[写真]左、民主党副代表で参院議員の北澤俊美さんと民主党最高顧問で衆院議員の岡田克也さん、ともに筆者撮影。
胸がはち切れんばかりの思いです。
民主党副代表で参院議員の北澤俊美さんと民主党最高顧問で衆院議員の岡田克也さんに路線対立が勃発です。岡田さんは第39回衆院選(1990年2月18日)、俊美さんは第16回参院選(1992年7月26日)に絶頂期の経世会(自民党竹下派)公認で初当選。しかし、第4派閥となる「改革フォーラム21(自民党羽田派)」に入り、新生党結党に参加。細川・羽田内閣で俊美さんは農水政務次官、岡田さんは「いしずえ会事務局長」を務めました。羽田内閣総辞職で、下野後も、新進党の第2回党首選では羽田孜陣営でした。その後、別の党になりましたが、民主党結党に参画し、15年連続の野党生活に耐え、政権交代を実現しました。鳩山内閣では、岡田外相、北澤防衛相として首相を支えました。
[写真]ピエール・ドゥ・ロンサール(北澤俊美さん栽培・撮影)
武闘派に見えて、バラを愛するロマンティストの俊美さんが今週火曜日13日の定例常任幹事会で、第180通常国会の戦術について「国民に理解を得られる法案は衆院で強行してでも参院に送るべきだ。その覚悟でやらないと必ず行き詰まる」と述べたと、16日付の朝日新聞が伝えています。一方、岡田さんがつくった3党協議路線を維持すべきだとの意見も出て、議論が割れたようです。金曜日16日の幹事長代行定例記者会見で樽床伸二さんが認めています。
この背景には、第45回衆院選の長野選挙区で完勝(全5区で民主党公認候補が勝ち、対抗馬の自民党候補が全員比例も含めて完全落選)を陣頭指揮した長野県連代表に復帰し、次の衆院選への意識が強いものと思われます。俊美さんは、民主党・新緑風会(輿石東会長)で無役で、参議院(平田健二議長)でも無役です。とはいえ、民主党本部では副代表、そして来る平成24年党大会(1月16日月曜日)の実行委員長という大役があります。さらに民主党長野県連代表に復帰しました。定数是正で平岡案(5増9減)が採用されると、長野県の定数が1つ増えて、長野6区が新設されます。そうでなくても、長野県北部の特に1区、続いて、2区、3区は有権者数が多い(1票が軽い)選挙区。しかも平成の大合併の影響で基礎自治体が割れている区割りが目立ちます。いずれにしろ、大幅な境界線変更は全選挙区にあると思われます。さらに対抗馬となる自民党支部長は2区~5区まで決まっていて、旺盛な活動をしています。私は今月、5区の元職を東京で見ましたが、だいぶ元気になったようで、2世議員特有の偉ぶった雰囲気も消えていました。落選で反省したのでしょう。さらに2区、4区もマッチレースでは自民党が優勢さを取り戻しています。羽田さんが引退する3区も含めて、地滑り的に負けてしまう可能性があります。「北澤県議」時代の後援会がある1区も、区割り変更の上、みんなの党の二世新人が出馬する噂もあります。俊美さんは3党協議が整わなくても、衆院を過半数で法案を強行採決し、参院に送り、参院で野党に対して法案成立を(修正したうえで衆院に回付することを含めて)求めていく。それができなければ、両院協議会をやったうえで、早めの衆議院解散という考えがあるのでしょう。
一方、3党協議体制ですが、岡田最高顧問、前原誠司政調会長らはここに来て、任期満了までやって実績を挙げたいという考えに傾きつつあるとの観測が大勢をしめ始めています。少なくとも、子どものための手当は見届けないと、民主党コア支持層が壊れる可能性があります。
このようなことで、俊美さんの「衆院の過半数で参院に送って参院で対応を待つ」のか?はたまた岡田さんがつくった3党協議体制を維持しして、衆院段階から法案を手直しして、衆参を通すのか。答えは2つに1つということになります。
さて、新進党第1回党首・幹事長選挙で、さきに小沢一郎氏の幹事長無投票当選が確定。そのあと、羽田孜さん、海部俊樹さん、米沢隆さんの3候補による党首選となりました。私としても既に小沢幹事長が確定しているのに、羽田党首となれば、旧日本新党、旧民社党、旧公明党、旧新党みらい(自民党清和会系)などの人たちは納得しないだろうと考えました。ここで、「ツトム君・いっちゃん」コンビに亀裂が入りました。ですから、政治の世界で、一生の親友などできるわけがないのです。繰り返し言及していますが、民主党1期生が赤坂で飲み会をしていても、それは特にならないばかりか、害になる。第46回衆院選で、自分が当選して、友人が落選したら、「秘書に雇ってくれ」と言われて断りにくくなる。だから、岡田さんは飲みに行かないのです。それが政治家の必定であり、それが政治家を通した国民の世論を政策に反映させるというプロセスなのです。
最後に、なぜ「3党協議体制」をつくらなければならなくなったか、再度ご説明します。衆参ねじれに苦しむなか1月31日、小沢一郎(氏)が強制起訴されました。そして、小沢一郎(氏)の処分に関して民主党役員会が倫理委員会へ諮問しただけで、そのわずか3日後である2011年2月17日、渡辺浩一郎・笠原多見子・川島智太郎ら16人が突如、会派離脱届を提出し、新会派結成を宣言するという「2・17ショック」が起きます。っこれにより、社民党幹事長の重野安正さん(衆院議員)らの協力を得て衆院で3分の2で再可決する案が絶望的になりました。いわば、日本国憲法60条と59条が想定していない憲法のすきまを小沢グループに突かれ、日本が崩壊しかける事態となりました。この後、民主党幹事長の岡田克也さん、公明党幹事長の井上義久さん、自民党幹事長の石原伸晃さんの同期コンビが「3党協議」の枠組みをつくり、日本を救いました。渡辺は「まさか大震災(3月11日)があるとは」と政治家にあるまじき危機管理意識の欠如を示しながら、会派離脱届けをひっそりと取り下げました。渡辺、笠原、川島らは第46回衆院選で落選するでしょうが、日本のすべての社長さんは、彼、彼らを絶対に信用して雇ってはならないと、アドバイスしておきたく存じます。私はそのように考えますが、みなさんはいかがでしょうか。あるいは「悪いのは小沢さんであって、彼ら彼女らは利用されただけで、悪くない」という意見をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
さまざまな思いの交差する、新進党解党から14年目の年の瀬です。
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