【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【国交相にパジェロ金子】「三菱銀行」会長からの献金は三菱自救済の見返り?

2008年09月28日 22時27分14秒 | 第170臨時会(2008年9月~12月)麻生兵糧攻め

 中山国交相の後任に、金子一義さん(岐阜4区)が決まりました。

 金子さんは小泉内閣で内閣府特命担当相(2003年9月22日~2004年9月27日)として行革、産業再生機構などを担当しました。

 金子一義さんは産業再生担当相時代の2004年7月15日、経営再建中の三菱自動車工業の産業再生法(産業活力再生特別措置法)申請を受け付け、支援を決めました。

 この際、三菱自の子会社「パジェロ製造」の工場が金子さんの選挙区内の岐阜県加茂郡坂祝町酒倉にあることから担当部署にハッパをかけていたという疑惑がくすぶっていました。三菱自は「岡崎工場(愛知県)存続・坂祝工場(岐阜県)閉鎖」を計画していました。

 三菱自が政府への届け出前に再建計画を練っていた2004年5月22日付の読売新聞は次のように伝えています。

(抜粋引用はじめ)
 
「三菱自の坂祝工場存続 胸なでおろす従業員ら「仕事に打ち込むしかない」 
 
 三菱自動車の再建計画で坂祝町のパジェロ製造が存続することになり、坂祝工場内外では二十一日、喜びや「これからも頑張らないと」という意気込みが交錯した。
 パジェロ製造の加藤勝人社長はこの日午後六時過ぎ、町役場を訪れて「今後ともよろしくお願いします」と梅田克己町長にあいさつをした。(略)

 同社の近くにある喫茶店(略)は「三十年間、喫茶店を経営している間、工場が大きくなる姿も見てきただけに、閉鎖と聞いて悲しかった。今は、ホッとしています」と話していた。

 一方、県ではこの日午後四時から、商工局や新産業労働局、坂祝町の担当者を集めた会議が開かれ、パジェロ製造の存続が報告された。
 会議は当初、同社の閉鎖に伴う失業者の雇用対策、下請け企業の救済策などを話し合う予定だった。しかし、会議直前に、存続が伝えられ、参加者らは、ひと安心といった表情。梶原知事は「生産工場の存続は、地元経済の安定にとって大変喜ばしい。今後、地元としてもパジェロ発祥の地として、三菱自動車再建に向けて最大限の支援をしていきたい」とコメントした。

(抜粋引用おわり)

 というわけで、急転直下の工場存続だったようです。

 当ブログがこの件で、パジェロ金子の総務相届け出資金管理団体「飛友会」が大臣退任後の2005年6月7日付で当時の東京三菱銀行会長の「三木繁光さん」と同姓同名の人物から10万円の個人献金を受けていたという事実を発見しました。





 2005年4月15日発行の「会社四季報2005年春季号」1158頁では「三菱自動車(工業)」について「巨額赤字で継続疑義。2700億円の増資策含む新再生計画策定だが、新車販売回復が不透明。三菱グループの支援に限界も。単体繰越損失2130億円は急拡大」と東洋経済新報社の記者は評しています。データからすると、取引先銀行の筆頭(メーンバンク)は東京三菱銀行(当時)と明記してあります。

 この1ヶ月半後に、東京三菱銀行の会長が個人名で、金子一義・前大臣に個人献金をしているということは何らかの御礼の意味合いがあったと推し量るのが妥当ではないでしょうか。

 国土交通省は自動車の安全を確保する役所です。三菱自動車は財閥の悪い体質を持っており、伸び悩んでいましたが、RV車「パジェロ」のヒットでようやく認知度が高まりました。しかし、2000年に発覚した三菱リコール隠し(リンク先はwikipedia)三菱自本体と三菱ふそうトラック・バス(現在は別会社)による大規模なリコール隠しで信頼失墜。「国土交通省によると2000年の調査が不十分だったことが判明し、会社の存続の危機に遭遇している」(上記のwikipedia)という状態です。

