北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都発幕間旅情】小田急60000形電車-15周年ヘッドマークを掲げる地下鉄直通青いロマンスカー

2023-10-28 07:00:18 | コラム
■青いロマンスカー
 小田原駅へメトロロマンスカーがやってきました。

 小田急60000形電車、新しい電車、というには次のが来たなあと、准最新型のように思っていましたが、よく見てみると15周年ヘッドマークが掲揚されていました。メトロロマンスカーとも呼ばれる青いロマンスカー、地下鉄乗り入れに活躍する特急電車だ。

 特急にとって必要なものは速度でも快適さでもなく、そうしたものをすべて統合したうえでの利便性、と言えるのかもしれません。具体的には、地下鉄でオフィス街に直接乗り入れるだけではなく、車内にはA4版ノートPC利用を前提とした座席構造を採用した。

 カフェカウンターを標準装備している、これは東海道新幹線が新幹線全てのワゴン販売を10月末日に終了し、このワゴン販売が300系新幹線新造時に設置していた車内売店の代替設備であり、更に自販機さえも撤去している、車内で補給の無い状況とは対照的で。

 青いロマンスカーはもとよりロマンスカーはこのほか、自動販売機なども設置していまして、ビジネス特急として想定している小田急60000形電車も例外ではなくアコモデーションに配慮することこそが、特急として選ばれる条件であることを理解しているもよう。

 テレワーク、一定程度オフィス出社基本への回帰が進んでいる中でもテレワークが定着している現状では、郊外、観光地も含めて本宅からオフィスまで、不定期に出社する場合や、余暇を最大限過ごすための選択肢としてビジネス特急の新しい需要が生まれた構図で。

 新宿を起点とする小田急は、小田原駅停車新幹線ひかり号と合わせて、東京駅から混雑する中央線に乗り換えるよりも、小田原駅からゆったり新宿や地下鉄沿線へロマンスカーという新しい移動手段を特に丸の内以外へビジネス需要に提案できるのかもしれません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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令和五年度十月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2023.10.28-2023.10.29)

2023-10-27 20:09:18 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 涼しくなったといいますか早朝は漸く寒さの気配を感じつつある今日この頃を皆様いかがお過ごしでしょうか、今週末は航空自衛隊と陸上自衛隊の航空祭が目白押し。

 浜松基地エアフェスタ浜松2023、日曜日に予定されています。第1航空団が展開する浜松基地は航空自衛隊発足式典が行われ名実ともに航空自衛隊はじまりの基地であり、また警戒管制部隊としてE-767早期警戒管制機とE-2C早期警戒機や最新E-2D早期警戒機部隊の上級司令部が置かれる戦略上の要衝、東海道新幹線浜松駅から5㎞と好立地だ。

 エアフェスタ浜松2023、飛行展示の予定を見てみますとブルーインパルスが参加します。そしてブルーインパルスは午後から、午前中に浜松基地の航空機や外来機のリモート飛行展示が行われますので、順光の撮影環境が整っている航空自衛隊広報館と航空祭会場、滑走路を挟んで撮影する二つの撮影場所をどのように移動するか、定点撮影か、鍵という。

 八尾駐屯地創設69周年記念エアーフェスタYAO2023、もう一つの注目行事はCH-47地上滑走体験飛行が300名抽選で行われる八尾駐屯地祭です。中部方面航空隊司令部と陸上自衛隊第3飛行隊の駐屯地である大阪の八尾駐屯地は、そもそも大阪第一空港として整備された大阪もともとの空の玄関口で、しかも航空祭であり駐屯地祭でもあるもの。

 エアーフェスタYAO2023、最大の目玉は大編隊飛行でしょう。年々陸上自衛隊ヘリコプター数の縮小が続いていますが、1航過だけとはいえ数十機のヘリコプターが頭上を行くのは中々の迫力です。そして訓練展示は、野戦や災害派遣展示と年度によって異なるものの野砲や戦車、今年度は機動戦闘車か、空包射撃とともにヘリコプターが飛行します。

 立川駐屯地創設50周年記念航空祭、もう一つ、例年は防災航空祭として行われている行事であり、この立川駐屯地の大編隊は自衛隊に加えて東京消防庁や警視庁に国土交通省から海上保安庁その他まで参加するため、50機規模の大編隊が組まれることもありました。今年度は立川駐屯地創設50周年記念航空祭、さてどのような展示となるのか、注目だ。

 施設学校開校72周年記念勝田駐屯地祭、上記まで航空航空航空祭と続いていましたが、こちらは駐屯地祭、有名なガールズ&パンツァーの舞台となった大洗からもほど近い勝田は常磐線沿線にありまして、施設関連機材は築城に障害除去に架橋に障害構築、不可能を可能にする職種ともいわれ、様々な装備品が展示し行進し訓練展示に参加します。

