宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

「国民が選挙の主役となる政治文化を」 羽田孜さんの後継者・寺島義幸さんが本会議初登壇

2013年04月12日 14時16分30秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

【2013年4月12日 衆議院本会議】

 民主党唯一の1期生議員である寺島義幸さんが登場。

 小選挙区導入から長野県第3区(上田市など)で連勝していた元首相、羽田孜さんの跡継ぎとして立候補。民主党(前進の新進党を含む)6連勝で、小選挙区当選となりました。58歳。元長野県議会議長。本会議初登場です。

 この日の本会議では、インターネットを解禁する公職選挙法改正法案について、田島要さん・篠原孝さんらの民み案(183衆法1号)と、逢沢一郎さんら自公維3党案(183衆法3号)が当時に議題になりました。

 民み案では、「だれだれ候補に投票してください」という投票依頼のメールを選挙の公示・告示後の選挙運動期間中に、日本国民なら誰でも出せる法案でした。

 自公維案はこれを、候補者と政党だけに限るとする法案です。

 寺島さんは「民み案に賛成し、自公維案には次善の策として賛成する用意もある立場」で登壇して、討論。

 この中で羽田さんの秘書も務めた寺島さんは

 「主権者である国民が主体となった選挙戦が原則であり、つながりのある人に働きかけるというのは選挙運動の原則です。電子メールは現在、広く普及しており、国民の自由な政治参加が認められるため、全面解禁すべきです」

 と演説しました。
 そのうえで

一般有権者が選挙の主役となり、広く国民が参加する熟議の政治文化が当たり前になることを願って討論といたします」と締めくくりました。

 まさに羽田さんが20年間ぶれずに言い続けたことが受け継がれていると感じました。

 
[画像]羽田孜さん。

 そんな衆院国土交通委員の寺島さんですが、野党デビューはしあわせなことです。

【第23回参院選で、私たち有権者はメールでの投票依頼はできず(>_<)、これまで通り、電話、公選はがきで。】

 採決の結果、民み案は賛成少数で否決。その後、自公維案に、「次々回からのメールの全面解禁を検討する」とした修正案が全会一致で可決。参院に送られました。参院では修正案が会期内に成立し、参院選から適用されるのは確実。

 ですから、第23回参院選(7月4日公示、21日投票見通し)では投票依頼メールは政党、候補者しか使えないということになります。そのほか、私たち有権者が「候補者のメールを転送」したり、「アドレスを参考としてメールする」ことの是非については、今後、法律の運用指針がまとまる見通しです。もちろん、電話による投票依頼や、選挙事務所に持っていく「公選はがき(法定はがき)」による投票依頼はこれまでどおりまったく合法。

 今から20年前の「宮沢解散」の直後に新生党を結党し、代表に就任した羽田孜さんは国会議事堂の外では議員バッジをはずしていました。有権者と話すときに「これほど邪魔な物はない」という理由でした。これは新生党の後輩である岡田克也さんも今でも見習っています。

 
 岡田克也さん「バッジをはずすのは、別に国会議員を辞めたいからではございません。基本的に私は、国会の中、議員会館の中以外ではバッジをつけないということを、20年くらいやってきておりますので、今日は忙しすぎてそれを忘れていたということです」(2010年9月17日の与党第1党幹事長就任会見で)。

 政権交代ある二大政党政治は完成したのではなく、始まったばかりだということを心得るべし。

 自立と共生の新生党。

 その栄光と苦難は、これから真価が問われます。

 

[お知らせ1 はじめ]

 「国会傍聴取材支援基金」を設けております。日本唯一の国会傍聴記にご協力ください。

 「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い

 ご協力ください。よろしくお願いします。

[お知らせ1 おわり]

[お知らせ2 はじめ]

 会員制ブログで今後の政治日程とポイントを解説しています。

 今後の政治日程 by 下町の太陽

 最初の1ヶ月は無料で試し読みできます。お気軽にご登録ください。

[お知らせ2 おわり]

