【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

森まさこ消費者担当相「勧誘していない」 公設秘書全員が支部に寄付、うち一人は年115万円 

2013年04月11日 14時38分48秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[画像]森まさこ消費者担当相、参院消費者問題に関する特別委員会、2013年4月11日。

 森まさこ消費者担当大臣は2013年4月11日(木)の参院特別委で、平成21年(2009年)に当時の自身の公設秘書3人から、自身が代表を務める自民党支部に合計205万円の寄付を受けていたことを認めた上で、「勧誘していない」と明確に答弁し、秘書3人が自発的に寄付したと強調しました。

 参・消費者問題に関する特別委員会で、森大臣の所信に対する一般質疑のなかで、民主党・新緑風会の金子洋一理事が「大臣の政治姿勢」に関する質疑しました。この中で、自身が代表をつとめる「自由民主党福島県参議院選挙区第四支部」(自民党福島県参院第4支部)の平成21年(2009年)分政治資金収支報告書に当時の公設秘書3人から寄付を受けていることを認めたうえで、自発的なものだとしました。

 3人の寄付の合計額は205万円で、うち1人(公設第2秘書、政治団体会計責任者)は115万円を寄付。参院庶務部長は、この秘書の歳費について、「(年齢や職務経験によるが)おおよそ年間514万~634万円」と答弁しており、金子理事は、「歳費と比べて高額な寄付だ」と指摘。秘書採用時に何らかの交渉があった可能性もあると指摘しましたが、森大臣は明確に否定しました。

 この政治資金収支報告書は、下のリンクアドレスの「11ページ」で、「自由民主党福島県参議院選挙区第四支部」の欄に、当時の公設第2秘書の名前で「115万円」など、政策秘書、公設第1秘書ら当時のすべての公設秘書が個人献金をしていることがうかがえます。

 森まさこ(森雅子)さんは参院当選1回。自民党清和会所属で、ことし7月21日(予定)の参院選で福島選挙区(今回から定数1)で改選を迎えます。森さんは午前中は衆院の消費者特委の一般質疑で答弁。昼休みの後、参院へ移って同じく一般質疑。「午前中は衆院、午後は参院と答弁する初めての経験です」としながらも本籍地の参院でほっとした表情。

 のっけから金子さんに「衆院で我が党の郡和子議員も質問した貴金属の押し買いについて」質疑すると、森大臣は「午前も午後も同じ質問」と驚きましたが、金子理事は「別に野党の都合でこの日程を決めたわけではありませんよ」とし、大臣の政治姿勢を攻めました。ちなみに所信表明に対する一般質疑での「大臣の政治姿勢」の質疑といえば、「政治とカネ」の質疑と同義語だと私は考えます。なお、平成22年以降は寄付を受けていないとのこと。ならば、なぜ平成21年だけ寄付があったのかという疑問も残ります。金子さんは当時の公設第2秘書の参考人招致を加藤修一委員長(公明党)の求めるとともに、森大臣に資料提出を要求し、森大臣は提出するとしました。

 仮に「勧誘していない」と明確に答弁したことが事実でないようなことが判明する事態になることが今後あれば、大臣就任100日経っての古巣でほっとしたことが残念です。とはいえ、大臣とは、国民の生命と財産の危機管理の責任者ですから、そのような言い訳は通用しません。

平成22年11月19日 福島県報号外第51号別冊 政治団体の収支報告書の要旨