宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

造血幹細胞の提供の推進法案が衆・委員会で可決、会期内成立へ 国会は終わっていない!

2012年09月05日 17時32分24秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[画像]全会一致で中小企業等協同組合法の一部を改選する法律案を可決した衆・経産委、衆議院インターネット審議中継から。

【2012年9月5日(水) 衆議院経済産業委員会】

 平成最長の国会となった第180回通常国会会期末まで残り4日間となり、各委員会理事は法案成立に向けて最後の懸命の努力を続けています。

 「野田問責」があった先日8月29日(水)の参本では、15法案が可決・成立、2法案が可決し衆院に送られました。

 そのうちの1本、「中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案」(第180参法33号)が発議者の参議院経産委員長(民主党の前川清成さん)の趣旨説明の後、採決され、民主党、自民党など与野党全党の賛成で、可決しました。1人30万円以内の火災共済事業などに関する改正を盛り込んだもので、閣法成立率が低迷している今国会では、委員長提出による改正法案がとても多くなっています。会期内の本会議で可決、成立する運び。

 参本でも投票総数238、賛成238、反対0の全会一致で可決していました。 

 このように、野田問責の後、テレビ・新聞で「事実上の休会」と報じられました。多くの国会議員もこれを信じているようですが、まったく間違った認識です。まず、ほとんどの議員が3年以上与党議員を経験したにもかかわらず、政治報道がデタラメだと知らないことが許し難いメディア・リテラシーの欠如です。例えば、私の記憶では、第171通常国会の参議院で内閣総理大臣麻生太郎君問責決議が可決された後に、麻生首相は衆本で解散詔書を議長に提出しています。問責首相が天皇の国事行為をしていたことになります。その一事だけで、参院で首相が問責されると、国会が事実上閉会するというのが誤った認識だと断定できます。

 6月26日の社会保障と税の一体改革関連法案に造反した議員ほど、すでに閉会したと勘違いした言動をしています。これなんかは、年配の方は「そりゃそうでしょ」という反応でしょうが、あらためて人間として信用できないなと感じました。こういう議員は、トイレで手を洗わないような人間でしょうから、握手しない方がいいですね。さらに国民の生活が第一の議員は、民主党代表選にも自民党総裁選にも関係ないので、閉会後に大幅に露出が減るので、なるべく会期中に頑張ろうとすべきです。与党・民主党議員は、定数是正法を成立させて閉会すれば、秋の臨時国会を先送りさせることができますので、自民党新総裁の国会デビューを引き延ばした方が次の選挙を有利に戦える可能性が高まるので、委員外も必死にならないといけない。細野さんを擁立するのは閉会後で十分です。

 私、正直、かなり憤っています。

【衆議院厚生労働委員会 2012年9月5日(水)】

 この後、衆議院厚生労働委員会では、「移植にもちいる造血幹細胞の適切な提供に関する法案(180参法35号)」が、参議院厚生労働委員長(民主党の小林正夫さん)から趣旨説明されました。この後、採決し、起立総員の全会一致で可決されました。あすの衆本で可決・成立する見通し。

 この法案は、公明党の渡辺孝男・参議院議員が趣旨説明しています。3日付公明新聞によると、参院本会議があった当日、公明党横浜市戸塚支部は日本さい帯血バンク支援ボランティアの会の代表を講師に招き講演会を開催しています。このなかで、代表は「白血病などの治療に有効とされる造血幹細胞の移植を拡大するため、自民、公明、共産、新党改革の野党4党が共同で参院に提出したことに謝意を示しています。

 2日放送のNHK日曜討論では、山口那津男さんが「公明党は大衆とともに語らい、大衆とともに闘い、大衆とともに死ぬ」と立党の精神を語っています。これに比べて、民主党議員の責任感のなさは激しく罵倒され、なじられて当然です。落選しても、どんな仕事に再就職しても、何をやっても最初の3年だけで相手にされなくなるでしょう。

【参議院政治倫理の確立および選挙制度に関する特別委員会 2012年9月5日(水)】

 足立信也委員長が開会を宣言し、民主党・新緑風会の一川保夫幹事長、自民党・たちあがれ日本・無所属の会の溝手顕正幹事長らが答弁しました。法案は参院定数を4増4減する「公職選挙法の一部を改正する法案」(180参法36号)で、民主党、自民党、公明党の賛成多数で可決しました。

 この中で、新党大地・真民主の平山真さんが、「定数を増やして1票の格差を是正すべきだ」「来年夏の参院選を3年延期する特別措置法を施行し(半数改選のない)6年間で抜本改正をすべきだ」という常軌を逸した発言がありました。

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