 留萌駐屯地創設70周年記念留萌市中パレード、土曜日に北海道の留萌で行われます。第26普通科連隊は沿岸部から道央に向かう隘路を防衛する第2師団隷下部隊、国道231号の留萌市内野本町交差点から花園町4丁目交差点にかけ実施されます。時間は1245時から行われ、北海道庁留萌振興局駐車場ではパレードの後に装備品展示も予定されている。

 桂駐屯地創設69周年記念行事、京都市内唯一の駐屯地での行事です。中部方面後方支援隊本部や関西補給処桂支処などが置かれる、かなり広い駐屯地で、観閲行進は支援車両中心に、かなり濃ゆい展示が行われます。訓練展示なども後方支援部隊ならではの内容、阪急からもJRからも近い駐屯地、駐屯地祭のあとは紅葉直前に西山三山拝観などもお勧め。

 三軒屋駐屯地創設68周年記念行事、岡山県の駐屯地です。前から気になっている第305施設隊と弾薬庫の駐屯地祭なのですが、FH-70の射撃や軽装甲機動車が参加しての近接戦闘なども展示される事がありまして今年度も、装備品の動的展示、というものが行われます。涼しくなったを飛び越して寒くなり始めた昨今、お出かけ計画が捗りますよ、ね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・2023年10月28日:留萌駐屯地創設70周年記念留萌市中パレード
・2023年10月28日:施設学校開校72周年記念勝田駐屯地祭
・2023年10月29日:立川駐屯地創設50周年記念航空祭
・2023年10月29日:浜松基地エアフェスタ浜松2023
・2023年10月29日:桂駐屯地創設69周年記念行事
・2023年10月29日:八尾駐屯地創設69周年記念エアーフェスタYAO2023
・2023年10月28日:三軒屋駐屯地創設68周年記念行事

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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ウクライナ情勢-MiG-31戦闘機キンジャール超音速ミサイル搭載黒海東部上空戦闘哨戒

2023-10-27 07:00:46 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 キンジャールミサイルの前方展開の話題を主題としますが先ずは東部戦線北部の情勢から。

 ISWアメリカ戦争研究所10月21日付分析によれば東部戦線北部でのロシア軍攻撃回数が激増しているとのこと。クピャンスク北東9kmのシンキフカとイヴァニフカで小規模攻撃20回、スヴァトフ南西15kmにあるナディヤで5回、クレミンナの南12kmにあるビロホリフカとスピルネ周辺地域で10回、攻撃を受けた。ロシア軍は前進していない。
 戦闘は少なくとも35回に及んでいますが、此処からわかることは、35回の攻撃にロシア軍が失敗しているという事、これは威力偵察であるのか連携の取れない突発的攻撃であるのかは分析が及んでいません。このほか東部戦線の動きとして、バフムト南西13kmのクルディウミフカにロシア軍が兵力を集中、ウクライナ軍の反撃を阻止する構えとのこと。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 MiG-31の話題です。

 ロシアのプーチン大統領はMiG-31戦闘機にキンジャール超音速ミサイルを搭載し黒海東部上空戦闘哨戒を開始したと発表しました。これは10月18日のプーチン大統領発言を10月21日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告が紹介したものです。黒海東部ではロシア軍機によるNATO軍機への挑発行動や妨害行動が頻発していますが、狙いは別に。

 地中海東部で行動するアメリカ海軍空母打撃群へのプレゼンスが目的ではないか、イギリス国防省はこう分析しています。キンジャールは射程2000㎞あり、プレゼンスは可能です。ただ、イギリス国防省はこの点について、キンジャールのウクライナでの実戦結果は芳しくなく、ロシア国内向けにアメリカへ優位であると示す事が目的だと分析しています。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 戦況はドニエプル川の方面でも動く。

 ドニエプル川渡河作戦について、ISWアメリカ戦争研究所10月21日付分析としてウクライナ軍は17日から18日にかけ、それまでの散発的な渡河作戦よりも規模の大きな渡河作戦を開始し、河岸から2㎞のキルンキー付近まで進出、21日の戦況分析時点でも東岸地域に橋頭保を維持しているもよう。ロシア軍は航空攻撃を行い排除を試みている。

 ロシア軍はこの地域に南部軍管区第49諸兵科連合軍と新編された第18諸兵科連合軍を配置していますが、第49軍第205自動車化狙撃連隊などはかなりの損耗を強いられているという。ロシア軍はカスピ小艦隊第177海軍歩兵連隊を増援に派遣していますが、ザポリージャ州西部での損耗から回復しておらず、ウクライナ海兵隊は橋頭保維持している。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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CB90/Stridsbåt90H【4】無人艇に転用しMUM任務-陸上自衛隊島嶼部防衛へ鹿児島沖縄駐屯部隊舟艇中隊