[お知らせ3 はじめ]
 このブログは次の各ホームページを参考にし、記事を作成しています。

 最近の法律・条約(内閣法制局ホームページ)
 衆議院議案(衆議院ホームページ) 
 今国会情報(参議院ホームページ)
 予算書・決算書データベース(財務省ホームページ)
 衆議院インターネット審議中継
 参議院インターネット審議中継
 国会会議録検索システム(国立国会図書館ホームページ)
 民主党ニュース(民主党ホームページ)
 goo ニュース

[お知らせ3 おわり]

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もはや「年金王子」でなく「国会戦士」だ 長妻昭・筆頭理事が分科会に異例の登場「生活保護引き下げ」反対

2013年04月12日 11時52分29秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

【衆議院予算委員会 分科会 2013年4月12日(金)】

 平成25年度本予算案審議は、衆院で省庁別の分科会8つが設置され、金曜日、月曜日で審議します。民主党政権時から大臣が答弁するようになり、政権再交代後も今回も大臣が答弁しています。

 この中で、「第5分科会」では、田村厚労相が出席し、厚生労働省関連の歳出について審議。この中で、長妻昭筆頭理事が登場して、質問。野党筆頭理事の分科会登場は極めてまれ。先週の集中審議2回登場に続くモーレツぶりを発揮しました。

 バブル期の「企業戦士、24時間働けますか」時代に、日本電気株式会社(NEC)の営業マンだった長妻さん。これまででは考えられなかった予算委筆頭理事像を示しました。この間も、地元での集会(東京の選挙区)、東京都議選に向けた他選挙区の地方議員の集会での講演などもしていたようです。

 長妻さんは「生活保護の不正受給は取り締まるべきだ」としながら、「全部一緒くたにして、『もらいすぎている』と批判するのは、本当に必要な低所得者世帯のことを考えると問題だ」としました。これに先立ち、かつての「年金兄弟」、今は「生活保護引き下げ阻止兄弟」の山井和則さんは引き下げのことを考えると、「夜も眠れない」と魂の叫びを上げました。第1次与党期に長妻大臣、山井政務官で厚労省に乗り込みました。

 改めてまとめる機会があるかもしれませんが、今回の長妻さんの戦術は「生活保護の生活扶助基準の引き下げ」に論点をしぼって、入り口から出口まで攻めた作戦がよかったと思います。閉会後の8月に「大臣告示」で引き下げが始まります。その直前に第23回参院選(7月21日の見通し)があります。そして、選挙後には、内閣改造や補正予算という話になるでしょう。生活保護費は国が4分の3、自治体が4分の1なので、この年度の途中で補正予算で増額させる手もあるので、このテーマは来週木曜日と思われる衆院採決の後もずっと引っ張れます。

 これは意外に利きますよ。不正受給問題と生活扶助引き下げとの「論理のすりかえ」、それと、アベノミクス(2%物価上昇目標)と生活扶助の算定方法の政治的な矛盾。

 審議拒否戦術から、徹底的審議戦術へ。明らかに野党の予算審査が変わってきました。それだけでも政権交代の成果があったと言えるでしょう。

 年金王子から国会戦士へ。

 3党合意の証人でもある長妻さんは政権再々交代後の岡田内閣の官房長官候補に急浮上してきました。

 tags 田村憲久厚労大臣  


       

[お知らせ1 はじめ]

 「国会傍聴取材支援基金」を設けております。日本唯一の国会傍聴記にご協力ください。

 「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い

 ご協力ください。よろしくお願いします。

[お知らせ1 おわり]

[お知らせ2 はじめ]

 会員制ブログで今後の政治日程とポイントを解説しています。

 今後の政治日程 by 下町の太陽

 最初の1ヶ月は無料で試し読みできます。お気軽にご登録ください。

[お知らせ2 おわり]

[お知らせ3 はじめ]
 このブログは次の各ホームページを参考にし、記事を作成しています。

 最近の法律・条約(内閣法制局ホームページ)
 衆議院議案(衆議院ホームページ) 
 今国会情報(参議院ホームページ)
 予算書・決算書データベース(財務省ホームページ)
 衆議院インターネット審議中継
 参議院インターネット審議中継
 国会会議録検索システム(国立国会図書館ホームページ)
 民主党ニュース(民主党ホームページ)
 goo ニュース

[お知らせ3 おわり]

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする