物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

三角関数の章

2019-10-21 12:33:34 | 数学

いまでは『大道を行く高校数学』解析編(現代数学社)という名で再販されている、高校数学の本の三角関数の章を昨日の日曜日に読んだ。もっとも読んだのはこの本の旧版で本のタイトルはちがう。

練習問題は基本的にすっ飛ばして読んだのだが、なんとかこの章は読めた。もっとも完全にはわからないところもあるが、ほぼ読むことができたと思う。これはあまり類書のない書き方がされている。

私が前に書いた数学エッセイでとりあげた、\sin \theta, \cos \thetaを\tan (\theta/2)で表すことは、逆に考えると\sin \theta, \cos \thetaをそれらの半角で表す、いわゆる三角関数の半角公式を求めていることになるのだ、とは宇沢弘文さんの数学書『好きになる数学入門』3(岩波書店)で知ったばかりである(注1)。

宇沢さんの本では半角公式ではなくて、倍角公式として出ていた。この本では倍角公式が加法公式よりも教材として前にもって来ることができることを示している。

私は加法定理がなければ、倍角公式は導けないと思っていたが、なんでも深くわかっている人にはかなわない。

インターネットで買った古本の戸田清『三角関数』(旺文社)でもトレミーの定理から加法定理を導いていたが、この箇所で1か所わからないところがあった。

こちらを宇沢さんの本にもとづいて解決がつくだろうか。

話はまったく数学とは関係がないが、先週の土曜日の雑談会でレポートしてくれた人が上に書いた経済学者だった、宇沢さんの子女と孫の方と知り合いだということを話しておられた(注2)。

また、この雑談会に参加されていたKさんは、宇沢さんは経済学にヒューマニズムを導入した方だと言っておられた。しかし、経済学にヒューマニズムをどのように導入するのだろうか。

(注1) もっとも上記の『大道を行く高校数学』では、三角関数の半角公式を図的に導くことができるという観点はもってないようだ。もちろん、私ももっていなかった。

(注2)宇沢弘文さんはもともと東大数学科を出られた方だが、アメリカで数理経済学を修めた方であったと思う。

アメリカの大学で経済学の教授になられたのだが、何をおもわれたか(たぶんその当時の経済学に不満を感じられたのであろう)日本に帰り、東京大学の経済の先生になられた。

晩年には啓蒙的な数学の本を書かれており、その本のいくつかを私ももっている。

 


頭は加法定理のことばかり

2019-10-19 13:08:16 | 数学

頭は加法定理のことばかりである。昨夜家に持って帰った、片山孝次『複素数の幾何学』(岩波)の加法定理の導出について11時半から12時半くらいまでで読んだ。

昨日はトレミーの定理という平面幾何の定理から、加法定理を導く方法を宇野弘文『好きになる数学入門』第3巻で学んだ。しかし、ここを読んでいるうちに居眠りしてしまったが。

そういえば、この本には倍角の公式を加法定理ではない幾何学的な方法で導いてある。まだ詳しくは読んでいない。

すくなくとも、私は今まで加法定理以外から倍角の公式を導いたものは知っていなかった。


加法定理の導出いろいろ

2019-10-18 12:47:50 | 数学
「加法定理の導出いろいろ」といったエッセイを大幅に書き換えて出す必要を今感じている。

「加法定理の証明いろいろ」というタイトルのエッセイを『研究と実践」(愛数協)(1995年)に書いたときには、たった4つの導出法だった(『数学散歩』(国土社、2005) 45-51に再録)。

いまでは、これの2倍以上の方法があるのではないかと思っている。一つは極座標表示での距離を求めることから導く方法である。遠山啓さんの遺した晩年の『数学セミナー』への寄稿もあるし、考え方は同じだが、片山孝次さんの『複素数の幾何学』(岩波書店)にも似た証明がある。

余弦定理を用いる方法もある。

それに昨日、神田の明倫館書店からインターネットで購入した、戸田清『三角関数』(旺文社)を見たら、「加法定理の別解」というタイトルで4つが出ていた。これは幾何学的な導出に加えての話である。

