[画像]両院合同協議会会長になった小平忠正・衆院議運委員長、左は衆議院インターネット審議中継、右は参議院インターネット審議中継、2011年11月2日、衆議院第5委員室から。
【2011年11月2日(水)東京電力福島原子力発電所事故に係る両議院の議院運営委員会の合同協議会】
さあいよいよ、「衆参新時代」の幕開けです。
第178臨時国会で唯一成立した法案である「東京電力福島原子力発電所の事故調査委員会法」(衆・議運委員長提出の議員立法、原案は自民党の塩崎恭久さん提出)に基づき、憲法にもとづく国政調査権を発動する「両院合同協議会」が2011年11月2日(水)に発足しました。
会議は、衆議院の第5委員室を使って行われました。このもようは、備え付けのインターネット中継装置を使い、衆議院インターネット審議中継で生放送されたほか、参議院インターネット審議中継でも、おそらく同じ素材を生放送しました。
これまで、衆参不一致があった場合に設置される「両院協議会」は、国会議事堂中央部3階にある、「常任委員長室」で開かれていました。しかし、今回は衆参の合同会議でありながら、衆院の委員室で初回会合を開き、会長には衆・議運委員長の民主党の小平忠正さん、会長代理には参・議運委員長の自民党の鶴保庸介さんが選ばれました。両院協議会は議長は衆参のくじ引きです。が、ここでは、委員の動議により、無投票の全会一致で決まりました。
これに先立ち、11月1日(火)の衆院本会議の冒頭、「委員数は衆院、参院とも15人ずつとする。割り当てのない会派からはそれ以外の委員の追加も認める」なとどした「両院合同協議会規定(案)」が全会一致で可決されました。11月2日(水)の参院本会議の冒頭でも全会一致で可決、成立。その日のうちの、スピーディーな初会議となりました。
ちなみに、1日の衆本も、2日の参本も代表質問があったのでNHKの中継が入っていたと思いますが、おそらく規程(案)に関する審議の部分は、アナウンサーの声をかぶせて伝わらないようにしていたでしょう。時間的に、すでに放送は始まっていたはずですから、わざわざアナウンサーの声をかぶせることはなく、NHKも中継してほしいものです。
それは、さておき。委員数が、衆参とも15人ずつ30人となったのは、良かったです。というのは、当初の塩崎法案では「30人」だったのが、第178臨時国会の与野党修正協議により成立した法律では「20人」になってしまいガックリ。しかし、「規程(案)」の修正協議で、再度「30人」が復活しました。
私が、30人にこだわった理由はエントリー(http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/2e28bce70400f715fd2f7d907c7cf950)に縷々書いておりますのでご笑覧ください。
「両院合同協議会は30人にすべきだ!」というのは、小生の高邁な理想・・・とはまったく違って極めてテクニカルな理由。
30議員となってくると、国会議事堂中央部3階の「常任委員長室」が使えないので、衆議院、参議院どちらかの部屋を使わなければならなくなる。
ということで、衆院で規程が可決し、参院に送られた日に、参議院事務局に問い合わせてみました。私が「30議員となると、机などの模様替えをしても、常任委員長室は使えないのではないか?」とたずねると、「そうですね。たしかに狭いですね」とのていねいな返答。その後、「衆院第5委員室を使う」という情報をキャッチしたので、衆院事務局に問い合わせたところ、「衆・内閣委員会などが時折使っている衆・第3委員室が、他の委員会などで使えないときにたまに使う委員室が第5委員室だ」とのことで、「インターネットの中継設備はある」との回答でした。
ところで、参院本会議の代表質問を傍聴していても、民主党・新緑風会はまったく元気がないですね。どうしたんでしょうか。自民党議員の質問中も、同僚・民主党議員の質問中も、下を向いてうなだれているだけ、首相(民主党議員)が登壇するときだけ拍手して、自民党から「拍手だけかよ!」と野次られていました。ただ、本会議の最後には、一般傍聴者が私を含めて2人だけでした。一方、午後の衆本は、後援会の国会見学ツアーも含めて、おそらく50人~100人前後(あまり周りを気にしていないのでよく分からない)の一般傍聴者が常時いる状態でしたから、多少はちゃんとしていたようでした。自民党もようやく出席率が高くなってきました。やはり傍聴者が多いと、国会議員はちゃんとします。ネットで傍聴した人も、その旨、議員事務所に伝えたらどうでしょうか。
私の30議員か20議員かのこだわりをくだらないと感じた読者もいらっしゃるでしょう。しかし、議会制度の歴史をみると、議会(国会)というのは、こういうささいな形式的なことからルールができ、現在のシステムにつながっているケースが多々あります。「福島両院合同協議会」が今後どうなっていくか分かりませんが、見守りたいところです。とにもかくにも、二院制は今のままではダメです。プロセスが複雑であるということは、それ自体がデモクラシーの敵です。
こういった細かい運用から、衆参の交流を良くしてほしい。衆参の議席のねじれはしかたありませんが、衆参の審議のねじれは解消すべきです。内閣支持率よりも、国会支持率が問われています。
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この衆参新時代の幕開けを見届けたかのように、2011年11月5日(土)未明、西岡武夫・参議院議長が亡くなりました。衷心よりご冥福をお祈りいたします。旧新進党勢の三権の長でした。
7日(月)も参院では東日本大震災復興特別委員会がありますし、衆院では、第3次補正予算(案)の実質審議入りを前に、本会議で財源確保法案など3次補正予算関連法案の趣旨説明と代表質問が行われることになりました。これらをセットで煮崩れなく衆参を通さなければなりません。残念ながら、予算パッケージの成立はAPEC後の11月16日(水)以降にずれ込むことが確実になりました。速やかな後任議長の選出を希望します。
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