ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

奇妙奇天烈な衆・決算委 平成21年度決算審査も終わっていないのに「国会事業仕分け」

2011年11月17日 16時41分23秒 | 第179臨時国会(2011年10月)議員立法

【2011年11月16日(水)17日(木) 衆院決算行政監視委員会行政監視小委員会】

 衆院決算行政監視委員会(委員長=自民党の新藤義孝さん)は、きのう(16日)ときょう(17日)、行政監視小委員会を開き、「国会での事業仕分け」をやりました。新しい試みとして、国会改革、与野党協調の試金石として、評価したいとは考えます。私も当ブログで、「事業仕分け」は国会内でできないものかと言ってきました。

 しかし、手放しでは褒められません。きょうは2011年11月17日ですから、平成23年であり、参院予算委員会では平成23年度第3次補正予算(案)の一般質疑が行われました。また、財務省では平成24年度当初予算政府原案の査定作業(刈り込み)が進んでおり、またこれに先立ち、平成23年度第4次補正予算案も編成される見通しです。

 ところが、衆院決算行政監視委員会は、ナント!第176国会(昨年の秋の臨時国会)に提出した平成21年度決算(案)をいまだに、是認(認定)していないのです。

 今国会の衆議院の議案ページをご覧下さい。

 
 すでに、会計検査院や財務省は、平成22年度決算(案)を国会に提出しています。法律上は通常国会となっていますが、最近は会計検査院が出先機関がないのに、がんばっていて、秋の臨時国会に提出しています。出先機関がないにもかかわらず検査院はがんばっています。

 民間企業の社長さんやサラリーマン、あるいは投資家の人ならば「いまだに平成21年度の決算を認定していないような国会・政府は“上場廃止”だ」と起こるでしょう。そして「政治は遅れている、我々民間では考えられない」と言うでしょうが、ところが、地方議会だって、すでに昨年度の決算審査は終え、来年度予算の査定に生かしています。

 例えば、ネットを拾ったところでは、栗山町議会は平成23年9月13日に平成22年度決算を認定しています(動画:一般会計の決算のシーン)。調布市議会は、10月17日に平成22年度の一般会計の決算を賛成少数で「不認定」としています。ここは共産党系の市長のはずですから、「不認定」となったようですが、議会として審査のうえ、一つの結論を出しているわけですから、平成21年度の採決すらできていない国会とはまったく違います。横浜市議会は、決算第1特別委員会、決算第2特別委員会を設けて審査し、10月28日に本会議で採決しています(横浜市議会の日程表)。横浜市の平成22年度は7次にわたって補正され、一般会計総額は1・4兆円、一般会計と特別会計と公営企業会計の総額は3・1兆円です。高秀秀信市長時代から、各会計間の繰り入れと繰り出しの重複分をならした「純計」を発表しており、純計総額は2・4兆円となりました。

 衆議院で平成21年度決算の審査をしていないのに、参議院で平成23年度第3次補正予算(案)を審議し、財務省が平成24年度予算案を作成しています。Plan→Do→See→CheckのPDSCサイクルがぐっちゃぐちゃ。

 だから、誰が総理をやっても、うまくいかないのです!

 できないんなら、丸ごと自治体に分権すべきです。

 決算行政監視委員長は、民主党が野党時代は川端達夫さん、枝野幸男さんらが委員長を務め、総括質疑はNHK中継されるので、民主党議員が第1委員室の委員長席にすわる数少ない機会でした。政権交代後は、同じく野党の自民党が委員長となり、今村雅弘さん、新藤義孝さんら閣僚経験がない「適齢期」の人が委員長を務めています。しかし、前任の大村秀章委員長は仕事を途中で投げ出して、知事選に出馬してしまいました。

 平成21年度決算は、麻生自民党内閣が当初予算を編成し、4月に14・5兆円の第1次補正(都道府県や外郭団体への基金創設など)をし、10月に鳩山民主党内閣が第2次補正したというとても難しい予算です。前年度の決算審査に関しては、参院事務局などが海外の事例を調べ、政権交代により、前政権の予算・決算を今の政権が答弁する方法について研究したようです。

 しかし、平成21年度決算が審査未了で、平成22年度決算が提出されているのに、付託もされていないのに、「憲政史上初の国会事業仕分け」じゃないだろという気がします。自民党の河野太郎さん、平将明さん、公明党の遠山清彦さんらは良いのですが、民主党が岡島一正(氏、千葉3区=市原市、千葉市緑区)、黒田雄(氏、千葉市花見川区、習志野市、八千代市)、熊谷貞俊(氏、近畿比例単独)ら小沢グループが多いのも問題です。階猛(氏)は岩手1区でまだ良いのかも知れませんが、彼ら小沢グループは追い込まれたから、こういうところに活路を見いだそうとしているのでしょう。しかし平成21年度決算すらしていないのに、2番煎じの仕分けなどいかにも小沢グループが飛びつきそうな話で、自民党のエース格である議員は、あまりこういう筋の悪い人間と付き合うべきではありません。

