(このエントリーの初投稿日時は2011年12月1日午後12時)
野田佳彦首相は2011年12月1日(木)、首相官邸に安住淳財務大臣を呼び、平成23年度(2011年度)第4次補正予算(案)の編成を指示しました。12月中旬の閣議決定をめざします。
歳出の増額総額は2・5兆円規模。円高対策(1ドル=77円前後で推移)、タイの洪水被害対策、法律が成立した被災地の二重ローン軽減策、生活保護費の上ブレ分を盛り込むものとみられます。いわゆる「追加経済対策」です。これに先立ち、野田首相は前日に、12月1日午後5時半から記者会見することを発表しました。国債整理資金特別会計は国債の想定利回りを年利2%としていますが、ことしは世界的な欧州債務などの先行き不透明感からリスク回避の動きがあり、日本国債の運用利回りが1%前後と低水準になっており、年間130兆円の新規発行・借り換え債の利息支払いが大幅に余っていることから、この2011年度予算内のお金を使って、やりくりする方針とみられます。
私は4次補正に反対です。なぜかというと、それにより通常国会の召集が1週間~2週間前倒しになるからです。例えば、2005年の第162通常国会召集日は小泉内閣が1月21日と遅い時期に設定し、8月8日に解散し、9月11日の第44回衆院選で歴史的大勝をしました。一方、第171通常国会では麻生内閣が2009年1月5日の異例の早い時期に召集を設定し、任期満了まで2ヶ月とせまった7月21日まで追い込まれ解散し、8月30日の第45回衆院選で大敗を喫しました。
新聞は4次以上の補正は、昭和22年度(1947年)の第15次補正以来としています。もちろん東日本大震災「3・11」を受けてスタートした平成23年度が昭和22年度に匹敵する特別な年であることに異論はありません。ただ、昭和22年度は、第1回特別国会で片山内閣が第1次補正予算(案)から第11次補正までしています。そして、第2回通常国会で第12次補正から第14次補正まで手がけました。が、片山内閣は総辞職し、芦田内閣になって最後の第15次補正をしています。ちなみに片山哲さんが昭和22年4月25日の第23回衆院選の全国遊説を終えて、東京駅に着くと、待ちかまえた新聞記者から「どうやら第一党になりそうです」と伝えられ、片山さんが「しまった」と言い、政権を担う準備ができていないことを露呈したという伝え話があります。
できればやらない方がいい。でも総理が決めたら、やるしかないでしょう。過去に追加経済対策の補正をやって、与党の支持率が下がったということはおそらくないでしょう。心理的な側面もあり、追加経済対策の補正が成立すると、目に見えて、繁華街などは人が出ます。
とにもかくにも、ひとつひとつ、乗り越えていくしかありません。年末年始。民主党にしろ自民党にしろ、選挙が不安な人は、予算編成も税制改正も先輩に任せて、早めに帰った方がよさそうです。
民主党大会は北澤俊美実行委員長のもと、2012年1月16日(月)に開催し、党規約と代表選挙規程を改定します。自民党大会は1月22日(日)。第4次補正予算案の提出を総理が明言しているので、おそらくこの民主党大会と自民党大会の間の期間に第180通常国会が召集される可能性が高いのではないかと予想しています。第180通常国会では、消費増税準備法案と平成24年度の特例公債法案の審議や採決をめぐって解散・総選挙含みの展開になるのは確実です。自民党はすでに230以上の選挙区で公認・推薦候補が準備済みのようです。民主党は積み残しの行財政改革について法案化したうえで抜き打ち解散というシナリオも否定できないません。私たち有権者もそろそろ、第46回総選挙の小選挙区・比例代表等票先の決定や他の有権者への働きかけの情報収集・整理に取りかかる時期を迎えています。
asahi.com(朝日新聞社):4次補正予算編成、首相が指示 総額2兆円超 - 政治
野田佳彦首相は1日午前、首相官邸で安住淳財務相と会談し、今年度第4次補正予算案の編成を指示した。総額2兆円超で、円高対策や被災地の二重ローン対策などを盛り込み、来年の通常国会の冒頭に提出する。
安住氏が会談後、明らかにした。補正予算の編成が4次にわたるのは1947年度以来。首相は「12月中旬までに閣議決定できるよう組んでほしい」と指示した。
4次補正ではこのほか、タイの洪水対策を支援し、自治体向けに交付税を追加する。安住氏はまた、環太平洋経済連携協定(TPP)の参加をにらみ、国内農業の競争力強化策を盛り込む意向も示した。
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