武藤徹先生もベクトルとかその他の方法で導かれている。それらを全部見て、また新たにエッセイを書きなおす必要があろう。

そのとき、昔は気にしなかったが、どういう知識がもとになっているのかを気にする必要があると今では感じている。

昔は、あまり教育という観点がなかったから、いくつでも知識はいろいろもっていると仮定してもよいと考えていた。

それがもうちょっときめ細かな配慮が必要な時代になったのかなという感じをもつ。いや、これは私自身の成長(?、少なくとも老化ではなかろう)によるのかもしれない。

「Eulerの公式の導出いろいろ」というエッセイも『数学・物理通信』4巻6号 (2014.9) 18-34 に掲載している。これにはもちろん前の版があり、これは『研究と実践』(愛数協) No.102 (2009.10) 21- 36である。もっともこの前の版を直接に見た人などいないだろう。






電気器具を修理し続ける人

2019-10-17 12:25:57 | 日記

名前は憶えていないが、今週だったか先週だったか、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で古い電気製品を修理し続ける電気店主のことを放映していた。

もう古くて何十年も前の電気器具を修理する人である。電気店としては製品の売り上げが全国で最下位の電気店主であったという。

そのうちに古い電気器具を修理することを自分の天職と考えるようになったらしい。まことに奇特なひとがいると感心した。

電気回路はもう部品がなかったりするのだが、それでもなんとか修理する。それだけではなく予防修理までもする。

いまでは全国から古い電気製品を修理してくださいとの注文が殺到しているという。

家電メーカーは新しいものを買ってもらわないと商売にならない。だが、この人はあくまで修理にこだわる。

ほとんどなんでも修理するらしいから、エレクトロ二クスの知識はすごいものだろう。物理の実験屋さんでもこういう人は少ないのではあるまいか。もう感心するしかなかった。それも修理が困難な電気器具にであってもにこにこ笑っている。そして結局は修理に成功してしまう。

物理の理論家だった友人で電子回路をいじって、パソコンをつくったりする人はいるが、それにしても完全に脱帽である。


不思議に思うこと

2019-10-17 11:50:17 | 日記
「不思議に思うこと」というタイトルで前にもブログを書いたと思う。

これはコンビニの営業時間のことである。日本ではコンビニは24時間営業であることは誰も不思議にも思わない。

しかし、コンビニが24時間営業するためには、そこで深夜働く人がいるということだ。これはある種の人権無視となるのだから、営業時間の短縮が提案されてもしかるべきだ。

私案だが、午後11時に閉店して、午前5時に開店するということにしてはどうだろう。

私が不思議に思うことは、そういう提案が天下の良識を代表している、「朝日新聞」から出されないことを不思議だと思っている。

まだ、こういったコンビ営業時間の制限が公に議論されているわけではない。しかし、働く人を募集してもなかなかそういう人がいないということから、いくつかのコンビニで24時間営業を止めたいとの申し出がされている。しかし、コンビニ本社はそれをなかなか認めようとはしていない。

ここはもう一歩踏み込んで、コンビニの営業時間の制限を提案するときではなかろうか。

ちなみに、24時間営業はフランス語では24 (vingtquatre) heures sur 24 (vingtquatre) という。直訳すれば、「24の上に24時間」という。

三角関数の水道方式を”自分で”つくるか

2019-10-16 12:21:52 | 数学

「三角関数の水道方式を自分でつくるか」という命題に現在ぶつかっている。

三角関数を解説したテクストには事欠かないが、それがいわゆる水道方式の思想に沿っているかといえば、そうではないだろう。

遠山さんが晩年に書いた三角関数の解説は、いまでは『遠山啓著作集』(太郎次郎社)に載っている。それを先日コピーした。それが水道方式を提唱した人自身の三角関数の最後の解説と言っていい。

そのせいかちょっと普通の書にはない観点が現れている。だが、もう一つ徹底したとは言えない。

遠山さんは70歳でなくなったので、たぶんこの雑誌「数学セミナー」に書かれた解説は晩年に近いものである。ちょっとそれがいつだったかは覚えていないが、70年代の半ばであったと思う。

遠山さんは1909年の生まれなので、かなり晩年である。そのためでもあろうか、一般角の三角関数からはじめている。

三角関数の定義は単位円上の点のx座標とy座標をそれぞれsinとcos関数として定義される。

私などは

 \sin \theta =x/r , \cos \theta =y/r

のほうが一般的な定義のように思うが、それらは極座標との関連から述べられている。

三角比による定義は他の定義として補足的に述べられている。そして、三角形のどこかの角度が0になると、もう三角形をなさないと述べられている。

ともかくは私の現在の関心にはかなり近い、記述である。

もちろん、遠山さんには『三角関数の研究』(山海堂)という受験参考書がある。もっともこれは受験参考書としてはちょっと程度が高いようであるが。

 気が弱くて、新しいことなど自分には全くできないなどと、いつも敗北的思考の私が自分で「三角関数の水道方式をつくるか」などと考えたのだから、そういう、たいそれた計画はうまくはいかないのが、結局のところオチであろう。