2023-10-26 20:16:32 | 防衛・安全保障
■有人無人混成MUM任務
 現有装備でも代替できない訳ではありませんが政治に求められる任務を最も効率的に考えた場合には既存装備を隙間運用の様に充てる事は一長一短となります、その欠缺を埋めるのがCB-90だと思う。

 CB-90襲撃艇、海上保安庁と自衛隊に最適な装備ではないか、という視点を示したのですが、海上自衛隊には、まず地方隊の警備隊用に最適な装備ではないか、と示しました。警備隊にはSB-25特殊警備船が装備されているのですけれど、これは要するに複合船ですから夏などは遮るものが無く大変です、この点でCB-90は高いけれど汎用性がある。

 海賊対処任務用、CB-90は北朝鮮不審船による武装工作船事案に対して有用ではないか、という視点は示しました。もっとも海上保安庁にも最適と提唱しているので、海上保安庁の手におえない場合に海上自衛隊へ海上警備行動命令が発令されることを考えれば、グリフィンミサイルのようなもので制圧する、というような用途に限られるのですが。

 アデン湾海賊対処任務、忘れられているようで永らく継続している海上自衛隊の任務として、護衛艦を派遣し実施している任務があります。もちろん、CB-90で延々と日本からアデン湾まで400㎞の航続距離ごとに寄港地で給油しろ、というわけではありません。護衛艦に搭載して現地で哨戒任務に充てる、恰もアメリカ海軍が行うような運用方式で。

 もがみ型護衛艦に搭載できる可能性がある、USV無人機雷排除システム用水上無人機が護衛艦もがみ型のFFM多機能護衛艦としての機雷戦能力用に搭載されるのですが、このために護衛艦の艦尾付近にハッチがありまして、内部に舟艇を収容しています。CB-90の大きさと重さを見ますと空虚重量15.3tで全長15.9mで全幅3.8m、喫水0.8mという。

 うみかぜ型USV,JMUジャパンマリンユナイテッドが開発した無人機雷排除システム用水上無人機は全長11mと全幅3.2mに満載排水量11t、これをCB-90と比較しますと確かにCB-90の方が幅で0.6mと重量で4.3t、簡単に4.3tと書いたけれどもこの重さだけで軽装甲機動車並みの重量です、だから一概に収容できるとも言い切りないのですが。

 無人艇に転用する、こうした施策も考えられるでしょう、MUM任務のように有人と無人を組み分けて、です。無人艇と相手に暴露しますと逆に拿捕される懸念などが生じますが、外見から有人か無人かがわかりにくくしたうえで、長期間の哨戒任務に当たらせるという運用が考えられます。そしてもう一つ、この装備は陸上自衛隊にも有用と考えるのだ。

 舟艇中隊として、3名で運用できるものですから5隻のCB-90を装備して地上支援要員と警備要員を合わせて50名程度の中隊を方面隊単位で配置することは予算面で難しいことではないでしょう。有事には地上要員の支援とともに即応予備自衛官を充当して各方面隊に3個中隊程度舟艇部隊を配置し海上輸送隊、というような部隊を編成してもよい。

 沿岸砲兵で運用しているのだから水陸機動団でも使おう、と安易に考えるのではありません。まず陸上自衛隊は1972年沖縄返還などに際し沖縄駐留部隊へ舟艇中隊を置く構想など、舟艇部隊の装備を真剣に検討しています、これは島嶼部ぼううぃを考えれば連絡手段がヘリコプターに限られる状況に危惧を抱いたといえるでしょう。もっとも連絡以外にも。

 物資輸送にCB-90は、それこそ載せられる装備が限られていますのでガダルカナル攻防戦の蟻輸送再来と揶揄されてしまうかもしれませんが、数個師団を離島に張り付けるのではなく少数の離島警備部隊の展開や物資輸送に、有人艇を人員や装備輸送に、無人艇を食料や弾薬輸送に、充てるならば離島防衛にはかなり有用な装備となり得るよう思います。

 AMOS-120mm自動迫撃砲を搭載し艦砲射撃だ、とも考えたいのですが状況を考えますと相手が離島に侵攻する際にはそれなりに制海権と航空優勢を確保しているでしょうから、艦砲射撃を行う場合にはこれを回復する必要がある、すると護衛艦の127mm艦砲に任せた方がよい。しかし、海上自衛隊に余裕がないならば、それも一応選択肢となりえる。

 抑止力、相手に戦争を起こさせないことが軍事力の第一の目的です、すると有事の際には離島に分散配置した部隊とこれらを確実に連絡線を維持する能力を誇示することは、相手に離島だからといって安易に占領させない、という示威効果を示せるものですし、また平時から小規模な上陸訓練を行い、広報などを通じて世界に示しておくという選択肢もある。

