【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎平成24年度当初予算政府原案を閣議決定 3党とも、初の国会修正をめざせ!

2011年12月24日 14時35分45秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 野田佳彦内閣は2011年(平成23年)12月24日(土)の午前9時からの臨時閣議で、平成24年度予算(当初予算=本予算)の政府原案を決定しました。

 関連)90兆3339億円は「呉・三谷光男サンキュー予算」だ!平成24年度一般会計語呂合わせ

 これで第45期衆議院で、民主党の第1次与党期は、鳩山内閣(藤井裕久財務大臣、野田佳彦副大臣)が12月25日、菅内閣(野田佳彦大臣、櫻井充副大臣)が12月24日、野田内閣(安住淳大臣、五十嵐文彦副大臣)が12月24日の朝9時と、すべて年内の早い時期に決まりました。

 なお、おととしの「新・成長戦略」と同様に、ことしも「社会保障と税の一体改革素案」の決定があるので、ひきつづき与党は忙しい年末となります。また財務省原案(大蔵原案)や復活折衝はなく、風習は完全になくなったと言えそうです。

 すでに財務省はホームページ平成24年度予算政府案 : 財務省で、予算のポイントを発表しています。一般会計が主で、特別会計の情報はまだほとんど出ていませんが、財務省ホームページを読んでのまとめと感想をアップします。

 ただ、わが国では国家予算というのは自治体予算とは違い、1月下旬をめどに公開される一般会計・特別会計・政府関係機関の3つの予算書、各府省による箇所付け、さらに衆議院予算委員会での基本的質疑や一般的質疑などで新しい情報が出てくるという前近代的なものですので、きょうのこのエントリーの他にも追加情報が入ってきます。そのため、随時更新用のエントリーをもう一つつくることとし、このエントリーは12月24日段階での、フレームとその感想という大づかみなものにします。

 ところで、家計や、あるいは自治体は、まず収入(歳入)額が確定し、その中で支出(歳出)を決めますが、国予算は違います。はじめに歳出があって、そこから歳入を計ります。しかし、まずは私たちの常識に鑑みて、歳入から見ていきましょう。

【歳入は一進一退も何とか持ちこたえた踊り場予算だ】

 一般会計の歳入は税収を42・3兆円と見積もっています。これはあくまでも見積もりであり、とくに法人税収は大幅なブレがでますが、仮に歳入欠陥となっても、歳入超過となっても、それによって財務省主計局や主税局が見積もりの誤りを咎められて責任者が処分されることはありません。次に民主党政権から使われるようになった言葉である「税外収入」つまり「埋蔵金取り崩し額」ですが、3・7兆円となりました。これは前年度当初予算では9・6兆円でしたから、かなり減ります。そして、国債は建設国債(60年間償還で、耐久公共財の歳出負担を複数年度に散らす国債)は、5・9兆円と微減しました。そして赤字国債は38・3兆円と微増しました。なお後述しますが、特会に計上された復興債は赤字国債ですので、実際にはかなり増えたことになります。

【環境省、前年は当初比4倍の大忙しも、ことしは少し落ち着く】

 歳出。まず国債の償還費は21・9兆円で、0・4兆円増えました。最新の日本銀行の資金循環統計では外国人の国債保有率が8%に急上昇していますので、リスクが高まっています。地方交付税交付金は16・6兆円で微減となっています。

 環境省の予算。これは前年度当初は2009億円でした。橋本行革で廃棄物行政は厚生省から環境省に移管しましたが、東日本大震災による大量のがれき(災害廃棄物)の発生で、環境省の平成23年度(2011年度)予算は3次補正後は8000億円を超えています。おそらく年度中に当初比で4倍に予算が補正され、ふくれあがった2011年度の環境省というのは、空前絶後の事態となり、環境大臣だった松本龍さんは退任し、長期入院してしまいました。その環境省には、新しい外局として原子力安全庁ができますが、2347億円と15%増の当初予算となり、少し落ち着いた気がします。