素人の考え

2019-10-15 18:01:54 | 日記

素人の考えとはつぎのようなことである。

台風19号で数十人の人が亡くなった。特に、川の堤防がきれて亡くなった人もかなり多い。だが、堤防を十分頑丈につくることは技術上できるはずである。

なぜそうしていないのか。雨量が気候の変化にしたがって最近多いということはわかるが、それに耐えるくらいの工事をすることができるはずである。それに川底をすこし深く掘る工事もすることができよう。

どこかの川では下流の方が上流よりも川幅が細いとかテレビで言っていた。それならば、広げることも考えねばなるまい。お金のかかることではあろうが、できないわけではない。

それにどうしたら経済的に改修工事ができるのかもある程度方法があるはずである。もっともどうやって土木事業で少しでも多くのお金をもうけるかなどと考えることだけに関心があるような人には土木工事にはかかわれないようにしてしまうことが必要である。

(2019.10.19付記)
昔の人が編み出していた、わざと川の水の氾濫する氾濫原をつくるとか、現代でも堤防一本やりの治水はやはりおかしい。

もともと氾濫原だったところに建築許可を出さないような行政でありたい。

それがやはり人を守る行政や政治であろう。

球面三角法

2019-10-15 11:45:25 | 数学

「球面三角法」についてまとめてみたいと、小著『四元数の発見』(海鳴社)の第11章「四元数の広がり」である種の宣言をしたのだが、まったく取りかかれていない(注)。

しかし、関心は消えたようになったり、少し強くなったりしながら、それでもなお続いている。近くのE大学の付属図書館の球面三角法と名のついた本をOPAC目録で調べたりしているが、なかなかとりかかることにならない。

国会図書館の目録を調べたら、平面三角法と並列した題名でない、いわば、球面三角法だけを述べた本が古い本だが、数冊あることがわかった。これは歴史的興味だけかもしれないが、平面三角法よりも球面三角法のほうが先に発達したという歴史的事実からの興味である。

数学史の本にはそう書いてはあるが、普通の球面三角法の本は平面三角法の本の後ろのほうに、もうしわけ程度に書かれているのが普通である。それが私の気に入らない。

歴史的に球面三角法のほうが先に人類に認識されたのなら、そういうふうに本として記述したものもあってよい。ところが現在の本の大部分はそうではない。もちろん、現在では平面三角法のほうがよく知られていることは事実である。

航海術とか天文学とか測地学とかの分野では球面三角法はいまでも必須の分野らしい。もっともそういう分野に関係する人は世の大勢の人の中では割合は少ないのであろう。

(注)『四元数の発見』での私の宣言はつぎのようなものであった。

ちょっと考えただけでも、球面三角法の定理を

1.発見法的にみちびく

2.現代的にみちびく

3.平面三角法からみちびく

4.四元数を用いてみちびく

の4つのやり方が考えられる。

これをレビューすることは、これからの私の課題としたい。


ザ ウォーター ウォー

2019-10-14 12:38:26 | 日記
土曜は仕事を休まないことにしているのだが、先週の土曜10月12日は妻と映画を観に行ったので、ブログは休んだ。

映画の日本語タイトルはザ ウォーター ウォー(the water war)という。ボリビアだったかの話である。コロンブスのアメリカ発見に関係した映画を撮ろうとしたスペインの映画チームが当地でのある男を登用する。

ところが、そのおなじころ、行政当局が欧米の会社に現地の水道事業を任せる計画を立てる。そして、もし水道事業が民営化されれば、水道料金が年間450ドルとなるという。

映画の重要な役に起用した、当の現地人が実は水道民営化計画に反対する指導人物となり、当局に逮捕される。映画のプロデュ―サーはその男を金をつかませて、一時的に釈放させて映画の撮影を進めるが、ほぼ映画の撮影が終わると当局にその男はまた拘束される。

また、これはまた映画に出演した彼の娘がどこかでけがをしたのだが、水道事業反対運動の市民は町を封鎖する。

ところが、当局は警察や軍の力を借りて、それを弾圧しようとしている。その緊迫した環境の中で映画のプロデューサーが母親とともに娘を救いに行き、無事に病院に届けて、手術は成功する。

最後には当局が市民側におれて、水道事業が民営化されることはまぬかれる。

話の基底には昔に、現地人をクリスチャンに改宗させた宣教師が、現地人の立場に立って、自分の国スペインやポルトガルの植民政策に反対して、「解放の神学」を唱えたカトリックの神父たちの話がある。

そういう事実について詳しい話は私は知らないが、そういう宣教師が一人ならずいたことは知っている。

日本人にはそういうことを知っている人は少ないとは思うが、そういう知識が少しでもあれば、もっと興味深く見られる映画である。

アクセス順位

2019-10-11 10:19:03 | 日記
アクセス順位が3桁の865位になった。これは急にアクセス数が増えたためである。

こういうことは珍しく、私のブログのアクセス数は通常4000番代のマイナーなブログである。

ところが、ときどきこういう変異が起こることがある。しかし、それも1日か2日でまたもとの3000~4000番代にもどる。1000番以下であることはもう1年に1回か2回もない。14、15年くらいブログを書いていて、そんなものである。

私は人気歌手でもないし、人気の俳優や作家でもない。だから、平凡であることがいいことだと思っている。中国の老子とか荘子の思想が好きだ。



吉野彰さんのノーベル賞

2019-10-11 09:47:34 | 科学・技術

吉野彰(旭化成)さんがノーベル賞を受賞されて、日本生まれの人が27人もノーベル賞をもらったことになる。

27という数字は私にはちょっとなじみのある数字である。実はある月の27日に私は生まれたから。

それはともかくとしてノーべル財団は地球の環境に今後も寄与すると思われる、このリチウム・イオン電池の発明を高く買っているということがわかった。

スウェ―デンのノーベル財団の見識を示したともいえよう。吉野さんはずっと以前から賞の候補に挙がっているとか以前に新聞で見たと思うのだが、今年の新聞の予想には載ってはいなかったようだ。だが、なにはともあれ、おめでたい。

日本では企業に勤めている、研究者はあまり受賞に関係がなかったのだが、これから受賞者が増えてくることを期待したい。企業に勤めていた時の業績でノーベル賞を受賞したのは日本人としては中村修二さんも含めて3人となった。

受賞者が出ると日本の科学技術は進んでいるという感じをもつが、やはり最近では日本の産業の業績の落ち込みを一方では指摘しておかなくてはならない。

それが何に現れているかというと、外国の企業の買収がさかんに行われることからわかる。

大企業の経営者は企業の買収にしか関心がないとか聞いた。


鶴見さんの羞恥心

2019-10-10 14:02:40 | 日記

鶴見俊輔さんは日本を代表する、大哲学者であったことはまちがいがない。

晩年の数年間、私が武谷三男の研究者であるということから、知遇を得た。これはもちろん、彼の武谷三男への信頼によっているものであったろう。

ある年の7月だったかに「愛媛九條を守る会」がその総会で、講演者を募集したことがあり、鶴見さんを人を介して実行委員会に推薦したら、うんよく講演者に決まった。

高齢であるから、京都のお宅まで迎えにあがりますと申し出たのだが、それは恐れ多いとのことで岡山の新幹線の駅まで迎えに行った。

迎えに行ったのだから、カバンぐらい持つのが迎えに行った者の勤めと思ってカバンを持ちましょうといったのだが、当然といった感じで、ご自分で持たれていた。

その車中でいろいろ話をしたのだが、何かの拍子に鶴見さんは(Harvard大学の)理学士の称号をもっておられることがわかった。それでじゃあ私と同じBachelor of Scienceですねといったら、即座に「要するにラテン語が読めないということですよ」と返事された。

哲学をHarvardで学ばれたということだが、彼の指導教官であるクワイン先生は数理論理学者であった。だから学位をBachelor of Scienceでとったのは別に不思議ではない。

だが、それさえもある種の羞恥心をもっておられるのだなと推察できた。卒業論文を鶴見さんが書いておられたときに、彼はFBIか何かにつかまって数か月の留置所生活を余儀なくされた。しかし、アメリカ合衆国政府が好ましからざる人間としても、大学は政府とは独立に鶴見さんの学位論文を認めて、卒業させたのである。