 スウェーデンは日本の平和主義の観点から参考にすべきと一時期言われていました、過去には核開発を真剣に検討したり武器輸出大国であったりNATO加盟交渉を進めて徴兵制が長い国でしたので、本当に調べたのか、懐疑的に聞いていたものですが、そのスウェーデンの開発したCB-90は、日本の防衛に資する装備であると、以上の通り考えるのです。

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【京都発幕間旅情】丸岡城(福井-坂井)丸岡古城まつり準備と小松基地航空祭と中部方面隊創設記念伊丹駐屯地祭

2023-10-26 07:00:50 | 旅行記
■丸岡古城まつり前夜
 74式戦車を選ぶことにはなるのですが、五万石パレードが丸岡で行われる日に伊丹では第3戦車大隊に第10戦車大隊と第13戦車中隊と第14戦車中隊のマークが揃う事に、

 福井藩の福井城支城であった丸岡城ですが、福井藩がお家騒動で二分され徳川家康が調停の乗り出す“福井騒動”が起こりますと、城主であった本多成重は、福井藩が減封となることとなり、この為に丸岡城の一帯を丸岡藩として独立することとなりました。

 本多成重の丸岡藩は元禄年間に数えて四代目の本多重益、お家騒動が起こりまして改易となります。そして当地には有馬清純、越後国糸魚川藩の有馬家が五万石で入場することとなり、ここから幕末まで、有馬家の丸岡藩としてようやくこの北陸の地は安定期を迎える。

 有馬清純、安土桃山時代には有馬晴信がキリシタン大名として有名ですが江戸時代には日向国延岡藩五万三千石の藩主でした、けれども農民逃亡が相次ぎ改易となり越後国糸魚川藩五万石へ、それが丸岡藩へ、1691年と1695年と相次ぐ引越しを経て当地へ。

 日向国延岡藩から色々あって丸岡藩へ、急に寒い場所になって大変だろうなあ、とちょっと考えてしまうのですが二代目藩主有馬一準の時代に、それまで外様大名という扱いであった有馬家でしたが、丸岡藩は外様大名から譜代大名となり、領地経営には成功した、と。

 丸岡古城まつり。わたしがこの城郭を探訪しましたのは、まさにこの週末に祭事が執り行われるという祭りの準備の最中というちょっと騒々しさの中に好奇心がわくような、舞台裏を舞台の組み立てが覆い隠す直前を眺めることができました。飲食店も大忙しで。

 十月の最初の週末、土曜日と日曜日に執り行われる丸岡古城まつり、そうかならば是非本番を、とこう意気込みたいところなのですが、肝心の丸岡古城まつりはもう一つの大きなお祭りであります小松基地航空祭がお隣、その前日展開に探訪したという背景があり。

 小松基地航空祭、2023年はブルーインパルス飛行展示が行われないのですけれども、福井県坂井市のこの城郭から、そうブルーインパルスであれば飛行展示の一部も望見できるのかなあ、と思ったりします。そしてお祭りは土曜日と日曜日におこなわれるというが。

 中部方面隊創設記念伊丹駐屯地祭、今年は土曜日に小松基地航空祭と日曜日に痛み駐屯地祭という日程で、昔はこれくらいどうとでもなかった、帯広駐屯地祭の翌日に南恵庭駐屯地祭に行ったり、豊川駐屯地祭と浜松基地航空祭を掛け持ちしたりしていましたけど。

 古城まつりをゆったり見ていられないのは残念だなあ、と思いつつ、ちょっと時期が悪かったよねえ、何しろ今年は、過去に無いほど平日の小松基地にイタリア空軍だ、オーストラリア空軍だと出かけ、伊丹では方面隊最後の74式戦車へのお別れの行事になるゆえ。

 五万石パレード、祭事は先ず武者装束に扮した市民による観閲行進、じゃない、歴史パレードを行い、人形山車や子供大名などなど楽しそうな行列がこの丸岡城の城郭を構成する縄張りとともに城山の周りをぐるり巡る。一周は長くもなく短くもないちょうどよさ。

 総踊り、からくり人形山車巡行、丸岡古城まつりでは様々な催しが行われます。そしてこの日も前夜祭ということで、広場では野外映画館が予定されているといい、キッチンカーなどがビールやお酒の準備を進めていました、ちょっと気にはなりましたが、時間が、ね。

 野外映画館、航空祭と日程が重なっているのが惜しいなあと思いつつ準備の様子という活気の中で近くのカフェーにてドライカレーを頂きました、なにしろ金曜日なのですから。城郭、それは大きくなくとも、存在感だけで街の団結を生むのだなあ、と感心しました。

