宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎補正予算案を予算委員会で審議へ 解散は来週以降に 

2008年09月30日 21時59分09秒 | 第170臨時会(2008年9月~12月)麻生兵糧攻め
 麻生首相と自民党・公明党は来週10月6日から2008年度第1次補正予算案を衆参の予算委員会で審議し、可決・成立を図る方針を決めました。

 これで10月3日の衆参代表質問終了後の解散の可能性はなくなりました。

 日本時刻9月30日未明米下院が総額7000億ドル(75兆円)の銀行への税金投入法案を否決しました。ホワイトハウスと二大政党の幹部が合意しながら否決という異例の事態。下院議員は11月4日に改選を控えており、2000通の「税金を銀行に使うな」というメール・電話が届いた議員もいたようです。

 これで10月6日(月)、7日(火)には午前9時から衆院予算委員会がNHK中継入りで開かれる見通しです。民主党の予算委筆頭理事(前線部隊長)は引き続き岡田克也さん(三重3区)です。

 予算委は「予算の執行に関する調査」つまり「国政全般」を審議する委員会です。民主党は菅直人さんなどスター議員を次から次へとこれでもかというほど投入し、麻生内閣に総攻撃をかける構えです。

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金融不安で解散先送り論浮上  首相、補正審議入り指示(共同通信) - goo ニュース

 麻生首相は30日午前、米下院の緊急経済安定化法案否決で国際的に金融不安が拡大している事態を受け、08年度補正予算案の早期成立に向け、週明けから予算委員会審議に入るよう自民党の大島国対委員長に指示した。首相は、東京株式市場の株価暴落に関し、対応に万全を期すよう指示。11月2日投開票の日程で行う方向だった次期衆院選は大幅に先送りされるとの見方が広がっている。

◎「財源の裏付けがない」は自民党のデマであることを証明します

2008年09月30日 05時00分00秒 | 第170臨時会(2008年9月~12月)麻生兵糧攻め

 上の写真は自民党の元幹事長が地元の若手農家に対して民主党の農業者戸別所得補償制度について「その財源はどこにあるのか 裏付けがない」と述べています。これは有権者を騙すデマです。このエントリーで虚言を暴きます。

 政府・自民党は29日、国会に平成20年度第1次補正予算案を提出し、財務省主計局は参考資料を発表しました。



 この紙をみると、歳入として国債発行を3950億円、前年度剰余金を6319億円を見積もっています。ほかに「歳出の減額補正」という格好で「既定経費の節減」つまり「税金の無駄遣い削減」を1兆円弱(9599億円)見込んでいます。

 中川昭一財務相は同日の国会での財政演説で、補正後の平成20年度一般会計総額は84兆1252億円になると発言しています。

 84兆円の予算を半年間執行したら、その中で1兆円の無駄遣いを見つけたということになります。

 政府自民党は「民主党マニフェスト」の(15兆円+暫定税率廃止の3兆円=)18兆円について「財源の裏付けがない」とTVを使ってさんざん宣伝しているにもかかわらず、景気対策の補正予算案編成にあたっては1兆円のお金を打ち出の小槌のように捻出できるということです。

 これは政府・自民党の日ごろの主張と

明らかに矛盾しています。

 すべての納税者(taxpayer)は

政府・自民党に騙されています。

 当該箇所を拡大します。



 間違いないく「既定経費の節減」で9599億円のお金が捻出しています。

 補正予算案でこれだけ出るのなら、民主党マニフェストの18兆円は(当面)増税なしで、税金の無駄遣いの削減+霞が関埋蔵金で賄えるでしょう。

 補正予算案では、「予備費の減額」で1000億円のお金が出てきています。「予備費」の原資の一部はこれには外貨準備の運用収入なんです。

 「平成20年度特別会計予算」173頁によると、財務省所管の「外国為替資金特別会計」では4兆231億円の利子収入を見込んでいます。このうち3000億円は予備費に繰り出しています。ですから、この「予備費1000億円」は、いわゆる霞が関埋蔵金です。毎年4兆円の外為特会の収入のうち、1兆2886億円を国債整理基金特別会計に繰り入れていますが、大半のお金はどこかへ消えています。
 簿記が読める人なら驚くでしょう。


 この特会、歳入が4兆1452億円で、歳出が1兆6218億円です。嘘だと思ったら、平成20年度特別会計予算書の171頁を見てください。



 [歳入が4兆1452億6996万5000円]
 [歳出が1兆6218億6479万6000円]

 こんなバカな帳簿が

 民間企業でありえますか?

 なんと帳尻が2兆5234億516万9000円もずれています。銀行員は1円帳尻が合わなければ徹夜で仕事するのに、私たちの税金は2兆、3兆の帳尻が合わないことなど当たり前の丼勘定で管理されているのです。

 個人事業主、経理部員、公認会計士、税理士のみなさん!帳尻が合わない帳簿を税務署が受け付けるでしょうか? その税務署=国税庁を所管する財務省はこのような帳簿を国会に提出し、自民党などの賛成多数で成立しているんです。

 これが自民党政治=官僚内閣制です。民主党が年間15兆円~18兆円の財源捻出に対して一歩もたじろがずに計算を進めている自信の裏付けなのです。

 民主党の農業者戸別所得補償法案の1年間の予算額は1兆円、漁業者を含む戸別所得補償制度(直接支払い)は1兆4000億円です。そして「外為特会」の1年間の帳尻は2兆5000億円もずれています。その中での「財源論」って何を論じればいいんでしょうか?



 私はこの自民党幹事長と農相を経験した政治家の発言は国民を騙すデマであると断じます。

 早く目を覚ましてください。

 付け加えるならば、10月1日午前8時50分に日銀短観が発表されます。大企業製造業の景況判断がマイナスに転じる可能性があります。民間シンクタンク7社中5社が「マイナスに転じる」と予想していると28日のNHKニュースが伝えています。

 仮にマイナスに転じた場合、29日に国会に提出した補正予算案など意味がありません。すぐに組み替える作業をすべきです。それができないなら、衆院解散しかないでしょう。

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