渡辺恒雄あとつぎ宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

2013年大納会、1万6291円31銭、アベノミクス「住宅ローン妻に内緒で家をプレゼント」とバブルも

2013年12月30日 16時10分37秒 | その他

[写真]2013年大納会に出席した安倍首相=日経CNBCの生中継から。

 2013年12月30日の大納会は、日経平均株価(Nikkei225)が1万6291円31銭、東証株価指数(TOPIX)は1302・29で引けました。

 日本の大引け時点での為替は、1ドルが105円32銭~33銭、1ユーロが144円66銭~70銭。

 4月4日から始まった「2年間でマネーストック2倍」の黒田緩和により、株価が高騰。当初は、バブル特有の日経平均が先に上がる現象が起きましたが、TOPIXも追いかけてきて大納会となりました。

 ただ、大納会当日だというのに上げは100円程度にとどまり、「民主党政権下での日経平均の2倍未満」にとどまったので安堵しています。

 安倍晋三首相(自民党総裁)は、2013年(平成25年)12月30日(月)、東京・兜町の「東京証券取引所」の大納会に出席しました。現役首相の出席は意外にも初めてとのこと。

 首相は、「昨年の今頃は、エコノミストは、アベノミクスで株価は1000円高くなると予想していた。ずいぶんしょぼいじゃないですか、みなさん」と笑わせ、「来年もアベノミクスは買いだ(Buy Abenomics)」と強気のあいさつをしました。

 この後の展開として、ラテンのリズムに乗ったサンバ・ダンサーが100人ぐらいあらわれて、安倍ちゃんを囲んで踊りでも披露するのかと予想していましたが、意外にも堅実なゲストとして、佐藤真海選手が登場。「私は脚を失い、震災にあい、落ち込んでいたが、五輪招致の活動を通じて、ことし自信を取り戻すことができた」とスピーチしました。

 黒田緩和のマネー供給は計画通り進んでおり、日銀に積み上げて夜を超すマネーもようやく一時の100兆円を切り、流通しだしているようです。

 東京の「ベイエリア」と呼ばれる沿岸部に大規模マンションが大量に着工されており、新規住宅着工は「年100万戸ペース」となり、消費者物価も上がり、ようやくデフレから脱却し、マイルドインフレが始まっています。失われ20年の終焉です。

 景気循環の波の一つに、ジュグラー設備循環があり、設備投資需要から10年間で景気が好況、不況を繰り返すという分析があります。

 それでいうと、1985年のプラザ合意から、まもなく30年間となりますので、設備の老朽化とともに、親から子への代がわりによる設備投資というよりも、設備更新好況はしばらく続きそうな気配を感じています。

 そんななか、先週末の読売新聞の投書欄に、こんな他人事ながら心配になってしまう投書が載っていました。この欄は、東北・関東在住者の投稿しか載乗っていないこともあり、東日本版だろうと推測します。

 投書はおおむね、次のような内容です。

 ◇

 「内緒で新居を購入 家族にサプライズ」

 会社員(男性) 46歳 埼玉県川口市。  

 消費税率引き上げの話題で持ちきりだった9月。散歩をしていると、近所で新築一戸建てが売り出されているのを見つけました。年内に賃貸マンションの契約更新を控えていたので、冷やかし半分で見学したのですが、見ているうちにすっかり気に入ってしまいました。妻とは以前から「家が欲しいね」と話していました。11月の結婚記念日のサプライズ・プレゼントにしようと、購入を決めました。内緒で住宅ローンを申込み、引っ越しの段取りもしました。11月、マンションのベランダから買った家を指さして「来週、あの家に引っ越す!」と言うと、家族はさすがに驚きました。妻は放心状態、2人の子供は喜びすぎ泣き出しました。引っ越しは大変でしたが、家族が喜んでくれて、うれしい年の瀬になりました。

 ◇

 との内容です。内緒で住宅ローンと言いますが、底地の名義人が100%夫なのか、夫婦半々にするかという根本は家族観そのものが反映される点です。おそらく100%底地を持ち、債務者も夫が100%なんでしょうが、契約そのものをしていなくても、奥さんは保証人です。詳しい説明はなくても、金融機関は、グループ会社が経営する「団信」という生命保険を、金融機関を受取人として奥さんにもかけているでしょう。それが内緒というのは、まあバブルなんだろうと考えます。

