を眺めながら色々、思ったものだが。
それさえ、もう許されないのだと思った。
別名オウチ(楝)とも言う。
落葉高木。いつも高い所に生えているので望遠で撮っていたが、
新しい木に、目の高さで花が咲いていた。
まるで、私達を待っていたかのようだった。
葉は大形の奇数2~3回羽状複葉で互生する。
小葉は長さ3~6センチの卵形または卵形楕円形で先がとがる。
淡紫色の小さな花を多数開く。
花弁は5個あり、雄しべは10個で、紫色の花糸が、合着して筒状になり、
その上部内側に黄色い葯がつく。
川向こうに美しいブルーのオハグロトンボがいた。
遠すぎて私のカメラではここ迄だったが、初めて見た美しいブルーの羽だった。
色々調べたら、リュウキュウハグロトンボに一番似ていたが、主人に言わせれば
琉球のオハグロトンボが都幾川にいるはずなど無いと言う。
画像もはっきりしないが、もし、間違っていたらお知らせくだされば幸いです。
俳句の季語では楝の花(おうちのはな)が栴檀の花のことで、
花樗(はなおうち)、栴檀の花(せんだんの花)とも使う。
ひろがりて雲もむらさき花樗 古賀 まり子
キキョウソウ(桔梗草)
<キキョウ科キキョウソウ属>
紫色の花がだんだんに咲きあがる。
これに似たものにヒナキキョウソウと言うのがあり、
てっぺんに花が1個だけ咲き、葉も小さくてっぺんの花以外は閉鎖花だそうだ。
私はまだ、ヒナキキョウソウには逢った事が無く、
是非出会ってみたいと思っています。
青紫の小さな花が、下からだんだんに咲きあがっていく事から、
ダンダンギキョウとも呼ばれる。
雄しべが花粉を出した後に、雌しべが開く。
(雌しべの状態)
たぶん、こちらは雄しべ。
柄の無い葉は、幅広の円形で茎を抱き互生する。
花は直径1,5~1,8センチの紫色で、先が5つに分かれる。
俳句は季語桔梗(桔梗草は無いので)で
桔梗と書いてきちこうと読んだりする。
桔梗のやうに渇きを思ふ女かな 松瀬 青々
コマツヨイグサ
<アカバナ科マツヨイグサ属>
マツヨイグサまたは、ヨイマチグサ(宵待草)の仲間の帰化植物で、
花が小さい事からコマツヨイグサの名がある。
直径2~3センチの花は淡黄色で4枚の花弁がある。
昼まで咲くこともあり、萎むと赤みを帯びる。
茎が根もとをから分かれて地面を這い広がる。
葉には羽状に避けるものや、ふちがなみうつものなど変異が多い。
俳句は季語「月見草」または宵待草
月見草少し進ます古時計 れんげ
(たまには、自分の句です。)
ツルマンネングサ(蔓万年草)
<ベンケイソウ科マンネングサ属>
勝手に玄関わきや空き地に這うように咲く。
普段は気にならないが、花が咲くと目立つ。
黄色い星形の花は直径1~1,5センチくらいで雄しべの葯が橙赤色。
これはまだ咲いたばかりかもしれません。
花が満開の頃、一斉に地面を這うように淡紅色でつる状の地上茎を長く伸ばす。
おもに地面を這い、立ち上がると草丈20センチ程度。
茎からは、3枚の扁平な多肉質の葉が輪生する。
(まだ茎が伸びてない状態なので葉は集まって輪生状にはえている。)
俳句は季語「夏めく」で夏兆す(なつきざす)とも使う。
夏めくや軋るお厨子の蝶番ひ 久米 正雄
テイカカズラ(定家葛)
<キョウチクトウ科テイカカズラ属>
何と言っても藤原定家のテイカの名前を持つ花で、
思いを寄せても叶わなかった式市内親王のお墓をこの花のつるが、
抱きしめるように覆い絡みついたと言う話はこの花を見るたびに、
思い出す。
常緑のつる性で茎は長く伸び付着根を出して岩や木を這い上る。
葉は対生する。まばらな集散花序を出し直径2~3センチの芳香のある花をつける。
こんなに白い花のテイカカズラは、珍しく見た。
はじめ白色でのちに淡黄色になる。
上半部がややふくれて5裂し、スクリュウー状に捻じれて平開する。
実は弓状になって2個づつ吊り下がり、中に白い絹毛状の冠毛がある。
風に乗って飛び散る。
テイカカズラの実
花はよく見るが実には、なかなか出会えない。
(形だけ見るとやはりなかなか見つからないキョウチクトウの実によく似ている。)
綿毛
藤原定家の話のついでに、お能に「定家」というのがあるが、
式市内親王の亡霊が、旅の坊さんに定家の執念に捕らわれたこの身の助けを
乞うが、一度解けたように見えたカズラはあっという間に元通りになると言う
お話だそうです。
俳句は夏の季語に「定家葛の花」があった。
尼寺の定家蔓の夜なりけり 大石 悦子
「定家葛」の花の謂れを知って読むともっと想像が広がりますね。