小泉純一郎首相(兼)自民党総裁=首相官邸ホームページから。
きょう2013年12月13日(金)振込分の年金から支給額が下がります。
これは、昨年解散当日の2012年11月16日(金)に成立し、11月26日(月)に公布された「デフレ特例を解消する改正国民年金法」(平成24年法律99号)にもとづく減額。
坂口力・初代厚生労働大臣が作成した「2004年年金改正法(100年安心プラン)」により、デフレ・スライドが確立しました。これは、物価が下がれば、、保険料も、年金も下げる。これを自動化することで、将来100年間、保険料と年金が、金額は別として、100年間釣り合う、ことをコンピューターでチェック済み。
ところが、坂口大臣の上司の小泉純一郎首相は、このデフレ・スライドの発動を政治判断でストップ。この効果もあり、2005年の総選挙では、一時、岡田克也代表率いる民主党に大勝しました。
この2・5%下げを3年間放置した「デフレ特例」のツケを解消したのが、解散当日に野田内閣が成立させた「デフレ特例水準を解消する改正国民年金法」です。
自民党が平成24年特例公債法を人質にとり、税制抜本改革の3党合意の「近いうち解散」を人質にとられたので、3月成立の予定が11月の解散当日までずれ込んでいました。
昨年11月7日(水)の衆議院内閣委員会。この日はすでに野田佳彦総理は「16日解散」を決めていて、岡田克也副総理と内閣官房長官がそのことを知っていました。
衆議院内閣委員会で、小泉進次郎さんは丁々発止「近いうち解散を守れ、うそつきだ、約束を守れ」と猛攻撃。
岡田さんは答弁で、
「さっきから言いそびれていたんですけれども、年金の2・5%特例水準の是正の問題、これは、我々として、政府として法案を既に国会に出しております。いろいろな理由があって、これはまだ審議されるに至っていないんですが、これこそ私は急いでやるべき話というふうに思うんですね。ぜひ、小泉議員も同じ意見だと思いますが、党の中でも大いに議論していただいて、この国会で成立させることができるようにお願い申し上げたいというふうに思っております」と答弁。
これに対して、小泉進次郎さんは「最後にそういう特例公債(法案)絡みのお願いをされましたが、」と答弁し、(おそらく岡田さんから)「デフレ特例水準だ」とのヤジを受けています。
つまり、父親である小泉首相の「デフレ特例水準」のツケを、野田さんや岡田さんが尻拭いしているのに、小泉進次郎さんは、たんに「特例」と聞いて「特例公債法案」と勘違いしていたのです。
議事録では、「特例公債絡みのお願い」との部分は削除されています。これはおそらく、単に、その場で、小泉さんが言い直したので、議事録に載せなかったのだろうと考えます。
当日の私の傍聴ノートを見た後、衆議院インターネット中継で改めてビデオライブラリを確認したところ、やはり全体の「3時間5分」の部分で、このような勘違いがありました。
小泉純一郎首相と小泉進次郎さんは別人格です。ただ、地盤を世襲して衆議院議員になっていることからも複雑な思いがします。
きょうの年金下げは、すべて小泉大衆迎合政治のツケです。後継者の安倍晋三首相による、インフレ政策のときに来てしまう。負担の先送りは最悪のタイミングがきたときにやってくる。
自由はただではありません。
大いに反省していただきたい。