これが逆にもし日本であったならば、たとえば東京大学は時の政府が好ましからざる人間と疑った者に卒業の学位を認めるであろうか。これは大いに疑わしい。

もちろん、大学の歴史のほうが合衆国の建国よりも歴史が古いといったこともあるが、大学の自尊心をというか、国家からの独立性が顕著である。

この会の後での、鶴見さんの京都への帰路も送って行くと申し出たのだが、帰路はあまりお好きではない飛行機による空路で帰られるということになり、松山空港まで妻の運転する車で送って行った。


三角関数を学ぶ現代的意義

2019-10-10 12:17:30 | 数学
「三角関数を学ぶ現代的意義」はどこにあるか。

これはいま高校で三角関数を学んでいる人にとってという意味ではない。学校数学とはもう関係がなくなったが、また改めて高校数学とか大学の数学の初歩を学びなおしたい人にとっての話である。

三角法はずっと初期には天文学との関係でしか、関心がもたれていなかった。そして、そのつぎに地球上で距離を測ったり、土地の面積を求めたりすることでの三角測量ということでの意味があった。

そのうちに、三角形の角度が180度を超えた一般角の三角関数が必要になってきた。これはものの振動とかまたは波動とかが現代の技術の根底として必要になってきたからである。これは三角関数の周期的性質とかかわっている。

さらに進んで、関数 f(x) のFourier級数展開とかが書かれた数学の本とかも必要になってくる。

関数 f(x) のFourier級数展開は微分方程式を解く方法として考えられたのであろうが、いわゆるTaylor展開が任意の関数 f(x) を xのべきとして展開したのに対して sin nx とか cos nx での級数として任意の関数 f(x) を表す方法を与えた。ここで n は整数である。

Taylor展開の場合にはその展開の係数は微分で求めることができるが、Fourier級数展開の場合にはその係数は定積分によって求められる。

そして、これと類推的に一般の直交関数といわれる完全正規関数系で、任意の関数が展開できるなどということに発展をしていく。その典型的な関数としてはLegendre関数がある。

こういう現代的な意義を三角関数を学ぶことは隠れもっている。それらを現在高校で三角関数を学んでいる人は別に知っている必要はない。

しかし、一度学校数学とは離れた大人がもう一度高校数学とか大学数学の初歩を学びなおしたいなどと考えるときには知っておいてもらいたい。

その詳細はもちろんそれぞれの分野を学ばないとわからないことである。だが、数学の広がりをおぼろげでも感じてもらうことは必要だという気がしてきた。

理工系の大学生のためのe-Learningのコンテンツをつくるという作業を大学を退職した、15年ほど前に数年していた。だが、私に魅力的と思えるような三角関数についてのコンテンツをつくる、アディアを思いつくことができなかった。

どうしてだかわからない。ありきたりのものなら、つくることは難しくはなかったはずだが、そういうものを書きたくはなかった。展望を広くもった、現在の科学とか技術とかに関係したものを書きたかったのだと思うが、そういうものはまったく思いつかなかった。



歯の掃除

2019-10-09 17:24:31 | 日記
年に1回か2回、毎年歯科医院に定期の検診というか掃除にいく。

今日は上側の歯だけ歯垢を取ってくれた。下の歯は次週というわけである。最近は8020運動が盛んであるので、定期的に歯の掃除に通っている人も多いだろう。

私もその一人である。虫歯は奥からすでに何本も抜いたが、それでもまだ結構残っていて、たぶん8020運動に合格するのではないだろうか。

三角関数の水道方式

2019-10-09 12:15:58 | 数学

「三角関数の水道方式」なんてものがすでにあるのだろうか。

これは問いであって、答えではない。今朝、遠山啓編集の『数学教育事典』(明治図書)を調べたのだが、あまり三角関数についての記述は詳しくはない。

他の数学教育協議会編の数学教育の辞典も見たのだが、まったく三角関数については載っていないものもある。

江藤邦彦先生の『三角関数は春風にのって』(太郎次郎社?)だかを、読んだこともある。いい読み物だとは思ったが、それの内容は頭にはまったく残っていない。

武藤徹先生の「三角比の由来」という項を先生の『算数・数学用語辞典』(東京堂出版)とかその他の先生の書で昨日読んだが、もう少し詳細な説明がほしいと思っている。

玉川大学出版部編集の『玉川新百科』(誠文堂新光社)の第1巻『数学』の三角法のところも覗いてみたが、もうひとつ。

しかし、天文学の知識かもしれないが、月までの距離の求め方が出ていたのはよかった。こういうことから三角法へと入っていくのはいいと思う。