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【京都発幕間旅情】丸岡城(福井-坂井)霞ヶ城は丸岡藩藩庁になった現存十二天守閣独立式望楼型二重三階構造

2023-10-25 20:20:50 | 旅行記
■福井は霞ヶ城探訪記
 天守閣を維持できている城郭というものは何か風情というだけではない特別なものを湛えている印象があるのですが、街の人たちが大事にしている故でしょうか。

 霞ヶ城、福井県坂井市丸岡町霞には柴田勝豊が天正時代に造営した城郭があった。この城郭は戦国時代の後には江戸時代に丸岡藩の藩庁となり城郭は維持され、今日にも天守閣が往時の情景を残している。そんな城郭へ暑さが漸く凪を迎えた頃合いに探訪しました。

 丸岡藩の藩庁が置かれたことから丸岡城として知られる城郭は、戦国時代に城を護る大蛇が霞を吐いて敵から城郭を隠して守ったという逸話から霞ヶ城ともいわれていまして、白山神社はじめこのあたりは蛇にまつわる伝承が多いなあと考えさせられるところです。

 現存十二天守閣、日本には数多城郭が造営されましたが天守閣という象徴的建造物を冠するようになったのが安土桃山時代以降、そしてその後の江戸時代という太平の時代を迎えるにあたりまして城郭は行政施設となり、数は限られるものの威容を誇るように。

 天守閣は多数造営されるものの、明治時代の廃藩置県と西南戦争など動乱と、そしてしばらくの安定期を経て太平洋戦争における本土空襲などにより大半が破壊されてしまい、残ったものがわずかに全国で12のみ、丸岡城はその数少ない現存十二天守閣のひとつ。

 永平寺から直通バスがあるのか。福井県にて前々から曹洞宗総本山の永平寺を拝観したいと願いつつ、時間や交通手段や予定などで中々果たせなかったところを漸く実現しましたが、驚いたのは福井駅から直通バスが運行されていたことです。勿論乗りますよ。

 福井駅から永平寺まで、えちぜん鉄道でその先はタクシーか徒歩か、バスは多分あるのだろうけれども、と難渋していましたらば直通特急バスがあり、有難いと拝観実現したのですが、それと同じくらい驚いたのは本数は少ないものの丸岡城へバス路線が有ったこと。

 独立式望楼型二重三階構造を有する天守閣が、しっかりと存在感を放っていまして、そうこの城郭を見上げるのは前回の小松基地航空祭前日以来という。丸岡城国宝化推進室を坂井市が設置したのが十年前の2013年、さてさてそのための史学の学術研究がすすむ。

 柴田勝家、北陸の虎と呼ばれた武将の甥である柴田勝豊が天正4年こと1576年に当地に城郭を拓いたのが最初という。緊要地形というよりも丸岡は北国街道を監視する適地にあり、城郭は地域防御拠点ではなく戦略交通網全般へのプレゼンスを発揮する役割に。

 織田信長が本能寺で討たれ、その後継者を探す清須会議が清須城にて開かれますと、柴田勝家は湖北の長浜城をその勢力圏に収めることとなり、柴田勝豊は長浜城主となり丸岡城を後にすることとなり、柴田勝家は城代として安井家清を配し、城郭を維持しました。

 北ノ庄城、福井駅の近くにある遺構なのですが、柴田勝家は賤ケ岳の戦いで豊臣秀吉に敗れますとこの北ノ庄城で最後の防衛を試みるものの叶わず討たれ、豊臣秀吉は丹羽長秀の所領に加賀国江沼と能美二郡としてここ丸岡を加えます、石高は60万石となった。

 丹羽長秀、実は織田信長の最後から数年を経て、このひとは積寸白という、要するに寄生虫にやられて亡くなるのですが、兵站畑と工兵畑で非常に有能とされ織田信長に重用されたものの、野戦の華々しい戦果にばかり注目される戦国史では目立たないのが寂しい。

 徳川家康は丹羽長秀の死後十数年を経て勃発した関ケ原の戦いにて、西軍に与した丹羽家家臣青山宗勝を当時の丸岡城主から改易し家康は次男結城秀康を入城させ本多成重、松平忠直、福井藩の城郭として位置づけられてゆきますが、一国一城令の時代となります。

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【京都幕間旅情】養源院,関ヶ原会戦に繋がる伏見城攻防戦の歴史を伝える血天井と今問う"誉"と"勝敗"の意味

2023-10-25 20:00:44 | 写真
■誉れとは死生観とは命とは
 紅葉が深紅の鮮やかさを湛える頃合いには逆に難しくなる視点なのかもしれませんが考えさせられる寺院という京都に数多ある寺社仏閣の一を前に。

 養源院、血天井で有名になっているのですが、確かによくよく見てみますと、天井は撮影禁止ですのでしっかりと確認できないところが何とも言えないのですが、手形といわれれば手形のようにみえますし、足跡といわれれば足の形状を保っているようにも。