 当ブログで強く主張してきた、マニフェストの1丁目1番地ともいえる「地方一括交付金」。このブレークスルーになる沖縄への一括交付金ですが、内閣府に新設されました。地方主権への大きな一里塚です。これについて、山名主計官(財務省職員)が記者クラブ向けに作成したペーパーも、すでにインターネットで公開されていますが、山名主計官は「沖縄独自の一括交付金に1575億円」「全国制度の一括交付金にない経常的経費、市町村事業にも対応」と書いています。まず、「沖縄独自」としていますが、私に言わせれば「沖縄県庁が第1歩」であるし、「全国制度の一括交付金」などという予算コードはありません。それは「内閣府地域自主戦略交付金」という似て非なる予算事業であり、それは地方一括交付金ではありません。46都道府県への地方一括交付金は次の特別国会で法案が通ると、私は願っています。ちなみに、沖縄県庁は経常的経費にも使えるということで、これは生活保護費などの扶助費、県債償還のための公債費、職員給与を支払う人件費に充てることもできるということです。このように他の道府県が知事や議会の自由な判断で使えるお金を増やすことが、地方分権と、足腰の強い災害に強い国造りにつながります。ちなみに、人件費に充てることができると、自治労が強くなるのではないかと思う人がいるでしょう。が、全国の知事は、自民党系の方が多いので心配ありません。

 農業者戸別所得補償では、畑作物向けの補償の一部が特別会計から出るようですが、現時点ではしくみは分かりません。米作、畑作とも総額はしっかりと措置されています。

 防衛費は4・7兆円でマイナス1・3%になっています。動的防衛力整備に向けてメリハリのある調達や人材育成、情報収集が肝要です。防空能力を向上するため、現有戦闘機の後継として、「F-35A」を4機取得します。関連費用を含めて600億円を契約しますが、今年度の歳出はその一部で、あとは国庫債務負担行為になるようです。F-35Aはロッキード・マーチン製で、今後ライセンス生産が可能になれば、エンジンはIHI、機体は三菱重工業、電気装備は三菱電機が請け負うもようです。

 社会保障費では、医療が3・2%増えて10・2兆円となり、ついに「10兆円超え」となりました。診療報酬は引き上げられます。ちなみに、民主党では昨夏の参院選で日本医師会推薦候補が落選していますが、この政治力は何とかならないのでしょうか。介護は2・3兆円で、伸び率は6・1%増ですが、こちらの介護報酬の引き上げに関しては、納得できます。ぜひ介護スタッフのみなさんはよりやる気を出して頑張っていただきたい。基礎年金の国庫負担分は前年当初の10・5兆円から8・3兆円となりますが、これは原子力賠償機構のように国が交付国債を渡して、消費税引き上げ後に現金化するという方法です。ことし1年間だけなら、消費税の1%相当分になりますが、そんなに余裕のある話ではありません。いますぐにでも消費税を引き上げないといけません。

 ここはややこしいので、大臣合意を載せておきます。新川主計官・阪田主計官作成の財研記者クラブ向け説明パーパーに載っていました。これはかなり重要な備忘録です。

基礎年金国庫負担の取り扱い(2011年12月22日大臣合意)
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2012/seifuan24/yosan012.pdf
○ 24 年度の基礎年金国庫負担割合は、歳出予算(36.5%分)と、税制抜本改革により確保される財源を充てて償還される「年金交付国債(仮称)」により、国庫負担2 分の1 を確保。
・ 24 年度の「年金交付国債(仮称)」は、年金差額分(2.6 兆円)と運用収入相当額(譲渡可能な国債での運用に得られる収益と同等となるよう算定)とを合算した額を発行。
・ 償還財源は、税制抜本改革により確保される財源(消費税収)。償還は、税制抜本改革の実施後に開始し、毎年度、あらかじめ定める一定額を限度。


 次に子どもに対する手当です。これも、「生命線」という方も最近は多いようですので、大臣合意を載せます。

子どものための手当(2011年12月20日大臣合意)
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2012/seifuan24/yosan012.pdf
・ 3 歳未満と、3 歳以上から小学生の第3 子以降の子ども一人につき月額15,000 円、
・ 3 歳以上から小学生の第1 子・第2 子、中学生の子ども一人につき月額10,000 円、に加え、
・ 年少扶養控除の廃止等に伴う手取り額の減少に対応するため、所得制限(※)以上の者については、中学校修了までの子ども一人につき月額5,000 円を支給。