 ただ、国民健康保健連合会(国保連)の計数計算だか何かが民間に開放されていないというような話で、「なぜ労災は開放されているのに、国保連は役所だけでやっているのか」という趣旨の質問をした民主党の岡田康裕さんは鋭いし、第46回衆院選後も残ってほしい人材だと考えます。

 このように、全体として、今回の試みは認められませんが、とりあえず、「システム」として今回の議事録は、理事会での協議も含めて残しておいてほしいと考えます。仕分けは国会でやるべきです。

 また、マスコミ、国民のみなさんも、平成21年度(22年度も含めて)決算ができていないのに、このようなパフォーマンスをすることを厳しく見てほしいと思います。民主党閣僚がなかなか、決算審査に出席できないなら、土曜日、日曜日にやればいいだけの話です。

 話は変わりますが、オリンパスには、「オリンパス労組」はないんでしょうか? 4万人の会社ですから、こういうときに労組が出て来ないというところに、日本型資本主義の閉鎖性を感じます。損をするのは、自分自身です。

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岡田克也、心の余裕。  

2011年11月17日 15時24分31秒 | 岡田克也、旅の途中


 岡田克也さんが心の余裕を取り戻したようです。いや、元々余裕を維持していたのでしょうか?

 民主党の岡田最高顧問はことし8月まで、幹事長として毎週月曜日、木曜日の午後4時(めど)に定例記者会見をしていました。その中で、ひとつ、私がとても気になっていたことがありました。

 それは今年はどこの球団を応援するかということです。

 例えば、2009年4月18日のブログでは

 「私は(略)この時期にどこを応援しようか決めることにしています。特に固定した球団というのはないのですが、1年間楽しめるところを選んで応援することを私のモットーにしています」

 「いろいろ考えたのですが、今年も楽天を応援しようかなと思っています」

 「ピッチャーの田中投手、マー君も、岩隈投手と並んで素晴らしいピッチャーに成長しそうですし、何よりあまりお金をかけないで頑張っているところが、大変好感が持てるわけです」

 このときは、岡田さんは野党・民主党副代表、要するにヒラ議員
でした。

 そして その年の10月19日。このときは外務大臣という重荷を背負っていたわけですが、

 「プロ野球の楽天が、クライマックス・シリーズへの出場権を得ることになりました」

 「連敗が続いて絶望的な状況のときもありました。しかし、野村監督のもと、無名の選手が非常に多いなかで、しっかり力をつけて頑張り、クライマックス・シリーズ出場まで決めたことは、私にとりましても大きな喜びです」

 そしてブラウン監督にかわった昨年は、4月30日のブログで「今年は、最初からつまずいて、どうしようかなと思っていました。別に、最近少し調子が上がってきたというわけではありませんが、しかし、やはり楽天の安定した先発陣、マー君や岩隈投手は、やはり魅力がありますし、そもそも、非常に弱いチームが野村前監督のもとで再生されて、そして、今回指導者が代わって、どうなるのかも非常に関心があるので、今年も引き続き楽天を応援しようと決めたところです」。

 ただ、いくら3位以内でクライマックスシリーズとはいえ、かなりこの時点で楽天は厳しい情勢でした。そして、その明晰にその分析ができているのに、「最初からつまずいて、どうしようかな」としながら筋を通すところに、1度目の幹事長時代に菅直人代表の民由合併をやめさせなかったり、、2度目の幹事長時代に解散前なのに、鳩山由紀夫代表の「最低でも県外」発言をたしなめなかったところにもつながっているような気がします。結局、昨年は楽天は最下位でした。

 そして、今年はここまでどの球団を応援しているのか明言がありませんでした。これは3月11日に東日本大震災があったからです。その後、5月の大型連休前後になってもブログでの明言がないので、岡田さんが心の余裕を失っているのではないかと思っていました。記者会見で私が聞いてみようかと考えましたが、3・11から8月までの震災国会中には、とても聞ける雰囲気や間(ま)がありませんでした。

 ことしは無いのかなと思ったら、きのう2011年11月16日付のブログで発表がありました。

[岡田かつやTALK-ABOUTから引用はじめ]

楽天イーグルス-来年こそは気迫を持って戦い結果を出して

プロ野球の日本シリーズが行われていますが、私的には、もうシーズンは終わりました。

今年も、パ・リーグはいつも通り楽天を応援しました。東日本大震災のあとだけに、大いに活躍してくれることを期待し、元大リーガーの補強もあったので、優勝もあるのではと期待しましたが、全くの期待外れでした。正直言って、途中から全く関心をなくしてしまいました。