 伏見城の戦いで戦死した東軍の兵士たちを、そのまま伏見城の破壊を免れた櫓などに安置していまして、実はこの伏見城の戦いが全員戦死と生存者自決の後に落城した二日後に関ケ原の戦いが勃発しています。伏見から関ケ原まで東海道本線でも二時間近くかかる。

 血天井が残される事となりました背景には、実はここ養源院、元和5年こと西暦1619年に落雷による火災で焼失していまして、その際に再建へ伏見城の廊下、血の跡の残る板材を用いて追悼にと用いられたものであり、徳川氏の菩提所として資金援助を受けた見返り。

 名探偵コナン、札幌のススキノでお世話になった、という声を聴きますが、有名な名案内コナンとは関係のない。一番印象的だったのはこの作中の修学旅行に際して地天井が何か恐ろしいもののように扱われていた、という点です。ただ、そう考えるものなのか、と。

 鳥居元忠らは討ち死にしているのですが、実は討ち取った鈴木重朝、関ケ原戦役ののちには浪人にこそなっているのですが、伊達政宗に仕えることとなっています。そして慶長11年こと1606年には徳川家康に直臣3000石として召抱えとなっているのですね。

 徳川家康お抱えののちに鈴木重朝さん、水戸徳川家徳川頼房の旗本として取り立てられていまして、もともとは雑賀衆という鉄砲傭兵団からの出世でしたので、考えてみれば西軍の先鋒がいろいろあって旗本となったのですから、これはもうかなりもの、といえる。

 血天井も、激戦の戦跡というものではあるのですが、遺体安置として放置されるよりも安置したまま関ケ原戦役の混乱のまま手つかずであったもので、結果的に酷い扱いを受けていたわけではない、そして討ち死には結果としては悲劇でも武家の誉れであった、と。

 武家の誉れ、これこそそもそも討ち取った鈴木重朝自身が重用されている通りであり、戦法度から逸脱さえなければ勝敗の多寡は関係ない、という認識があったのではないか。いや逆に考えれば日本の場合は敗者への認識が、明らかに安土桃山時代と後の時代が違う。

 敗者への認識ですが、誉、という名前は煙草の銘柄以上に現代では認識されないこととなっているのではないか。日本が最後に経験した第二次世界大戦では敗者に対する扱いは酷いものでしたし、その酷い扱いを行う事こそが正義のようにまかり通っている構図も。

 太平洋戦争では東京裁判とニュルンベルク裁判という過程がありましたが、敗者への扱いは明治維新ののちのもの、いや徳川家は結局生き延びたという反論もあるのでしょうが、やはり賊軍と定義づけられた方々のその後は無残無惨というほかないような結果が。

 俵屋宗達の躍動感ある襖絵などが迎えてくれるこの養源院さん、美術の寺院と理解しても良さそうなのですが紛れもなく山門の真横に“血天井”と大書された寺院でもあり、これがけっかてきに、なにか得体のしれないおどろおどろしい寺院のように認識されている。

 誉れとは、死生観とは、命とは。実のところこの養源院は、こうした時代とともに変わってしまうには惜しい価値観の移ろいを認識させる文化財として位置づけられていると思うのですが、血天井の扱いはそうではなく、表面だけの拝観押し売りが残念なのですね。

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ウクライナ情勢-ベルジャンスク飛行場急襲のATACMSとロシア軍戦車喪失数5000両,アヴディエフカ周辺戦況

2023-10-25 07:00:06 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ロシア軍が何故ヘリコプター部隊をATACMSはもちろんランセット無人機でも充分射程内となる戦域地域の航空基地に置いたのかは不明です。

 ウクライナ軍のATACMS陸軍戦術ミサイル投入について10月20日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告がその詳細を発表しました。ATACMSが実戦投入されたのは10月17日、攻撃目標となったのはベルジャンスクとルハンスクにある飛行場でロシア軍のヘリコプター部隊と飛行場施設が攻撃を受けた、被害程度は見ているあるものの概算では。

 ベルジャンスク飛行場9機、ルハンスク飛行場5機、全損した。ATACMSが初めて投入された戦果という。イギリス国防省はこの意義について、ロシア軍は前線で固定翼機による航空支援が貧弱であり、ヘリコプターによる航空支援への依存度が高い、またベルジャンスク飛行場は東部戦線南部の主要前方航空基地であり、影響は大きいと分析されています。
■戦車喪失数が5000両
 自衛隊の戦車は最も多かった時代で1200両でしかない。

