本予算が衆院予算委にとどまった中盤国会(連休前国会)ということで、猛烈な忙しさになっています。私もまったく国会空転がないので、議員会館や民主党本部に行くと、必ず「久しぶり」と言われてしまう状態です。
日切れ法案は片づきましたが、衆議院では、本予算、その修正協議、閣法の修正、インターネット解禁法案の修正協議(きょう衆院通過へ)、選挙制度改革法案の前裁きに加えて、マイナンバー法案(社・保共通番号法案)まで審議入りしてきたので、猛烈な忙しさとなってきました。
ただ、政権交代をしたということで、大臣経験者やスタッフの一部には、燃え尽きた印象の人もいなくはありません。 もちろん、国会にいないだけで、参院選を活用して、選挙区内外の地元県で足腰を鍛えている人もいます。やはり前大臣が戸別訪問してくれれば、どの政党の支持者でもうれしいでしょう。代表・幹事長も「人寄せパンダ」を積極的にやっており、集会もそこそこ人が出ているようです。何より、建設的な議論が増えているように側聞します。
そこでがんばっているのは、やはり閣僚未経験者。3年3ヶ月の間に未入閣だった衆議院議員の活躍が目立ちます。
例えば、内閣提出の「地球温暖化対策推進基本法の改正法案」では民主党も加わり修正可決(きょう本会議へ)。ここでは、篠原孝・元副農相(現ネクスト環境相)が与野党修正のキーパーソンとなりました。
[画像]閣法の修正案を趣旨説明する篠原孝ネクスト環境相。後ろは生方幸夫・前環境副大臣(現ネクスト沖北相)、2013年3月29日(金)の衆・環境委。
マイナンバー法案を審議する衆院内閣委には、若井康彦・筆頭理事(3期、千葉13区)のところに、岸本周平さんが登場して、打ち合わせ。とにかく兼務、兼務のまさに「八面六臂」の岸本さんなので、何の打ち合わせだか皆目見当がつきません。
[画像]若井康彦・衆院内閣委筆頭理事(右端)と打ち合わせする岸本周平さん、2013年4月3日、衆院内閣委。
未入閣の郡和子・前復興政務官は、予算委、復興特、文科委をはしご状態。
後藤祐一さんは2000年の森内閣の「IT基本法」について、「あのときは森首相がITをイットと読んだんですよ。若いみなさん知っていますか?」と44歳にして、自民党・日本維新の会・みんなの党の若手新人との連携に意欲的か。さらにインターネット選挙解禁でも議論に。
[画像]後藤祐一さん、2013年4月3日(水)、衆院内閣委。
そして、玉木雄一郎さんと岸本周平さんにいたっては、おそらく野党史上初の「野党予算修正実務者協議会」の座長としてリード。みんなの党の柿沢未途さんと補正予算での「民み」共同組み替え動議ができそうだったのですが、政策部門責任者である閣僚経験者が、みんなの党の政策責任者(入閣経験なし)から働きかけられてから動き出したので、衆院では時間切れとなってしまいとても残念でした。
[画像]憲法審査会にのぞむ大島敦元総務副大臣と武正公一元外務副大臣、2012年4月4日。
[画像]憲法審査会にのぞむ三日月大造元国交副大臣、古川元久元国務大臣、篠原孝元農水副大臣ら、2012年4月4日。
「野党予算修正(組み替え含む)実務者協議会」み生社風の4党が「(消費増税を前提にした)年金特例公債の中止」を要望しており、2・6兆円の財源だけに難航しています。その一方で、民主党マニフェストの目玉だった地方一括交付金のこの予算への修正復活については、民み生社風の5党が賛同の方向などうれしい面もあります。むしろ、生活の党が民主党マニフェストに執着してくれているといううれしい誤算も。民維でも「社会保障改革の必要性」では一致し、それぞれの支持基盤の関係から「地方交付税は(できれば)増額の方向性」という共通点も出てきたようです。
閣僚経験者でも長妻昭・厚労相が張り切っています。これは年齢もありますが、やはり、「官邸未経験者」だからということもあるでしょう。やはり大臣も大事ですが、実際には官邸内の政治家が政権を動かしています。
今のネクストキャビネットでは、ネクスト内閣官房のメンバーは全員が「官邸未経験者」で構成されています。
ネクスト内閣官房のメンバー
桜井充(元財務副大臣)
大島敦(元総務副大臣)
高橋千秋(元外務副大臣)
近藤洋介(元経産政務官)
三日月大造(元国交副大臣)
大串博志(元財務政務官、元内閣府政務官)
小川淳也(元総務政務官)
郡和子(元復興政務官)
柚木道義(元厚労政務官)
後藤祐一
玉木雄一郎
大塚耕平(元内閣府・厚労副大臣)
尾立源幸(元財務政務官)
那谷屋正義(元文科政務官)
藤末健三
桜井長官、大島、高橋両副長官で、あとは官房長官補佐になっています。このようにネクスト内閣官房には衆参とも閣僚経験者がいないし、官邸経験者も配置されていません。大串さんが首相補佐官だったじゃないかという指摘もあるでしょうが、私は首相補佐官は純然たるスタッフ職であるべきだと考えているので、「官邸入り」ではないと認識しています。
このように、未入閣、未官邸の人がネクスト内閣官房になっている。ということは、3年3ヶ月で燃え尽きていないし、「次へ」「上へ」「前へ」という意識を持つのは、人間社会の自明の理です。だから、この人たちが、国会回しの「背骨」になっていけば、自公民3党ライン(とくに税制と社会保障)、民維み3党ライン、民生風3党ラインなど縦横無尽に活躍して、将来的な政権選択肢のまとめ役にはなれるでしょう。だから、民主党は必ず復権します。
ところで、民主党の2012年12月31日時点の翌年度の繰越金は218億円ですが、このうち51億円は第46回総選挙費用の未払い金であることが明らかになりました。これを単純に引くと、170億円ということになります。4月19日(金)に入る政党助成金を考えても、第23回参院選の軍資金はかなり節制しないと。総支部長は、戸別訪問と読書で、安い費用で臥薪嘗胆してもらうしかないでしょう。かなりの辛抱だと感じます。が、このところ集会の反応は良いとも聞きます。戸別訪問で苦しければ、次の呼び鈴、そしてそのまた次の呼び鈴を押していけば、必ず、「がんばれよ」の一言がもらえるでしょう。「戸別の王様」になるしかありません。
そのためにも、衆議院56名(副議長のぞく)のうち、閣僚未経験者はしっかり走ってほしいです。最近では霞が関で他の党との比較もあり、「民主党の先生は質問通告が早い」という好感も、まだら模様ですが、あるようです。自公民だろうが、民維みだろうが、民生風でも民主党ネクスト官房が背骨です。相対的には財力・組織力もありますし。