 いくら首をかえても自民党はこんなのばかりです。どうやら食の安全だけでなく、道の安全も怪しくなってきました。

 解散、総選挙、政権交代以外に私たちが生き残る道はないんです。

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中山国交相が辞任=国会混乱を理由、後任に金子一義氏-首相「誠に残念」(時事通信) - goo ニュース

 中山成彬国土交通相は28日午前、首相官邸で麻生太郎首相に会い、一連の問題発言の責任を取り、辞表を提出し受理された。在任はわずか5日で、後任には自民党古賀派の金子一義元行政改革担当相(65)が固まった。民主党など野党は、首相の任命責任を厳しく追及する方針で、発足間もない麻生政権への打撃は大きい。

 総合経済対策を盛り込んだ2008年度補正予算案の成立に意欲を示す首相は、野党の出方を見ながら衆院解散のタイミングを判断するとしているが、こうした戦略に影響が出かねず、スタートから苦境に立たされた。

 中山氏は「重要ポストに就けていただきながら、職責を全うできず申し訳ない」と述べて辞表を提出し、首相は「誠に残念だ」と受理した。中山氏はこの後、国土交通省で記者会見し、「(国会)審議にいささかの支障があれば、本意とするところではない」と辞任の理由を説明した。

 また、河村長官は記者会見で「発言や一連の経緯を踏まえれば、辞任はやむを得なかった」と語るとともに、首相の任命責任について「なしとはしない」と認めた。同時に「(政権への)ダメージがないと言えばうそになるが、政治の遅滞は許されない。成果を出して国民への責任を果たす」として、信頼回復に全力を挙げる考えを示した。


絶望的な統計

2008年09月28日 16時22分52秒 | 第170臨時会(2008年9月~12月)麻生兵糧攻め

 麻生内閣の国交相、中山成彬さん(自民党清和会、宮崎1区)は28日午前、首相に辞表を提出し、辞任しました。在任期間5日間、平成では最短の閣僚となりました。このまま衆院議員も辞めてほしいです。

 ◇

 最近は統計数字がニュースになることが多く、先週は麻生内閣の支持率が話題になりました。私は25日に財務省が発表した貿易統計速報(8月分)ほど衝撃的な数字はないと思います。

 主要紙は夕刊で扱っていましたが、1面トップに持ってきたのは日経(25日付夕刊)だけでした。

 「26年ぶり貿易赤字 8月 資源高で輸出額増 米向け輸出、減少率最大

 通関業務(横浜税関=船、成田税関=航空貨物など)を担当する財務省がまとめた輸出入の統計(金額ベース)は、輸出額は7兆559億円(前年同月比0・3%増)、輸入額は7兆3799億円(同17・3%増)でした。差し引きすると、3240億円の赤字(輸入超過)です。正月休みの影響を除くと、1982年11月(バブル前・中曽根内閣)以来、26年ぶりの赤字です。

 資源がなく、貿易立国であるわが国にとっては絶望的な結果です。

 これはどのくらい深刻か農業だけでは食べていけない寒村の標準的な世帯に例えます。毎年、農閑期にお父さんが東京に出稼ぎに出ています。お父さんは一家の主になった30歳から毎年、春には現金数十万円~二百数十万円をお母さんに渡して、子どもにはお土産の珍しい食べ物と最新のおもちゃとちょっとした教材を渡して、ほっと一息、久しぶりの一家団欒を楽しんでいたお父さん。55歳になった今年は現金どころから借金を背負って顔面蒼白で帰ってきて、母親の罵声を浴びながらうなだれている--そのくらい深刻な事態です。

 アジアの近隣諸国で言えば、韓国なら内閣総辞職でしょう。10年前にIMF(国際通貨基金)の事実上の統治下になった国民的“トラウマ”があります。シンガポールならリー首相親子が担当大臣を更迭するでしょう。20以上の新聞がしのぎを削る台湾では担当部長(閣僚)は行政院長に辞表を提出せざるを得ない世論になると思います。(各国の情勢に詳しい方はコメントをいただければありがたいです)。

