【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎「国民の生活が第一」が「国民生活会議」設立 小沢一郎が悪質なマネーロンダリング継続

2012年09月20日 10時55分37秒 | 小沢一郎氏による解党ビジネス

[写真]小沢一郎氏、筆者撮影。

 本当に悪い奴だ。やれやれ、小沢一郎氏の「病気」はまったく治っていないようで、またしても、政党助成金などをめぐる悪質なマネーロンダリングに向けて、悪の温床を作りました。


[画像]2012年9月20日付官報。なお総務大臣の個人名(民主党員)は消させていただきました。将来的にこのページをご覧になった方が、何か勘違いをすることを未然に防ぐためですのでご了解下さい。

 2012年7月11日(水)に「結党」を宣言した小沢一郎氏が党首を務める政党「国民の生活が第一」の政治資金管理団体として「国民生活会議」の設立が告示されました。代表者は、小沢秘書軍団の実質トップ(実際には閣僚を務めた父親の秘書出身)である同党参議院議員、佐藤公治さん、会計責任者は、民主党を(おそらく定年で)退職した西尾利逸職員の名前で、平成24年8月29日付で届け出ました。主たる事務所の所在地は、同党本部と同じ住所。

 これが何が問題か。

 小沢一郎氏は新進党解党の資産を自由党に移しました。この自由党の政治資金管理団体は「改革国民会議」という名前でしたが、自由党解党後も政治団体として存続し、直近の政治資金収支報告書では、代表者・会計責任者とも側近の元参議院議員、平野貞夫さんが務めており、9億円ほどの繰越金が残っています。さらに、それ以前に1992年の経世会分裂後にできた自民党羽田派こと「改革フォーラム21」も残っており、直近の政治資金報告書では、代表者・会計責任者とも小沢秘書出身で衆議院議員の川島智太郎さんが務めており、2億円ほどの繰越金があります。なお、改革フォーラム21は、羽田孜代表でしたが、この団体の存続に羽田さんはタッチしていません。

 一方、民主党の政治資金団体(献金の受け皿団体)は「国民改革協議会」と呼び、これは直近の政治資金収支報告書では、代表者は元民主党参院議員で初代組織委員長(元連合副会長)が務めており、会計責任者は西尾利逸さんになっています。定年退職に前後して、最も政治資金に詳しい西尾職員が小沢新党に参加したようです。

 ここまでで、固有名詞がグチャグチャでしょうから、党名と政治資金団体(受け皿機関)を整理すると、

 自民党=国民政治協会

 民主党 =国民改革協議会

 国民の生活が第一=国民生活会議

 になります。

 そして、かつて小沢氏が党首や代表幹事を務めて、現在は政党が存在しないのに、政治資金管理団体が残っているのが、

 (通称・自民党羽田派、新生党)=改革フォーラム21
 (自由党)=改革国民会議

になります。

ですから、現在小沢氏が支配下に置いていると思われる政治団体の中で、古い順に、

 改革フォーラム21
 改革国民会議
 国民生活会議

 となり、3つめが新しく加わったことになります。このほかに、政党本体の「国民の生活が第一」も資金を受け入れられるし、支部として「国民の生活が第一衆議院岩手県第4区総支部」というような名称の団体も届けられたか、届けられる見通し。このほかに、小沢一郎・衆議院議員(候補者含む)の政治資金管理団体として「陸山会」があります。さらに日中友好や、草の根国際交流の政治団体も小沢氏の支配下にあります。

 今回の「国民生活会議」という名称は、明らかに混同をねらったものと思われます。ここまで行くとうんざり感が出るので、テレビ媒体は当然として、雑誌・新聞ですら、「うんざり」「もういい」という感じで、ジャーナリズムによる、取材・追及・検証が弱まると考えられます。

 このため、政党である「国民の生活が第一」に5億円以上の振り込みがあると思われる2013年4月19日よりも前に、総選挙をして、小沢グループ新党「国民の生活が第一」を根絶やしにする必要性が高まったと考えられます。

 このようにプロセスを不明確化し、お金を動かすのが小沢流であり、今回の「国民生活会議」はこれからも同じような政治手法をとり続ける宣言と思われます。さらに、「誠山会」という団体を解散し、そのうえで、今回、新しい政治団体を少なくとも3つ(政党、政治資金管理団体、支部)つくったことにより、さらに小沢マネーの把握は複雑になり、小沢氏本人だけが思うように動かすことが可能になります。

 とにかく、総選挙で、小沢グループを根絶やしにしなければなりません。政治改革どころか、民主政治の危機です。

 日本国民全員の総力を結集して、小沢一郎の息の根を止めましょう!

[お知らせ]

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[お知らせおわり]


中国とのパイプが太い公明党、野田政権に協力を伝達

2012年09月20日 09時01分36秒 | その他

[写真]公明党の石井啓一政調会長と山口那津男代表、公明党ホームページ。

 野田佳彦総理は2012年9月11日、沖縄県の尖閣諸島の底地を民間人のK氏から購入し、国有化しました。尖閣諸島は中国が領有権を主張し、中国政府の船舶や中国籍の漁船の領海侵犯に加えて、香港在住の自称「民間活動家」による上陸(不法入国)事件があったため、国が管理しやすいように、平成24年度一般会計予備費から40億円を支出し、国有化しました。これに対して、関東軍が暴走し満州事変につながった柳条湖事件(旧名称・柳条溝事件)の81周年にあたる9月18日をヤマにして、中国国内100都市以上で反日デモがありました。2010年に、GDPで世界2位になりながらも、すでに少子高齢化社会に入った中国が欧州債務危機などで経済成長が鈍化する局面で、民衆の怒りが暴発したものとみられます。とはいえ、総理がしたことは絶対に正しいのだから、このまま国を守る姿勢を毅然と示し続けてほしいです。もう管理しやすいということなら、この路線で、在沖縄米軍用地を国有化してもいいくらいだと思います。地権者が嫌がるかもしれませんが。

 日中国交樹立(日中国交正常化とも言う)から40周年の今月。日中国交樹立で大きな歴史的役割を果たし、日中のパイプが太い公明党はきのう19日午前、公明党本部で、山口那津男代表、井上義久幹事長、白浜一良参議院議員会長ら在京幹部が会合。山口代表は「日中両国の経済的、政治的な関係や、東アジアの平和と安定をともに担っているという大きな責任を考えれば、速やかに、冷静に解決に導かなければならない」と述べました。会合で幹部たちは「毅然とした姿勢で臨むのは当然だが、対立を乗り越えるためには、日中両国間のあらゆるパイプを使って結び付きを強め、信頼関係を再構築していくことが必要だ」「与野党を超えて対処すべき課題であり、日本政府から要請があれば協力する用意がある」との認識で一致。石井啓一政調会長が、初当選同期で新進党同僚の藤村修官房長官に19日昼電話し、公明党の方針を政府に伝えました。19日付公明新聞が伝えました。

 野田佳彦首相は18日夜のテレビ番組で首相特使にも言及しています。公明党では、中国に留学経験があり、東洋経済新報で中国取材や特集の編集を担当したり、中国人民元に関する著書を書いたりした経験がある、西田実仁(まこと)参議院法務委員長のように、中国とのパイプがある議員が複数います。

 大隈重信さんは明治14年の政変で下野した後、2つのものをつくりました。立憲改進党と早稲田大学(早大)です。

 池田大作さんは創価学会第3代会長に就任後、2つのものをつくりました。公明党と創価大学(創大)です。

 こちらをごらんください。

[写真]創価大学の池田大作・創立者(左端)と中国からの第1期留学生である程永華・駐日中国大使(右端)、2012年4月3日付聖教新聞から。

 この写真の左端で座っているのは、池田大作さんですが、右端に移っている中華人民共和国から1973年に創価大学に留学した第1期留学生の若人。この人物は、なにをかくそう、程永華・駐日中国大使です。あのしたたかな中国政府は、当然にして、この経歴を知ったうえで、国交40周年イヤーの駐日大使に程さんを任命したはずです。

 程大使は2012年4月2日、東京・八王子の創価大学の入学式に招かれ、「創価大学名誉博士号」を受け、記念講演をしています。

 
[写真]程永華・駐日中国大使の名誉博士号授与と記念講演を伝える聖教新聞。

 講演によると、程さんは1973年に来日したものの、教育協定が結ばれていなかったことなどから、学習環境が整わず。その後、周恩来首相と会見して帰国した池田さんが、程さんらを創大に受け入れために特別な指導プログラムを組んでくれ、1975年に入学できたそうです。程大使は講演で、「池田先生はその時、滝山寮の入寮式に出席されました。そして、桜吹雪の中、私たちを栄光門から文系校舎へと案内誌、そこで出会った教員や学生たちに紹介してくださいました。また日本の桜の文化について語られ、周総理との会見でも桜が話題になったことを振り返るとともに、キャンパスに「周桜」を植えることを提案されました。私たちはこの時から、創大という素晴らしい教育環境の中で、教員の方々から厳しくも優しい指導をいただき、日本に関する学問の研さんに努力を重ねました。また、多くの学友ができ、本当の心と心の触れ合い、心の絆を結ぶことができました。これらは私にとって人生の宝であります」と語っています。

 そのうえで程大使は、中国には水を飲むときは、井戸を掘った人のことを忘れないという言葉があると紹介。池田さんが1968年9月、「日中国交正常化提言」を発表し、率先して「日中の国交正常化」「中国の国連加盟」「日中貿易の促進」を提案し、程大使によると、「池田先生の提言は中日関係の固い氷を破り、関係正常化を実現し、平和友好の道を開く上で、重要な役割を果たしました」としています。

 池田さんの初訪中は1974年5月だったそうで、つまり周恩来首相と面会したという上のエピソードが意外にも初訪中だったようですが、このとき、日中間に平和の金の橋をかけることを提起したとして、程大使は「私たちは、両国各界の共同の努力を経て、この40年間、中日間に堅固な金の橋が築かれたことを喜んでいます」と講演しました。

 程大使は講演のしめくくりとして、金の橋というキーワードを再度持ち出し、「創大の先輩として、新入生の皆さんが創大に入って勉強できることに心からの祝意を表します」「皆さんがもっと中国を知り、中日関係に関心を寄せ、将来、両国間に友好の金の橋をかける有能な人材になることを希望します。数年後、創大を旅立つ時、創大に入ってよかった、勉強して充実した、といえるよう、また10年、20年経ってもそう言えるよう、また10年、20年経ってもそう言えるような大学生活を過ごせるよう期待します。ご清聴ありがとうございました」と語りました。

 2010年9月の尖閣諸島沖で我が国海保巡視艇が中国籍漁船を衝突させて停船させた際に日中外交が緊張してから4ヶ月後の2011年1月。公明党幹事長代理の富田茂之さんが中国の戴秉国国務委員(副首相級)に会った際のエピソードを第177回通常国会の2011年2月16日の衆院予算委員会で明らかにしています。議事録によると富田さんは次のように述べ、超党派での日中のパイプの活用の必要性を主張しています。

国会議事録データベースから引用はじめ]

 私にも質問の機会をいただきましたので私の方から戴秉国さんに、実は以前に戴秉国さんにお会いしたことがある、一九九七年と九八年の二回、当時まだ戴秉国さんは中国共産党対外連絡部の部長さんでしたけれども、今、民主党の幹事長をされている岡田克也先生とか、中川正春さんも御一緒だったんですが、当時、戴秉国さんとお会いしていろいろな話をさせていただいたことを御紹介しましたら、にこにこされて、おお、新進党と言われました。新進党で行きましたので、当時のことを思い出されたんだと思うんですが、よく覚えていらっしゃるなということでした。
 その際に、岡田幹事長、尖閣の事件が起きたときは外務大臣でいらっしゃいました。その後、前原大臣に引き継がれたわけですが、私は戴秉国さんに、問題が起きたときに岡田さんと直接やり合ったらよかったじゃないですかという話をしました。なかなか民主党の皆さん、中国とのパイプがないということで苦悩されていたと思うんですが、そういう話をしましたら、戴秉国さんも、そのとおりだ、直接話がしたかった、いろいろあってできなかったけれども、これからは一対一の直接の対話が大事だと思うと。会談が終わった後、わざわざ私のところへ歩み寄ってこられて、富田さん、岡田さんにちゃんとこの話を伝えてくれと言われたんですね。本当に大事なことだと思います、いろいろなパイプがありますから。

[引用おわり]

 ということで、外交は人と人との交わりからすべてが始まると考えます。民主党は野党が長かったので、パイプがないのですが、中国では、富田さんが新進党で訪中していたと知って、だったら新進党同窓生の岡田さんに伝えてくれという話になったようです。富田さんが2000年第42回衆院選(神の国解散)で落選したときは、国政復帰した野田さんと岡田さんが合計3人で残念会をしたそうです。(関連エントリー 
「新進党」の枠組みを活用して国難と衆参ねじれを突破せよ!

 そういうわけで、経費節減で今は聖教新聞はとっていないのですが、4月の聖教新聞をとっておいてよかったです。ちなみに、今日は聖教新聞は散歩中にサンプルでもらえるところでもらってきて読みましたが、1面コラム「寸鉄」では「公明議員には最も重要な真面目さがある 立党の精神胸に突き進め」とあります。政教分離してから、公明党について、聖教新聞1面から触れるのは稀なことです。これはあさって2012年9月22日(土)に立党50年の記念の年となる第9回公明党定期大会が控えているからでしょう。ただ、国政政党としての公明党の先行きは明るくありません。30代新人を大量擁立する衆院小選挙区や40代新人らを擁立する参院選選挙区、とくに3人区は確実なところはない情勢です。このままでは、衆参とも比例代表の上位搭載者・重点候補者だけの比例政党になってしまう懸念があります。そのために、小選挙区導入後に新進党を結党したのですが、ご存じのように、小沢一郎氏による解党されてしまいました。

 私が午前4時台に新聞をとりに行くという生活習慣を知っていてかどうか、ときどき、公明新聞が4時台に入る曜日があります。けさは初めて、公明新聞の配達員と出くわしましたが、ていねいにおじぎをして「いつもありがとうございます」と言ってくれました。私はとっさに、「ありがとうね」とぶっきらぼうな応対をしてしまいました。おそらく高校生だと思います。通学前に公明新聞を配ってくれているのでしょう。だから早いのでしょうか。今は高校授業料無償化もあり、高校に通いやすくなっていますが、彼が大家族だったら、民主党の第1次与党期のもっとも与党慣れしていない大失策だった2011年税制改正、特定扶養控除の削りすぎで、かえって世帯負担は増えてしまったかもしれません。しかし、日中の対等な二国間関係をしっかりと継承して、近すぎるので時にけんかしても、なるべく明るく安定した日中関係を保っていくことは、安全保障面でも、経済面でも、文化面でも、この国の有権者の絶対的な使命です。ぜひ、心の強い野田総理、どういうわけか新宿の街頭演説では自信がないような表情でしたが、志と心の強さで、午前4時台から新聞を配る素晴らしいこの国の若人の未来を切り開くために、一ミリたりともぶれてはいけません。総理は絶対に正しい。

 そんなこといっている今頃、朝から新聞配って、学校居眠りしていたら、先生に叱られるぞ~~(^_-)

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