【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

もう許してあげてください

2008年09月05日 21時34分17秒 | 第170臨時会(2008年9月~12月)麻生兵糧攻め

 民主党参院議員の姫井由美子さんが9月1日付でホームページに反省文を掲出していました。

 もう本当に許してあげてください。有権者が野党の参院の一年生に対して、議員辞職を求めるなど、テレビジョンをはじめとするオールドメディアの掌で踊らされているということに気づき、自戒すべきです。

 姫井さんを批判している人は、当該の週刊文春を読んだのでしょうか。私は読みました。そして引きました。特に乾杯のシーンは男だけに血の気が失せました。

 とはいえ、私は当該記事&渡辺新党騒動だけで、姫井さんに議員辞職を求めるのは、主権者である国民が参議院の長所を失わせる結果になると思います。参議院はGHQの憲法原文になかった、戦後日本人の知恵が作り出した院だとご存じない方も多いようです。日本におけるデモクラシーの未成熟ぶりを感じます。

 2002年の週刊文春に載った山崎拓・自民党幹事長(当時)が「小説のように書いたわけではないと思う」と認めた「親子丼」記事は、山崎さんが人間として失格であることを意味しています。山崎さんはその後、衆院で落選しました。

 有権者が一部オールド・メディアで表面化した断片的情報に踊らされて、悔しくないのですか?そのようなことでは、政権交代後に、加藤紘一さんの北朝鮮利権が大々的に報道されたら、あなたは気絶しますよ!

 というわけで姫井さんの反省文は以下の通り。(全文引用)

 ◇

 この度は私の一連の行動によりまして、世間を大変お騒がせし、誠に申し訳あり
ませんでした。
軽率な行動であったと深く反省しております。
また、多くの方々から叱咤、激励をいただきまして、誠にありがとうございました。

8月29日の記者会見で申し上げましたように、参議院の改革を目的とする新しい会
派を作りたいので参加してほしいという誘いが、民主党の同僚議員からありました。
当初は会派だけを別にするという話でありましたし、また民主党幹部もこの件に
ついて納得していると説明を受けていました。

 国会議員となって1年余りとなりますが、参議院選挙で有権者の皆さまから切なる
願いを受けながら、老後の不安を取り除く「年金改革」や将来の不安を取り除く[格
差社会の是正」等、何ひとつ解決していないことに、もどかしさを感じていました。

 そして、第169回国会終了後、私は地元に戻り、岡山県下の市町村へ出向き、現状
を自分の目で見て、肌で感じ、叫びを聞きました。
1人でも多くの人の生の声を聞くため開いたミニ集会も60回を数えます。
「まだ1年じゃないか。焦ることはない」――そう言われることもあります。
でも、今の日本は重体です。

 私の地元、岡山県では財政危機宣言が出されましたが、危機的財政の地方自治体は、もはや珍しくありません。
地方行政の停滞は、地方経済の血の巡りを止め、シャッターの続く商店街の傷口は
広がるばかりです。農林水産業の衰退は、日本の命取りともなりかねません。

 「政治は生活」を掲げて参議院に初当選させて頂き、政局よりも、政策の実現こそ
参議院の醍醐味であると思っていました。
しかし、いわゆるねじれ国会においては、政局が優先され、慎重に政策を審議する
という参議院本来の役割が果たせない状況でした。
もとより私は、民主党を中心とした政権交代を望んでいますので、参議院の改革に
役立ち、民主党との関係も友好的に継続できるならば、新しい会派で活動するのも
一つの選択肢と考え、いったんはそこに参加する方向で検討しました。
 しかしその後、民主党の衆議院・参議院の責任ある幹部と話をする中で、新党
「改革クラブ」の結成については民主党参議院として賛同はしておらず、新党は
民主党優位の参議院改革にはならないし、むしろ自民党による民主党切り崩しの
受け皿になるということが分かってきました。
さらに、自民党に近い新党への参加は、自民党に対抗する民主党候補として私を
支持してくださった有権者への裏切り行為になるという指摘もいただきました。