 この“絶望的統計”を分析してみます。

 大前提として、わが国は資源小国(無資源国?)ですから、外国から資源(原材料)を輸入して、加工して付加価値を付けて、輸出するという「加工貿易」で食べています。これは日教組バリバリの教師でもちゃんと教えていると思います。

 以下、分かりやすく数字を丸めます。

 中東からの輸入は、2兆円弱です。1年前は1兆2000億円の支払いで済んでいたのに。贅沢品のペルシャ絨毯を買いまくったわけではありません。言うまでもなく、原油価格(WTI)の高騰で、工業、生活に不可欠な石油が凄まじく高くなっています。ちなみに石油の輸入「量」は3%減っています。

 これが要因で、輸入総額は7兆4000億円(←6兆3000億円)と1兆1000億円も増えました。石油は輸入するしかないんです言い値で買うしかないでしょう。生活必需品の調達先が中国から他アジア国へと少し遠回りになったことも多少影響しました。

 次に日本ハイテク工場の製品の輸出先を見てみます。

 これは「お得意さん」アメリカ向けが1兆1000億円(←1兆4000億円)と3000億円も減りました。21・8%の減少は統計上比較可能な1980年以降で最大の激減だそうです。サブプライム・ショックをきっかけとした米国の消費低迷の影響です。来年1月20日に新大統領が就任しても、すぐに好転するとは思えません。欧州向けの自動車・金属加工機械も落ち込んでいます。

 外的要因が大きいから政府に責任がないわけではありません。福田内閣に何か策がありましたか? 石油はしかたない面がありますが、食料自給率が40%というもろい国造りに本質的な問題があります。経団連の会員企業が儲けの多いハイテク製品に依存し、儲けは少ないけど不況に強いローテク製品の国内生産を放棄してきたこと(産業の空洞化)もしんどい状況を作り出しました。

 10月1日(水)の午前8時50分、パソコン、ケータイが使える方はある発表に注目してください。日本銀行が3ヶ月に1回の「短観(TANKAN)」=企業短期経済観測調査)を発表します。ここで「大企業の製造業」のDIがマイナスに転じる可能性があります。足元の景気、先行きの見通しのそれぞれについて数字が出てきます。(DIとは、「良い」と答えた企業の割合-「悪い」と答えた企業の割合です)。

 ここで「マイナス」が出たら、ホント大ピンチですよ!中小企業・零細企業勤務の人も含めて、12月のボーナスは大企業でも「例えば1割カット」とか零細企業は「遅配、払えない」、年末年始商戦は閑散(消費不況)、帰省もできず、灯油も買えないという“絶望の冬”がやってきます。

 麻生内閣の支持率なんて、どうだっていい!! 10月1日午後の衆院本会議では民主党代表の小沢一郎さんが代表質問に立ちます。質問の内容はまだ分かりませんが、NHKで見てください。

 26日付エントリーの中で「
不肖私が、善光寺さんに民主党バスの乗員・乗客3500万人以上が一生(最低限の)食べ物に困ることがないようお願いして参りました。
一方、次の選挙で自民党に投票するような人が飢えて死のうが知ったこっちゃありません。「テレビ」を見ながら霞でも食っとれ、という感じです。」と表現したことについて、読者の方から「私も民主党支持者だが、いくら何でも書きすぎじゃないか」とのご意見をいただきました。しかし、私は訂正する気はございません(キッパリ)!。

 日本が貿易赤字だったら、どうやって食べていくのですか?「構造改革」は実現しましたが、貿易赤字でも庶民が食べていける「構造」を自民党は破壊してきました。海外からの利息にあたる経常収支黒字だって大したことありません。バブルのお金はどこに消えたのでしょうか?自民党の罪は万死に値します(キッパリ)。

 10月1日の短観次第では、海外の機関投資家が東京市場で“仕掛けてくる”懸念もあります。民間企業である新聞社のサンプル数2000以下の内閣支持率など気にしている場合ではありません。国民が選挙で決めるというデモクラシーのしくみを生かすしか、この絶望的統計を乗り越える術はありません。

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