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ウクライナ情勢-黒海安全回廊660万tの穀物輸出とセヴァストポリのコルベットツイクロン撃沈

2024-05-30 07:01:30 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ウクライナ情勢です。アメリカからの支援再開の成果が有る程度見通せ始めているのですがいまひとつ日本の姿勢についても再考してほしい所です。

 ウクライナは2024年4月に660万tの穀物を輸出した、ウクライナ経済についてイギリス国防省が5月22日付ウクライナ戦況報告において情報をまとめていて、660万tの輸出は一ヶ月の輸出成果としては2022年2月のロシアウクライナ戦争開戦以来最大規模に上ったとし、その背景には黒海安全回廊が確保されたということが大きい、と。

 黒海安全回廊は世界の穀物輸出量の10%近くを占めるウクライナ産穀物をアジア中東アフリカ地域へ輸出するために周辺国とロシアが協力したもので、2023年8月に設置されていらい船舶1600隻が4500万tの貨物を輸送、穀物以外には鉄鉱石と鉄鋼などが含まれているといい、これはウクライナ経済の回復にも大きく寄与することでしょう。■

 ロシア軍はハリコフ侵攻部隊の再編成を開始した、ISWアメリカ戦争研究所5月22日付戦況報告によれば、ウクライナ軍軍事オブザーバーのマショヴェッツ氏の発言としまして、ハリコフ州のリプシ周辺に侵攻したロシア軍第7自動車化狙撃連隊を交代のためにウクライナ領内から撤収させ、ベルゴロド州とクスルク州で再編中、とした。

 防空装備の枯渇が苦戦の背景にあるというウクライナ軍ですが、ドネツク州を防衛するウクライナ軍旅団が過去2週間で4機のロシア軍Su-25攻撃機を撃墜したと18日に発表したとISWは紹介しています。この戦闘には広域防空システムではなく個人携帯用のMANPADを使用、ロシア軍はMANPADの射程内まで攻撃機を前進させている証左です。■

 ウクライナ軍はセヴァストポリ軍港停泊中のコルベットツイクロンを撃沈しました。5月23日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告によれば、ウクライナ軍は19日、自爆用無人機とアメリカが供与したATACMSを組み合わせて実施、このツイクロンは対地攻撃用のカリブル巡航ミサイル運用能力をもつカラクルト級コルベットです。

 ロシア黒海艦隊にはカラクルト級コルベットが4隻装備されていますが、セヴァストポリ軍港への相次ぐ攻撃をうけ2023年11月に1隻が大破していて、また2隻は安全なカスピ海へ退避しているとされています。カリブル運用可能という水上戦闘艦はほかにも存在しますが、ロシア軍は黒海を正常に運用することが厳しい状況でしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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