 以上のような多くの要素について熟慮した結果、私は新党には参加せず、これま
で通り民主党参議院議員として頑張っていくことを決意いたしました。
政局に翻弄され、流されていく宿命を断ち切り、自らの意思で未来を切り拓いてい
く立命に変えていきたいと思っています。
 私のこの間の言動によってご心配やご迷惑をおかけした方々には、重ねて心から
お詫び申し上げます。私の政治の原点である「政治は生活」に戻って農業再生や地方
分権、臨時国会での消費者保護の問題などに全力で取り組んでいく所存です。
これからもご指導、ご鞭撻賜りますようよろしくお願い致します。
                               平成20年9月1日

                           参議院議員 

                              姫 井 由 美 子

 ◇

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自民党総裁選大乱立(爆笑)

2008年09月05日 20時26分13秒 | その他


 自民党総裁選は7人が立候補を表明・意欲を示しました。

 麻生太郎幹事長(麻生派) 各派と公明党浜四津代表代行が支持表明
 石破茂前防衛相(平成研) 平成研幹部が支持
 与謝野馨経財相(無派閥) 中曽根元首相元秘書、清和会の森元首相支持
 小池百合子元防衛相(清和会) 清和会の一部(上げ潮派)が擁立意向
 石原伸晃元国交相(山崎派) 中堅が支持
 山本一太前外務副大臣(清和会) 河野太郎さんら中堅・若手が支持
 棚橋泰文元内閣府特命相(平成研) 親子2代の通産官僚(父は元次官)

 ◇ 

 自民党総裁選が“百花繚乱”ではなく、大乱立状態となりつつあります。このまま行けば自民党が分裂状態になるか、疲れ果てて総選挙を戦えない議員が相次ぎそうです。

 以前のブログにも書きましたが、福沢諭吉が、欧州見聞でロンドンで見た光景を振り返っています。

 党派には保守党と自由党と徒党のようなものがあって、双方負けず劣らず鎬(しのぎ)を削って争っているという。
 何のことだ、太平無事の天下に政治上の喧嘩をしているという。さあ分からない。こりゃ大変なことだ。(略)
 あの人とこの人とは敵だなどと言って、同じテーブルで酒を飲んで、メシを食っている。少しも分からない。(略)
 その謂われ因縁が少しずつ分かるようになってきて、(略)それが今度の洋行の利益でした。


『福澤諭吉著作集』第12巻164頁から抜粋、現代仮名遣いに改めました)

 と諭吉さんがびっくりしたように、保守党員は「自由党の連中は~~」と批判し、自由党員は「保守党の連中は~~」とお互いを批判する。このように議会政治の父である英国の二大政党は、お互いを敵に見立てた相対的な概念です。

 米国の共和党と民主党もしかり。きょうの午前11時過ぎ(日本時刻)、ジョン・マケイン上院議員が大統領候補指名受諾演説をしましたが、「私にはその経験がありますが、オバマさんにはその経験がありません」という文言で経験の豊富さを強調しました。ところが、このスピーチはあまり聴衆から反応がない。「USA!USA!USA!」というものすごい歓声で迎えた共和党員にとって、「米国=共和党」というのは、絶対的な概念なのでしょう。そこで、「オバマさん」と言われてもあまり興味がない。マケインは、二大政党を相対化している有権者に向けてTVで語りかけている以上、オバマ民主党との対立軸を示す必要があったわけで、そういう意味では今日のマケインの演説は良く出来ていたと思います。

 ほぼ同時刻、米国でNFL(アメフト)が開幕しました。アメリカって楽しいですね。

 米民主党は開幕直前のNFL「デンバー・ブロンコス」7万人収容のスタジアムでオバマの大統領候補指名受諾演説をしました。これは私が知っている選挙戦術としては、「落選フラグ」が付くと思います。7万人を集めたことに酔いしれた党員たちが本選挙での準備を怠る可能性があるからです。

 「オバマだけじゃないわよ、(前座の)スティービー・ワンダーにも注目してね!」とカメラに絶叫する民主党員。オバマが登場し、「サンキュー、サンキュー、サンキュー・ヴェリー・マッチ、エヴリワン」と何度手で制しても、オバマの話を聞こうとしなかった7万人の民主党員。それに対して、マケインを「USA!」コールで迎え、話し始めると静寂になった1万人(?)の共和党員。

 恥を恐れずにかけば、大接戦には変わりありませんが、11月4日に勝つのはマケインではないかと感じています。

 話を日本に戻すと、衆院選で人口40万人のところ、「1万1000人総決起集会」を開いて落選した議員が新潟にいました。

 自民党総裁選で、4人超出馬表明したのは過去最多だと思います。参院議員が出馬表明したのも例がないでしょう。

 自民党国会議員は徹底的にショーとして盛り上げてほしいですね。オリンピックに負けないくらいに。麻生候補を含めて誰が勝つか分からない状態になってきました。手を抜かずに徹底的にやれっ!って感じです。22日の投開票までどうなるか分からないのですから、地元に帰っている時間などありません!