 さらに生活保護費の国庫負担分は、2・8兆円で、当初比で8・6%増です。これ以外にも1月に審議する「平成23年度第4次補正予算(案)」にも歳出の増額補正が入っています。世界不況は10年~15年は続きそうですから、稼げる人は稼いで、ドンドン税金を払わないといけません。そうでないと、共倒れです。稼げる人もやがては老い、働けなくなり、年金受給者となり、場合によっては介護を受けることもあるのですから。それと、TPPですね。

【東日本大震災復興特別会計を新設、予備費の0・4兆円は要チェックだ】

 さて、最後に特別会計です。とりあえず、現時点で、新設の「東日本大震災復興特別会計」のあらましが分かっています。

 歳入は復興債(赤字国債)発行によって得るオカネが24年度は2・7兆円。復興増税で0・5兆円入るほか、一般会計(歳入は普通の税収と赤字国債)から0・5兆円を回します。歳出はほとんどが新設の内閣府復興庁が配分するほか、東日本大震災復興交付金(自民党用語では礒崎交付金)も0・3兆円と分厚く計上しました。予備費として0・4兆円が計上されていますが、このオカネのチェックを国会がしっかりやらないといけません。というか、国会でなければ、会計検査院しかチェックできませんよね。

【八ッ場ダムは24年度は本体未着工ではないのか? 国会議員は予算書をちゃんと読め!読まない議員は全員落選しろ!】

 最後の最後に、特会に限らず、一般会計も含めて国土交通省です。東日本大震災からの復興を最優先に掲げています。そして、その予算について、平成22年度の予備費、平成23年度の1次補正、同3次補正と24年度当初予算の「25ヶ月予算(?)」としていて、これは機動的なメリハリある財政運営として評価できます。この「25ヶ月予算」のなかで、復旧に1・5兆円、復興に0・8兆円、全国防災費に0・5兆円の2・8兆円を計上しました。全国防災費は東日本大震災復興特会にも計上されています。「全国防災費」の定義については、第179臨時国会の冒頭で、第3次補正予算に関する代表質問で自民党総裁の谷垣禎一・影の首相が質問していたのですが、その後の予算委審議では尻すぼみになり、自民党もどうにもバラバラだなあ、と感じました。

 一方、国交省予算に関する、角田主計官の財研(財務省記者クラブ)向けペーパーの最後には次のように書いてあります。

 「八ッ場ダムについては、生活再建対策事業、本体工事の準備に必要な関連工事等を計上。合計事業は135億円で、国費56億円」。

 これを読むと、24年度段階では、「本体工事の準備に必要な関連工事等」であって、本体工事は始まらないのではないでしょうか? 25年度で止めても、潤った労働者がいたのだから、まったくの無駄金ではありません。民主党政権にしろ、自公政権にしろ、本体着工は25年度(2013年度)以降なのでは? デモクラシーには(若干の)オカネと時間が必要です。世の中は頭の良い人ばかりではありません。プロセスの明確化には時間が必要です。「先送り」というのは政治には極めて良い選択肢です。この予算書を読みもせずに、中島政希・衆院議員が民主党へ離党届を出しました。彼は元々は群馬4区(高崎市など)で、第45回衆院選は比例単独で当選しています。中島さんが群馬4区に出馬しても良いし、あるいは前回空席の群馬5区に移ってもいいでしょうが、少なくとも、政治生命にかかわることなんだから、予算書ぐらい読んでから行動しろよ、と言いたい。ちなみに小沢一郎氏は幹事長時代の記者会見で、40年間予算書を読んだことがないと言っています。借金1000兆円になったのも当然です。予算書・決算書を読んでいない議員は軒並み落選させましょう。