来年こそは、星野監督のもとでしっかりと頑張ってもらいたいと思います。

しかし、そういう中で唯一の希望は、マー君こと田中将大投手が沢村賞を取ったこと、そして、その前提となる素晴らしい成績を収めたことです。気迫あふれるピッチングをしてくれました。被災者の皆さんにも大変な勇気を与えたと思います。

来年こそは、気迫を持って戦い、結果を出してもらいたいと思います。もう1年だけ、楽天を応援してみようと思います。

[引用おわり]

 たしかに、震災後の希望の星として期待された楽天イーグルスも、ちょっと後半戦は気迫に欠けていた面が見られ、5位となりました。
そして、岡田さんは相変わらず田中将大投手に目を付け、その成長を見守っている感があります。岡田さんの尊敬する人物は「織田信長」で、座右の銘は「大器晩成」ですが、傑出した人物に好感を持つというところがあるようです。あまり「多数派」は苦手なんでしょう。例えば、除籍後も、横粂勝仁・衆議院議員(30)について「気になっている」と発言しています。

 「途中から全く関心をなくした」としていますので、プロ野球開幕の4月ころは、野球も見ていたのでしょう。岡田さんは与党幹事長としてたびたび官邸を訪問して情報を共有しており、また住民票も東京のマンションに移しています。奥さんは医師免許を持っています。そして、資源エネルギー庁勤務の経験もあります。例えば、3月14日(月)の幹事長会見では「少なくとも今回、塩水を注入した原発などは簡単には復旧できないわけですので」と述べています。ホームページの議事録では「海水を注入した」と直してありますが、今ビデオで再確認しましたが、「塩水を注入」と言っています。このころに政治家や官僚、テレビ報道などは「海水注入」という言葉を繰り返しており、「塩水注入」という言葉を使ったのは岡田さんだけで、一般的用語にするため議事録は「海水」にしたのでしょう。原子力に詳しいことをうかがわせました。ただ、衆院議員になってからの20年間は、厚生、防衛、外務、環境、あるいは通商分野に興味が強く、資源エネルギーの方はあまり担当していませんから、「私も使用済み核燃料プールがあんなに原子炉の近くにあるとは知らなかったんです」と反省の弁を述べています。岡田さんは3人のお子さんを大学卒業まで育て上げていますから、今、子育て中のママさんとは環境が違います。ただ、少なくとも、私は、岡田さんがああやっているのだから、大丈夫なんだろうな、と思っています。

 岡田さんは、「日本シリーズが行われていますが、私的には、もうシーズンは終わりました」としています。今年の日本シリーズには、福岡ソフトバンクホークスが今の球団名になってから初めて出場しているほか、落合監督の退任が決まっている中日ドラゴンズが出ています。ところで、岡田さんの実弟は中日新聞社(東京新聞)の編集局部長ですから、中日グループの幹部社員です。また、岡田さんのお父さんが事実上創業し、お兄さんが社長を務める「イオン」は戦後最初に四日市で新聞チラシを出した会社ですから、中日新聞社に対してはある程度の影響力(トヨタ自動車ほどではないが)あります。でも、「私的には日本シリーズが終わった」。金持ちも楽じゃないですが、岡田克也さんの2011年は、大きな政治家としてのステップになったことは間違いありません。岡田さんが心の余裕を取り戻したと言うより、岡田さんはずっと心に余裕があったようですが、国民の心持ちをいろいろと見ていたのだと考えます。

 もちろん、「3・11」「東北」を風化させては、忘れてはいけません。

 なお、当ブログとしては、応援する政治家に関しては、当分イチイチ考えなくて良いので楽だとホッとしています。

 日本をあきらめない。岡田克也。

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野田首相、玄葉外相、安住財務相がアジア太平洋新時代の幕を開ける APEC2011ハワイ

2011年11月17日 07時30分06秒 | 岡田克也、旅の途中

 さあいよいよ、アジア太平洋新時代の幕開けです。

 80年前の大恐慌、関東大震災の後は、大東亜共栄圏という実態のない(ただし、満州国に関しては実態がありすぎ)ブロック経済化の肉付け作業、すなわち太平洋戦争で、ジリ貧、ドカ貧のすえ、主権を失った日本。

 しかし、今はデモクラシーとグローバリゼーションとインターネットの時代。同じ失敗はありません。民主党の岡田克也最高顧問は昨年11月4日の記者会見で、「APEC(アジア太平洋経済協力会議)が横浜で開催されるということで、非常に大きな会議で、なかなか大変なんですね。(略)いままでは成功の歴史ですから、やはりアジア太平洋圏で、自由経済、自由市場というものを努力しながら作ってきたと。そして確かにAPECができて以来、アジア太平洋地域の経済発展というのは世界の中でも抜きん出ているので、そういう成功の上に立ってさらに歩みを進めていただきたいと思っています」としゃべっています。