 付けくわえるならば、22日までに災害や安全保障上の危機がないことを祈るばかりです。 

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総裁選は乱立模様、棚橋氏・山本一氏・石破氏も推薦人集めへ(読売新聞) - goo ニュース

 福田首相の後継を選ぶ自民党総裁選(10日告示、22日投開票)で、自民党の中堅・若手議員が独自候補を擁立する動きを活発化させた。

 既に立候補を確実にしている麻生太郎幹事長(67)(麻生派)ら4氏に続く「第5の候補」を目指し、棚橋泰文・元科学技術相(45)(津島派)、山本一太外務副大臣(50)(町村派)が推薦人集めを始めた。立候補に必要な国会議員20人の推薦人確保が焦点だが、総裁選は乱立模様になっている。

 棚橋氏が会長の「改革加速議員連盟」や、山本氏が参加する「プロジェクト日本復活」、当選1回の衆院議員有志で作る「国民本位の政治を実現する会」(代表・平将明衆院議員)などは、小泉元首相の構造改革路線の継承を訴えている。「世代交代」の思惑もある。

 山本氏は5日午前、党本部で記者会見し、「日本の将来を作るため、マニフェストを掲げ、総裁選に出馬を目指したい」と述べた。歴代首相は衆院議員が就いており、参院議員の山本氏が総裁選に名乗りを上げるのは極めて異例だ。

 棚橋氏は5日午前、改革加速議連の会合で、「若い世代の代表として、総裁候補として戦えるように力を貸してほしい」と語り、出馬の意向を改めて示した。

 ベテラン、若手入り乱れて出馬を目指す動きが出ているのは、次期衆院選に対する危機感から、「総裁選が麻生氏の独走となれば、党勢回復はおぼつかない」という考え方が強まったからだ。かつては、派閥 領袖 ( りょうしゅう ) を総裁候補とし、派閥単位の締め付けが行われ、出馬して敗れれば「主流派から干される」懸念もあった。今回は、そうした懸念が薄れ、「気楽に」(関係者)名乗りをあげられるようになった側面があり、次期衆院選に向け、「自分の名前を売るための出馬」が相次いだとの見方もある。

 衆院当選1回の議員の一人は「出たい人が多くて困っている。『プロジェクト日本復活』『国民本位の政治を実現する会』『改革加速議連』の三つが一緒になれば、20人になるが……」と指摘した。

 一方、津島派では、当選1~4回の中堅・若手議員は5日午前、国会内に集まり、石破茂・前防衛相(51)の擁立を目指すことを決めた。同派以外からも推薦人を募る。石破氏は「推薦人が20人そろえば立候補したい。憲法や外交・安全保障の議論もできればいい」と記者団に語った。

 総裁選では、麻生氏のほか、小池百合子・元防衛相(56)(町村派)、与謝野馨経済財政相(70)(無派閥)、石原伸晃・元政調会長(51)(山崎派)が出馬を予定している。


「殿様が切腹しているのに城代家老が笑っている」鳩山幹事長、麻生太郎さんを痛切に批判

2008年09月05日 14時32分17秒 | その他

 民主党の鳩山幹事長は5日の記者会見で

本来ならば殿様が切腹する事態になっているのに、城代家老が笑っていられるはずはありません

 とし、福田首相の辞任表明の際、党幹事長である麻生太郎さんがヘラヘラしていたことを痛切に批判しました。

 その上で、「なぜ、麻生さんがニコニコしていたのか。ああやっぱり禅譲という密約(の噂)は、正しかったんだと国民の皆さんは思っているはずだ」と述べ、密約をカモフラージュするため、自民党が数人の乱立状態による総裁選を演出していると評しました。