【民主党、自民党双方のために、第180通常国会で、平成24年度当初予算政府原案は修正議決すべきだ】

 この予算は、第46回衆院選で政権交代した場合は補正されることになります。ただ、補正というのは減額はしやすいですが、増額補正はやりにくいものです。「仕分け」の民主党に対して「利益の誘導と分配」のDNAを持つ自民党が年度途中から政権を担って、谷垣内閣は増発国債なしに補正ができるのでしょうか。そういう意味では、さほど大きいものでなくてもいいですから、第171通常国会で参院民主党が麻生定額給付金補正(平成20年度第2次補正予算)で、参院予算委員会に提出した予算修正案(筆頭発議者・福山哲郎さん)のように、自民党も組み替え動議(内閣が撤回のうえ編成替えを求める動議)ではなく、予算修正案を出したらどうでしょうか。衆院段階でも参院段階でもいいです。その修正案は、参院で可決。そして、両院協議会で、衆院民主党の案とすりあわせ、数日かけてでも協議案をつくり全会一致で、可決するのです。憲政史上初となります。それほどの労力でもないですよ。そうして、予算関連法案も成立させる。そして、消費税増税法案を採決前に解散総選挙。自民党も悪くないでしょ? 野田さんだろうが谷垣さんだろうが、政府は増税できません。国民の信託を受けた国会が増税するのです。財政民主主義、代表なくして課税なしを徹底し、来るべき、日本の未曾有の国難を乗り越えるために。大連立ではありません。国会での熟議。民主党とか、自民党とか、公明党とか、そういうことでなく、国民が望むのは、足腰が強く、国民がついていける範囲内でスピードアップした国会です。赤坂で飲んでる暇はきょう一日限りです。

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90兆3339億円は「呉・三谷光男サンキュー予算」だ!平成24年度一般会計語呂合わせ

2011年12月24日 12時29分26秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[写真]財務大臣政務官で衆院議員の三谷光男さん。

 野田佳彦内閣は2011年12月24日(土)の朝9時から臨時閣議を開き、平成24年度予算の政府原案を決定しました。民主党政権では、おととしの鳩山内閣が12月25日、きょねんの菅内閣が12月24日、ことしの野田内閣が12月24日の朝9時という早いタイミングで閣議決定できました。非自民政権では、予算案の閣議決定が鬼門とされてきましたが、3年連続での年内の早い時期に組み上げることができました。財務省原案(大蔵原案)の発表がなくなり、いきなり政府原案が発表される格好となりました。ただ、日本の予算はこの政府原案が、衆院、参院を通じて、そのまま国会の議決となっています。しかし、第180通常国会からは、参院などで議員提案で修正し、両院協議会の成案で議会で修正する格好にした方がいいのではないでしょうか。というのは、平成24年度予算は執行年度(2012年4月1日~2013年3月31日)中に、自公政権によって(閣議決定や国会への報告による)執行の一部停止や、自公による補正があるかもしれません。しかし、「自民党DNA」からすると、なかなか「減額補正」というのは難しいのでは。組みかえとなると難航します。ですから、ある程度、3党協議で、早ければ2月の衆院段階から修正するという考えがあってもいいかもしれません。

 ところで、当ブログは滅多に既存メディアを批判しませんが、きょうは猛省を促します。12月24日の臨時閣議は夕方や遅くにずれ込むこともあるのですが、2011年12月24日(土)午前9時から始まりました。このことについて、有料の時事通信メール速報や、無料の共同通信フラッシュニュース、朝日新聞の総理番ツイッターなどのあらゆる電子メディアで速報がありませんでした。いくら財務省財研クラブが前日までいろいろ書いたり、政治部内閣記者会総理番が若手であろうと、国家予算が事実上決定する(残念ながら国会での修正や、政府が撤回の上編成替えの前例はほとんどない)瞬間なのに、それを速報しないニュースマインドはどうなっているのでしょうか。この既存マスメディアの劣化ぶりには激しい憤りを覚えました。本質を捉える力がなさすぎます。時事通信メール速報は、もう一度このようなことがあったら、解約を検討しないといけません。

 さて。

 一般会計が90兆3339億円となりました。すでに財務省のホームページには情報がすばやく載っています。きょうは出遅れましたが、じっくり分析して、きょう中に第2発の本記エントリーをアップします。とはいえ、国予算は、「箇所付け」など予算書に書いていない情報が多いので、これから2月の本予算審議にかけて、情報をアップロードしていく第3発の随時更新版エントリーも挙げていきます。