 歴史の教科書に載るでしょう、2011年11月12日・13日の「APEC USA 2011首脳会議」。今年1年間、アメリカが議長国だったので、「USA 2011」という表記にしたのでしょうが、太平洋の真ん中「ハワイ ホノルル」です。私たち日本人にとっても縁のある土地です。

 昨年に続き、ことしも民族衣装は見送られたので、野田佳彦さんのアロハシャツ姿は残念ながら見られませんでしたが、集合写真では、オバマ米大統領とブルネイ・ダルサラーム国のボルキア国王陛下に挟まれ中央真ん中に収まりました。


 玄葉光一郎外相は、ヒラリー・クリントン米国務長官と会談しました。冒頭、英語が堪能な玄葉さんがヒラリーさんにジョークを言って笑いが起こるシーンがありました。玄葉さんは、第146代外相にして、初めてのミッション系(キリスト教カトリック)大学卒業の外相です。上智大学法学部卒です。とはいえ、同じく聖心女子大学卒業の緒方貞子さんが国連難民高等弁務官(UNHCR)になったのは21年前ですから、いかに日本が人材活用システムができていない国かということがつくづく感じます。これではダメです。今後、国民は英語ができない政治家を首相、外相や、接遇の多い衆議院議長、参議院議長などに起用しないよう監視を強めるべきです。


玄葉光一郎外相とクリントン国務長官、2011年11月11日、米国ハワイ・ホノルル、外務省ホームページから。

 英語文化(源はキリスト教文明)への深い理解があるから、玄葉さんのジョークは受けるんですね。これは東大法学部のガリ勉英語ではできません。外相会談の細かい事項は、官僚の通訳に任せて、もちろん、日本を代表している立場である以上、外交では独立国である以上、国語(日本語)を使うのが前提です。しかし、外交といっても、要は人と人とのつながりです。

玄葉外相の軽妙洒脱なトークで盛り上がるクリントン国務長官ら。右端は経産大臣の枝野幸男さん。2011年APEC閣僚会合、米国ハワイ・ホノルル、外務省ホームページから。

 前専務理事のストロスカーン容疑者逮捕の後、IMF専務理事になったラガルドさんと、安住淳・財務大臣、2011年11月12日、ハワイ・ホノルル。財務省ホームページから。

 野田首相、玄葉外相、安住財務大臣が日本を大きく前に進めました。TPP(環太平洋パートナーシップ条約)の交渉の事前協議に参加しました。これは国論を二分するどころから、家族も二分する問題です。たいてい、親は反対で、子は賛成でしょう。親は変化を避け、子は変化を求めます。大震災、大恐慌の後、大東亜共栄圏に踏み出した過去を教訓に、「程度問題」で日本を豊かにしていく。第一の開国のときの福井藩士・益田孝を知っていますでしょうか。彼は横浜の地で三井物産を創設し、初代社長になりましたが、直後に三井本家から出資金を全額引きあげられ、苦労しました。日本のコメを日本の船で欧州に輸出して大もうけしました。またミナト浜の仲間のために、「中外物価新報」を創刊しました。これが今の「日本経済新聞」です。私は日本経済新聞横浜支局記者を3年半務めましたが、例えば「サカタのタネ」の本社は横浜にあります。意外でしょうが歴史を考えれば当然です。横浜スタジアムは「日本最初の野球場の跡地」だし、日本最初のゴルフ場、日本最初のテニス場、日本最初の競馬場と「日本最初の~~」というありきたりな定番記事はカバンの中いっぱいにネタが詰まっていて、むしろ書ききれないのが悩みでした。でも簡単な話です。野球も、ゴルフも、テニスも、競馬もすべて太平洋(+大西洋)を渡って、横浜港から上陸したのですから、最初にプレーされたのが横浜なのは当たり前のことです。そして、対岸に羽田空港ができてからも、やはり貨物は船便が主流ですから、「横浜という街は、隣町である東京という街よりも、勤務時間は3分の1、収入は8割以上、可処分所得は同じぐらい、可処分時間は2倍(すべて当ブログ調べ)」というのんびりした豊かな街です。ワールドカップ以降少し失速しているようですが、住みやすい街です。TPPは良い、悪いではなく、程度問題です。ただ、「松岡洋右が国際連盟に脱退状を突き付けて会場から退場する」シーンを拍手喝采するようではいけません。外交交渉ですから、間接デモクラシーとして、信頼できる人間に任せましょう。とにかく、「松岡洋右は出すな」ということは、これは推進派、慎重派、反対派とも共通認識にしたいところです。

 追伸。

     鉢呂吉雄さんもよく頑張った!!


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