[画像]野田佳彦代表の写真とアバターは民主党ホームページから。
さあいよいよ、第46回衆院選の民主党の大逆転勝利(というか連勝)に向けて反撃のファンファーレが高らかに鳴り響きました。
旧規約にもとづく、野田佳彦代表の任期満了にともない、「与党らしい」2012規約の下で初めて行われた民主党の第16回代表選挙(代表選出集会)は2012年9月21日(金)の臨時党大会で行われ、野田佳彦候補(第95代内閣総理大臣)が圧倒的な支持で再選しました。2012規約にもとづき、任期は「就任から3年目の9月30日まで」ですなわち2015年9月30日まで。ただし、仮に第46回衆院選で敗北した場合は引責辞任し、次の代表がそれから3年目の9月30日まで代表・ネクスト首相に就任する見通し。総理大臣たる代表の当選は、2010年9月の第14回代表選の菅直人候補以来2年ぶり2回目。
赤松広隆候補は「第1期民主党は民主・リベラルの旗をかかげて立党した。もう新自由主義・自民党の時代には戻さない」と訴え、党員・サポーター票で旧総評系組織が強い北海道で2位につけたり、地方議員票で健闘するなど、旧社会党、旧新党さきがけなどの組織の力を見せつけることに成功しました。
原口一博候補は地方分権を訴えたうえで「自民党だらけの山口県で、一人だけ民主の旗をかかげた平岡さんがいたからものが言えるんです。空は青い空ばかりでなく、黒い雲あると言えるようになったんです、と言われた」とし、平岡秀夫さんの支持者である岩国市議の話を紹介しました。私は原口演説を聴いて、一体改革法に造反した四国の女性参院議員の心に届いたならいいなあと感じました。
鹿野道彦候補は「なんと言っても福島の再生であります。まだ16万人が避難しています」として、論戦に欠けているとの批判が出ていた震災・原子力災害の復興に言及しました。
こういった声を聞いた、野田総理は再選後に、内閣改造で、衆院1期生を政務官に起用する意向を明らかにし、チーム力を強化し、第46回衆院選での大逆転連勝をめざす考えを示しました。
有権者数は一般党員・サポーターが32万6974人、地方議員が2030人、国政選挙の公認内定候補(予定)者9人、国会議員336人の合計32万9349人。2012規約から日本国籍者しか投票できないことになりました。外国籍者も党員・サポーターにはなれます。総務省の直近の発表では日本の総人口は1億2604万人。総人口にしめる党員・サポーターの割合は0・26%で、日本人400人に1人ということになります。わずかこれだけの人数なのですから、仲良ししなければいけません。
登録に関係なく在住する300選挙区ごとに振り分けたうえで、勝者がポイントを総取りする方式から、在住する都道府県ごとのドント方式によるポイント配分となりました。地方議員票は従来と同じく、ドント配分されました。
党員・サポーター票は 野田候補が296ポイント
赤松候補が 24ポイント
原口候補が 72ポイント
鹿野候補が 17ポイント
地方議員票は 野田候補が93ポイント
赤松候補が18ポイント
原口候補が20ポイント
鹿野候補が10ポイント
となりました。
この選挙をもって、民主党は一丸となり、第46回衆議院議員総選挙での連勝に向けて巻き返しを歩むことになりました。例えば、お隣の中国でも孫文率いる国民党が1911年に辛亥革命をなし遂げた後も、毛沢東率いる共産党は一致団結して長征をし、外国勢力には国共合作(大連立)で闘い、1949年に政権をとっています。このように、まずは一致団結することが大事です。
きょうは午前4時から、党職員をはじめ140人がこの、30万サポーターの郵便投票の開票・集計にあたり、確実にその声が迅速に反映されるようにしました。この作業には、自民党秘書出身の民主党参院議員である小見山幸治・選挙管理委員が早朝から立ち会いました。村越祐民・選管委員らも立ち会ったようです。
[写真]午前4時からの開票作業に立ち会った選挙管理委員の小見山幸治・民主党参院議員。
総理は再選直後に国会議員に向かって、1年間総理をやってみて、「私の後ろには誰もいません。その苦しさと重みを痛切に感じた1年間でした。これからもその責任を感じています。私の中に私はいません」と語りました。1期生として参加した細川・羽田内閣を除けば事実上初めての与党経験である5回生、第45期衆議院での野田さん。自民党長期政権下で官房副長官と総理として官邸勤めをした海部俊樹さん(新進党初代党首)は、「三木内閣のころは、何かあるごとに一日に何遍も、「総理!」と言いながら総理執務室の扉を押した。自分が総理になると、「総理!」と言って押す扉がない。それが官房副長官と総理の違いだ」と振り返っています。当時の官邸では、副長官室と総理室は歩いて30秒ほどの距離でしたが、総理室は漆黒の怒濤のような暗闇の孤独があります。また海部さんとは別のある首相(経世会)の東京での後援会長の自宅を訪ねたら、「本当は仲良くないんだよ」と吐き捨てられたことも思い出しました。