 ぜひ、すばやい情報公開の下の財務省のホームページを見てください。

平成24年度予算政府案 : 財務省


 ◇

 さて、以前は語呂合わせを大蔵省や新聞各紙が競いましたが、この慣習は10年ほど前からなくなってしまいました。

 覚えているのは平成元年度が「60兆4142億円」が「60兆で良い世に」で、平成2年度が「66兆4143」が「労(6)を重ね、再びなさん良い予算(4143)」で、一年間で1割り増しにした自民党・小沢一郎幹事長の赤字国債発行による歳出大幅増が、いまになると苦しく、日本経済を窒息寸前にしています。

 古いことを大事にし、忘れない私は、ことしも一般会計を語呂合わせしてみました。

 90兆3339億円

 当ブログは、「90兆3339億円」を「呉の三谷光男サンキュー予算」と語呂合わせしました。

 呉(90)、三谷(3)、光男(3)、サンキュー(39)予算です。

 あまり馴染みがないかも知れませんが、野田内閣では9月から、安住淳財務大臣の下、三谷光男さんが財務大臣政務官を務めています。広島5区選出の当選2回生です。呉出身、大阪大学から松下政経塾(4期)で学び、宮澤喜一さんの公設秘書や宮澤財務大臣政務秘書官を務めました。2005年の郵政選挙で比例復活で初当選。そのような弱い立場ながら、2009年5月の代表選では、小鳩の締め付けに耐え、「正しい選択」をしました。もの静かな三谷さんですが、9月の野田内閣で財務政務官に。異例のことに、大阪の造幣局での貨幣大試験の試験官を務めました。

 ところで、三谷さんは財務大臣政務官に付いた直後に、衆議院事務局に提出していた所得等報告書を訂正します。これは、学資保険の満期返戻金を14万円ほど所得として追加で届け出ました。どうやら、財務政務官になるにあたって、財務省国税庁から税務調査を受けたようです。ホントウに財務省はこわいところです。こうやって財務省は政治家を自分たちの支配下に置いていくんですね。三谷さんの対抗馬の自民党支部長で元職の寺田稔さんは財務官僚出身なので、その関係もあるのかもしれません。また、以前の「大蔵省国税庁」対「郵政省簡易保険局」の時代ならば、情報が出なかったかも知れませんが、現在は「財務省国税庁および内閣府金融庁」対「日本郵政株式会社の子会社のかんぽ生命株式会社」という図式なので、カンタンに情報は出るでしょう。また、三谷さんは11月下旬、お母様を亡くされました。
三谷さんのプロフィールによると、ご実家は「中通の巴屋」だそうです。ただ、民主党の場合は自民党とは違って、財務調査に入られてもこわくない議員の数は自民党のそれと比べれば圧倒的に多いので、財務省もそろそろ考え所ではないでしょうか。

 呉というのは、わが国の備えと人材を多く育てた街です。私が2003年に行ったときは、旧海軍都市である横須賀市などと比べて、時間が止まったか、あるいは時間が遡っているような街に感じられ、激しいショックを覚えました。呉から広島市へ戻る電車の中で、左側に見える海に沈む夕日を見て、悲しいのではなく、ちょっと不自然なハイテンションになってしまいました。お餅がふくれるのを見て興奮する人がいるそうですが、そんな感じ(?)でしょうか?? その点、冷静そのものに見える三谷さんが呉を代表しているのは素晴らしい。野党時代にも財務金融委員会で一人だけ真っ黒になりながら、審議に臨む姿を見ました。「呉の三谷光男サンキュー」予算。民主党にはまだ人材がいて、テレビに映らなくてもダイヤモンドの原石があるんだから、民主党を見捨てないでください。「早く衆議院を解散しろ」というのはいっこうに構いませんが「民主党を解散しろ」というのは、小沢一郎(氏)じゃないんですから、絶対にやめてください。小沢一郎(氏)で思い出したけど、政治家の税務調査の対象ってどういう基準なんでしょうか、国税庁も公平性を担保しないと、組織への信頼を失う可能性があります。

 民、信なくば立たず。

 平成24年度予算は、年度途中に、自公政権によって補正されるかも知れません。しかし、その土台としてしっかりした議論ができる良いものができたと評価します。

 三谷さん、通常国会も頑張って答弁してください!

 がんばれ三谷さん、負けるな三谷さん!

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