 ロシア軍の戦車喪失数が5000両に達した、10月20日にウクライナ国防省が発表しました。5000両の戦車破壊について今回のロシアウクライナ戦争を含め武力紛争における兵器破壊状況を衛星画像やSNS投稿画像などから真贋判定を行う民間団体オリックスなども、かなり多数の破壊数を確認しておりロシアは保有兵器を大きく失っている事は確か。

 戦時発表故に真贋判定は難しいものの、ロシアの損害は決して小さくない。多数の戦車や装備を喪失する中でロシア軍が戦力を瓦解させない理由として、ロシアはソ連時代に生産され、且つソ連時代には短期間で新型戦車が開発され旧式戦車が耐用年数未満で多数倉庫保管されており、T-55やT-62などを再生し実戦投入していることが挙げられます。
■アヴディエフカ周辺
 ロシア軍の再攻撃について。

 アヴディエフカ周辺の戦況についてISWアメリカ戦争研究所10月19日付分析によればロシア軍はドネツク市南西10kmにあるノヴォミハィリョフカとアヴディエフカ南4kmのスパルタク近郊まで前進、アヴディエフカ、ノヴォカリノヴェ、シエヴェルネ、ペルヴォマイスケ、ステポヴェにおいて防衛するウクライナ軍部隊との間で戦闘となったもよう。

 東部戦線では一方で活発なロシア軍行動が確認されている北部のクピャンスク・スヴァトフ・クレミンナ線においてクピャンスク南東19kmにあるイヴァニフカ近郊までロシア軍が進出しているとのこと、ただ大きな前進ではない。この地域へロシア軍は第1親衛戦車軍、第6諸兵科連合軍、第25諸兵科連合軍など有力な部隊を集中し攻撃を加えています。
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【防衛情報】イギリス海軍空母プリンスオブウェールズとポセイドンMRA1哨戒機

2023-10-24 20:01:11 | 先端軍事テクノロジー
■防衛フォーラム
 今回はイギリスの最新鋭空母プリンスオブウェールズについて。

 イギリス海軍の空母プリンスオブウェールズは空母航空団能力拡張へアメリカに向け出港しました。9月5日、ポーツマス軍港を出港した空母プリンスオブウェールズはアメリカでの各種評価試験を行い、クリスマスの少し前にイギリスへ帰国する計画です。この空母プリンスオブウェールズはクイーンエリザベス級航空母艦の2番艦となっています。

 プリンスオブウェールズがアメリカで行う試験は、現在すでに有しているF-35B戦闘機の運用能力拡張と、無人航空機による物資輸送評価試験、そしてアメリカ海兵隊が運用するMV-22オスプレイ可動翼機のイギリス空母艦上での運用能力を確認する事であり、2025年にもプリンスオブウェールズは世界規模の空母打撃群としての能力を獲得するという。

 F-35B戦闘機の運用能力拡張は、現在では一定以上の海象では飛行甲板上での発着が制限される事となりますが、システム改良によりこの制約を大幅に払拭すること、そしてより多くの装備を搭載し発着能力を確保するもの。無人機の運用は、現在限られた艦載機を輸送支援に当てていますが、無人化することで艦載機を本来任務に専従させることを狙う。

 イギリス海軍は空母プリンスオブウェールズ艦上へ無人航空機発着させる史上初の実験に成功しました。これは悪天候など有人航空機が運用できない状況においても消耗品などを緊急輸送する無人航空機システム開発の一環として進められていたもの。クワッドドローンや小型無人機以外の比較的大型の無人機による空母への発着は世界でも稀有だ。

 プリンスオブウェールズ艦上へ発着した無人機は、イギリスのサウザンプトンに本社を置くWオートノーマスシステムズ社が開発した双発無人機で、100㎏の装備品を1000㎞以遠へ輸送する能力を持ちます。特筆すべきは短距離離着陸能力で、離着陸には150mの滑走路で十分といい、この長さはクイーンエリザベス級空母飛行甲板長の半分にあたります。

 無人機の試験はプレダナック補助飛行場を離陸し20分間の飛行を経て空母プリンスオブウェールズ艦上に着艦したという。これまで、イギリス海軍では空母への消耗品などの輸送にはワイルドキャット哨戒ヘリコプターを運用してきたため、無人機の導入によりイギリス海軍はワイルドキャットを対潜任務など本来の任務に専念させられるとのこと。

 イギリス海軍クイーンエリザベス級航空母艦用の早期警戒ヘリコプターが艦上運用を開始しました。イギリス海軍は1982年のフォークランド戦争において軽空母であっても艦載早期警戒機を有さない事は防空に致命的な脆弱性をもたらすとして、シーキング対潜ヘリコプターを原型としたシーキングAEW早期警戒ヘリコプターを開発しました。