政権を担う重荷を背負い続けて良いかどうかの判断は、日本国の全有権者の判断に任せるしかなく、与党の国会議員が総理を引きずり降ろそうとすることは、分かっていないとはいえ、私には理解できない行為です。そもそも、総理をしっかり支えることが、与党議員としての自分への求心力につながることを理解していないということが不可解です。ただし、年齢や当選回数を重ねながらも閣僚経験のない議員が、何か考えて行動することは十分に理解できることです。野田佳彦候補の筆頭推薦人は田中慶秋さんでした。あるいは、古賀一成さんなんかは自ら出馬しても良かったように思いますが、地方分権の票を集めた原口さんの立候補は良かったと思います。さすがは「自立と共生」の新生党の志をもった候補者だと感じました。
総理は、月曜日の国連総会前に「執行部の重たい役職」の人事を決めて留守を預かってもらった上で、帰国後に両院議員総会で承認を得る考えを示しました。新しい幹事長には、自公民3党協議路線を推進し、特例公債法案と定数是正法案を処理し、衆院選への対応が求められます。これまでの執行部では、党選挙対策委員長は高木義明さん、都道府県連とのパイプ役である党組織委員長は古本伸一郎さん、支持団体とのパイプ役である党企業団体委員長は小林正夫さんが務めてきたことから、お互いの話しやすさで、民主党のチーム力をしっかりと引き出すためには、議員立法の手法で重要法案を成立させた城島光力・国対委員長の幹事長昇格が順当な人事といえるでしょう。
また1期生の政務官起用は、選挙事情も考えながら、党内外での反発を買わないよう、苦労した人を起用する必要があります。一体改革法成立に貢献があった党税制調査会事務局長の岸本周平さん、定数是正法案・国家公務員制度改革4法案で質疑に立った後藤祐一さん、エネルギーや定数是正で修正協議にあたった柿沼正明さんら。また、対抗馬が閣僚経験者である人を重視する必要があります。一体改革法の子ども子育て法や特例公債法案で貢献した江端貴子さん、政策調査会役員として法案の党内とりまとめで苦労した阿知波吉信さん、政治改革のチームで活躍した花咲宏基さん、岡田康裕さんらです。そのほかにも、政治改革・行政改革では取りまとめ責任者を務めたり、ていねいに雑務をこなした石井登志郎さん、近藤和也さん、中林美恵子さん、藤田憲彦さん。党務では、党青年局の地方組織の立ち上げなど党務で貢献した森山浩行さんや国際局の阪口直人さんら。そして、農業者戸別所得補償の政策効果の検証や事業仕分けなど次の時代をみすえたビジョンの提示と見晴らしの良い仕事ぶりが際立つ玉木雄一郎さんが政務官起用1期生の中心となるでしょう。比例単独では「いちもく会」会長としてまとめた金森正さんや、雑用をこなした野木実さん、川越孝洋さん、磯谷香代子さん、山崎摩耶さん、工藤仁美さんら。
このほか逆転の夏チルドレン(2007年)の参議院1期生は、政権交代と同時にさっそく徳永久志さんが外務政務官になったものの、その後、政務官登用のペースが停滞しており、改選をひかえて十分な配慮が必要です。
ただし、小泉チルドレンの政務三役経験者は第45回衆院選で全員落選(出馬断念含む)しています。でも、全員が第22回参院選で国政復帰しましたので、与党政務三役というのは不思議なものですが、政務官になれば、次の選挙が楽になるわけでは全くありません。いずれにしろ、地元活動量が不足していた人が政務官程度の肩書きで取り戻せるほど現職・前職の選挙は甘くありません。また、離党をちらつかせた小選挙区当選者を取り込む格好での政務三役就任はある程度しかたないでしょう。そもそも2010年7月初当選の浜田和幸・参院議員は、内閣府政務官、総務政務官、外務政務官を歴任することになっています。いわば水戸黄門のテーマソングの「後から来たのに追い抜かれ」という歌詞のようなもので、政務官起用のはやさは、次の選挙でも、後々のことでもあまり関係ありません。
衆議院で10議席程度が減ると、政権維持が難しい状態になりますが、そのときは公明党に協力を要請して、ダメなら国会を召集せずに引っ張った上で、予算を組んだうえで衆議院を解散してしまえばいいでしょう。要は、30万人の党員の気持ちを一つにすることができるかどうかの一事が万事。その布陣を敷き、守備戦を守り抜くためには、この結果は当然といえます。
さあいよいよ、巻き返しの狼煙がしっかりと上がりました。
野田民主党の政策が正しかったかどうかは、1年以内に、総選挙という「絶対的な審判」があるのですから、実はとても楽なものです。総選挙のときの経済情勢、政治環境で有権者の判断基準が変わるのは当然のように思いますが、落選した人は「人間として絶対的に否定された」と思ってしまい、再起不能になる場合もあります。
いずれにしろ、当面上京する必要はないのですが、地域、地域で大逆転勝利へと邁進しましょう。
泣くのが嫌ならさあ歩け。
[お知らせ]
衆議院解散はいつか。その答えはこの日程表にある。会員制ブログ(月840円)。
今後の政治日程 by 下町の太陽
最初の1ヶ月は無料で試し読みできますので、気軽に登録してみてください。取材資金にもなりますので、ご協力をお願いします。
「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い
「新党結成」の煽り報道で食べている既存メディアは恥を知れ。国権の最高機関である国会を中心に地道に、本質を見抜いた政治報道を続けられるようご支援をお願いします。
[お知らせおわり]
tag http://www.kantei.go.jp/jp/fukusouri/press/ http://regimag.jp/b/sample/list/?blog=65