  埼玉県川口市在住の46歳会社員。説明を補うと、川口は京浜東北線で東京駅まで30分という交通至便。そのため、キューポラのある街として知られる町工場は社長が底地をマンションにして、トラックのアクセスの利便性はさほど変わらない三郷市などの近隣自治体に工場を移しているケースが多々あります。つまり、都心から見て、川を渡ったところで、地価はがくんと下がるのですが、家賃は当然安くなるので、都心勤務の会社員にはきわめてお得な土地柄です。 

 多くは申しませんが、この46歳会社員が将来、ハイパーインフレ信者になるでしょう。というより、なる方が自然と考えますよ。また、ボーナスが増えて、繰り上げ返済するという考え方も、ビジネスパートナーである金融機関にとっては将来の不利益になるという対等な契約関係への考え方ももってほしいものです。

 いずれにしろ、内緒で住宅ローンを組むような考え方は、日本的家族観とはいえません。不健全です。ありえないことです。 

 とくに関係ありませんが、2013年は伊勢、神宮参りも流行りました。江戸時代から変わらない日本の姿がここにあります。江戸経済の発達の遺産である「手形」の連帯保証人も、2015年国会で廃止になる可能性が高まっています。

 まあ、とはいえ、大きく動き出した、黒田緩和については、その判断よりも勇気と実行力に脱帽です。 

 ◇

 さて、大納会のさいちゅうに、西武百貨店池袋本店に行ってきました。



 ご覧のように、レストラン街で唯一のイタリア料理店には、廊下まで待っている人がいました。これは午前11時53分。

 高級婦人服、高級紳士服売り場には、昨年比では倍近い人がいましたが、まだまだ好況とはほど遠い。とくに、「ボーナス5%アップ」の恩恵にあずかった人は、いまごろようやく大掃除か、帰省の新幹線・クルマの中。つまりお金はあっても、時間はない。それとあまり横並びで「節約疲れ」という人が高級婦人服売り場にいなくなったんでしょう。ならば、よかった。

 地下1階化粧品売り場には、男性客が増えました。というのは、たいてい化粧品売り場は、女性2人組が多いのですが、きょうは、男女2人組。まあ、買い物も食事も一緒にデートというのが今風のようです。価値観を共有できますよね。ただ、男性1人客がスマホで必死に(おそらく)奥さんに連絡をとっているようで不憫でした、間違えたら後でいろいろ高くつきますから。

 「ディオール」と「シャネル」の両海外ブランドは、美容部員さんにお化粧をしてもらっている女性客が数人ずついて大繁盛。これは好況期の特徴です。

 そして、意外に思うでしょうが、好況期には「資生堂」は相対的に客は減る傾向があります。というのは、資生堂の場合「資生堂」が最高級ブランドなので、逆に不況期には値下げや別ブランドで対応でき、不況に強いのです。それがカネボウとの違い。

 その関係性から言えば、やはり確実に景気は回復しています。私は個人的に好きでない、白衣姿の女性がお肌でアレルギーチェックというものをして、基礎化粧品を売る会社のコーナーもそこそこ人がいました。不況期は閑古鳥だったのに。

 それはさておき、すっぴんで両手に買い物袋、背中にリュックサックという出で立ちの10代の女の子がたぶん人生初めて美容部員さんと話していたようです。すっぴんだろうがなんだろうが、若さがイチバン美しい。ぜひ景気の良いうちに、化粧品の使い方になれて、そこそこきれいになって世に出て、堅実で自立した生活を送り、やがて、民主党に政権交代したときには、子と国の未来のために、民主党支持を周りの数人に呼び掛けられるだけの社会的信用があるすばらしい方になっていただきたいと感じました。

 帰宅後に聞いた、佐藤選手のスピーチとあわせて、自信を持って前に出られる人が増えてよかったです。

 それと、電機(家電、システム家電、重電)は、円安効果があまり見えませんでした。その一点からも、業界再編、産業の新陳代謝は国策としても待ったなし。これは2014年の二大政党および労使双方に課せられた、経済政策・成長戦略・3本目の矢だと考えます。 

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