[写真]参・国家安全保障に関する特別委員会の理事会のようす、参議院第1理事会、2013年11月29日放送のNHKニュース7から撮影。
さて、泣いても笑っても会期末(6日金)の一週間を迎えました。
会員制ブログ「今後の政治日程by下町の太陽・宮崎信行」を更新しました。なお、先月最後、一部古い内容が残ったまま更新してしまい、全体のスケジュール感、構図がゆがんでおりました。おわび申し上げ、今後ともお引き立てのほどよろしくお願いします。
1年前、あの衆院57議席の茫然自失から、よく立ち直れたものだと感じます。
特定秘密保護法案(185閣法9号)は衆院修正によっていびつなものとなり、荷崩れして参議院に送られてきました。
岡田克也さんは、前々から、「与党期における秘密保全法制の必要性」に言及しています。
第45期衆議院で、岡田幹事長・玄葉政調会長・安住国対委員長の「岡田3兄弟」が、3・11とねじれを突破するために第180通常国会で編み出した「衆議院3党修正方式」で排除されたみんなの党。当時から不平不満がありましたが、第46期の議席増で、前のめりに3党修正協議に走り、維新も参画して、「首相は第三者」、「原則60年後に公開」というなんともへんてこりんな衆院修正になりました。
みんな、維新は自制がきかないのでしょう。
このような変な修正は、会期末で審議未了廃案あるべし。
参院NSC特別委(参・国家安全保障に関する特別委員会)では、福山哲郎筆頭理事、芝博一次席理事の「岡田系元官房副長官」がたたかっています。
自民党は会期延長という姑息な手段にはでないでしょう。一方、民主党の5法案についても、国会法改正案まで含まれており、とても1週間で衆参議決・成立はむりでしょう。
そして、今国会は、「成長戦略実行国会」だったはずです。
参院内閣委(水岡俊一委員長=民主党、芝博一筆頭理事)が審査している「国家戦略特区法案」(第185閣法18号)は、衆院でやった参考人質疑も総理入り質疑もしていないのに、残り2定例日です。この法案は、成立後に、自民党税制調査会による減税・免税などの「租税特別措置」の「ハコ」になる法案と想定されます。衆院では、民主党、みんなの党も賛成しています。
もちろん、11月1日(金)に衆院本会議で可決した「消費者の財産被害の集団訴訟の民事訴訟特例法案」(183閣法60号=衆院修正)を仕上げなければ、森まさこ(森雅子)消費者担当大臣は、「本末転倒」のそしりを免れません。
「特区」か「特定秘密」か。
「消費者」か「特定秘密」か。
この2つの選択肢の中で、特定秘密保護法案を採決する等という卑怯な手を、参議院自民党ともあろうものがするわけがありません。もちろん会期延長という姑息な手段をするわけもありません。そして、閉会中審査にすると、来年5月、6月に向けてややこしいことになるので、廃案にして、政府は法案を書きなおした方がいいでしょう。
これはホントウに悪法(案)です。こんなの通しちゃ、参議院の存在意義が問われます。福山さん、芝さんは完全に正しいのだから、とにかく、徹底審議のうえ、審議未了廃案にすることに何のためらいも持つことはありません。そして、自民党の参院議員会長、さらには、脇雅史幹事長は、政府に対して法案提出の遅れを反省させて、来年の通常国会に切り替えていきましょう。
冒頭の写真。理事会が紛糾するようすですが、参議院でしか見られない映像です。参議院では議運をのぞく、すべての理事会で2つ扉の1つを開けっ放しで開くことになっています。衆議院はすべて理事会を閉じています。
さらに参院厚生労働委員会(石井みどり委員長)ではプログラム法案(185閣法2号)が審議入りしたばかりで、衆院から送付された「医薬品インターネット販売解禁法案」(185閣法21号)もギリギリな情勢。
安倍晋三自民党総裁(首相)の強いリーダーシップで「成長戦略実行国会」(2013年6月9日のNHK日曜討論での発言)の原点を貫き通して、税制改正、予算編成をすべし。 綸言汗の如し。
会期不継続の原則は、議会制度750年続く原則です。英国貴族院(参議院)は数年前に権限を制約されましたが、それでも「遅延の府」としておよそ1年1か月ほど、庶民院(衆議院)の決議を法律にすることを遅らせることができます。黄金の3年間、原理原則を守りましょう。