 マーリンAEW早期警戒ヘリコプターとして現在はEH-101,現在はAW-101マーリンヘリコプターと呼ばれている三発の大型ヘリコプターへレーダーシステムを搭載し早期警戒機として運用していますが、常に艦上配備されているわけではなく、第802ヘリコプター飛行隊より、空母の2023年秋の長期任務に向けて艦上配備を再開した、というもの。

 クイーンエリザベスでのマーリンAEW早期警戒ヘリコプターの勘定配備は2021年に行われた日本への長期航海が初の任務であり、今回は二回目となります。早期警戒機としての任務のほか、AEWシステムはモジュール方式で取り外しが可能であるため、必要に応じて対潜ヘリコプターや救難ヘリコプター、輸送ヘリコプターとして任務対応が可能です。

 イギリス空軍はポセイドンMRA1哨戒機の持続可能性強化を前進させます。ニムロット対潜哨戒機の改良型開発遅延を延々と繰り返していたイギリス空軍固定翼哨戒機部隊はようやく航空機皆無状態からアメリカ製P-8Aポセイドン哨戒機を導入することで自前の洋上航空哨戒部隊を再整備することとなりましたが、気候変動対策を突き付けられる。

 ポセイドンMRA1哨戒機の運用能力について、今後イギリス空軍はロッシーマス基地へ1億ポンドを投じて定期整備施設や維持補給施設を整備する方針であり、また稼働率の維持強化とともに持続可能航空燃料として注目される温室効果ガスゼロ目標に合致させるためのSAF代替燃料施設を合わせてロッシーマス基地へ整備する方針です。

 イギリス空軍が運用するポセイドンMRA1哨戒機は9機、そしてこれらの機体はボーイング737型旅客機を原型機としており、ボーイング737において運用可能であるSAF代替燃料を搭載可能です。これらのSAF運用開始発表はイギリス北部エディンバラにおいて行われるロイヤルエディンバラエアタトゥ航空祭の発表に合わせて執り行われました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ウクライナ情勢-ATACMS陸軍戦術ミサイルの供与規模とアヴディフカ地域ロシア軍攻撃,クリミア大橋の復旧

2023-10-24 07:00:38 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 イスラエルへアメリカがウクライナ向け155mm砲弾供給を転用した穴埋めにATACMS供与が決断されたのではと思う。

 ATACMS陸軍戦術ミサイルの供与は12発から20発程度である、ISWアメリカ戦争研究所が10月18日に公表した分析として、“西側情報筋”と“政府高官”の情報を紹介しています。ただ、ATACMSの供与数について確かなことが示された訳ではない。ただ、多数の航空機が破壊された17日南部ベルジャンスクの飛行場攻撃には9発程度用いられた。

 ATACMS陸軍戦術ミサイルは射程300㎞、クラスター弾型についてはミサイル本体の大きさから制圧面積が大きく、冷戦時代に段列地域や車両集積所への攻撃等が念頭に開発されたものです。アメリカは戦線拡大を恐れ供与を見送ってきた背景がありますが、同時にHIMARSから発射でき射程165㎞、台湾有事に備え温存する必要性もありました。
■アヴディフカ地域での攻撃
 攻撃というよりも迂回か包囲機動にもみえる。

 ロシア軍はアヴディフカ地域での攻撃を強化している、ISWアメリカ戦争研究所が10月18日に公表した戦況報告によれば高速道路E50沿道に構築されたウクライナ軍陣地を繰り返し攻撃しているとのこと。アヴディフカ地域は2017年のドンバス戦争においても激戦となっており、ロシアウクライナ戦争開戦直後の2022年2月21日以降戦闘が続く。

 アヴディフカは開戦前の人口が3万7000名、ドネツク州州都まで鉄道および道路で結ばれ距離にして13㎞の要衝となっています。ソボルナ通りと市郊外のツァールスカオホタにロシア軍が進出、またアヴディフカを包囲しつつ更にドネツク方面へ3㎞西進しマリンカとノボミハイフカの周辺でウクライナ軍との間で20回以上の戦闘となっているもよう。
■クリミア大橋が復旧
 一応復旧したとのことですが。

 ロシア側の発表としてクリミア大橋が復旧した、イギリス国防省10月19日付ウクライナ戦況報告がロシアのマラトフスヌリン副首相の10月14日付発表を分析しています。ロシア側の発表によれば7月に受けたクリミア大橋の復旧までは時間を要するものと思われていたが10月14日に復旧を発表できる状況になったという。ただ、留意事項が。

 クリミア大橋はトラックや燃料輸送が未だ制限されておりフェリーによる輸送となっています。これは復旧したものの重車両の通行が制限される状況が続いていることを示し、またロシア軍はクリミア大橋への依存度が高く、繰り返しウクライナ軍から無人艦艇や巡航ミサイルによる攻撃を受ける橋梁の防衛に多数の部隊を張り付ける事を強いられています。

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