 記者からの「自民党総裁選の盛り上がりに民主党内で危機感を感じている議員もいるようだが」との質問に対して鳩山幹事長は「結論を先に申し上げれば、国民の皆さんの良識を信じ切ることが大事だ」とキッパリ。

 続けて、「“小泉政治”郵政解散のとき、郵政解散の善し悪しが必ずしも国民のみなさんに伝わらないまま、首相の迫力が伝わって国民が酔いしれた。しかしその結果、後期高齢者医療制度などの大変な苦悩の原点が小泉首相時代に作られた」と指摘。

 「国民の皆さんが劇場型政治の結果、

このような厳しい状態に立たされている

という実体験をお持ちです


とくに地域のみなさん(=地方のみなさん?)はお持ちであります。それだけに、


同じような過ちを繰り返しちゃ

いけないよ

冷静に行こうよという思いが募っている」としたうえで、「国民の良識に期待したい」としました。

 そのうえで、「民主党はどう考えているのか、どういう対策をもっているのか」を分かりやすく国民に伝えるため、小選挙区単位で“国民集会”を開くアイディアを検討していることを明かしました。

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【速報】民主党、福田さんの群馬4区に対抗馬擁立へ

2008年09月05日 14時27分10秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代
 民主党の鳩山幹事長は5日の記者会見で福田首相=退陣表明済み=の膝元である群馬県第4区に民主党公認候補を「必ず立てる」と明言し、民主党群馬県連と協議していることを明らかにしました。

 民主党は群馬4区に公認内定候補がおらず、確実に勝てる選挙区を優先するため候補者を立てないという観測が有力でしたが、鳩山幹事長は福田康夫さんが出るかどうかは分からないが」「ああいう形で政権を投げ出した以上は立てないといけない」としたうえで、9月中に発表したいとの考えを明らかにしました。

 毎日新聞群馬版では、元NHK記者で高崎市選出の群馬県議、石川たかお(貴夫)さん、30歳を擁立する方向で調整が進んでいると報じています。

 群馬4区は高崎市の大部分と藤岡市、多野郡で構成されています。

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tag 石川貴夫 石川たかお

【補正予算】公明党、自民党新総裁の臨時国会冒頭解散を牽制?

2008年09月05日 13時38分50秒 | 第170臨時会(2008年9月~12月)麻生兵糧攻め
 自民党内で総裁選の盛り上がりをいかし、9月24日頃召集の臨時国会冒頭に衆院を解散しようという意見が出ていますが、公明党が牽制しました。

 9月5日付の公明新聞1面トップは北側幹事長の前日の記者会見を受けて、「国民は物価高対策に期待 公明党が補正予算編成を政府に要請 自民党総裁選は経済政策で積極議論を」という内容の見出しを立てました。

 北側幹事長は「国民が一番、政治に対して求めていることは景気・経済、物価高に対する対策だ」「新総裁が誕生したら、わが党との政権協議がある」として、「(政府・与党で)取りまとめた緊急経済対策を実施するのは当然のことだ」と語ったと伝えています。

 私はこの発言を22日に新総裁が選ばれた後、29日にも組み上がる予定だった補正予算の国会提出前に解散に打って出ることを牽制した発言だと感じました。

 太田代表が中央幹事会などで、「総裁選をやっている間、政治が停滞しているとの印象を国民に与えないように、公明党がさまざまな政治課題について、政府との折衝をやっていこう」と発言してることも紹介し、公明党が霞が関と総合経済対策などを直接、掛け合うことを明らかにしました。

 公明新聞は「与党として緊急経済対策を実施するための補正予算案の編成を政府に要請していく」。これは首相不在とはいえ、各府省は9月補正予算案の編成作業を続けるべきだと主張したのだと思います。

 公明新聞は、「補正予算の編成」というだけで、「補正予算の成立」という表現は使っていませんし、幹事長も「(解散・総選挙の時期は)新しい首相が判断されることだ」と述べたそうですが、補正予算の国会提出前に、新首相が解散することは認められないという姿勢でいることは間違いなさそうです。

 浜四津敏子代表代行が「麻生支持」を表明していることもあり、公明党の意向が自民党総裁選を大きく左右しそうです。

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