【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

岡田克也、「ISILはイスラム教とは全く関係のない宗教の名を借りたテロリストだ」と断言

2015年02月02日 23時27分34秒 | 岡田克也、旅の途中

 「本当に表現のしようがないというか、怒りのやり場がないというか、本当に残念だし、強い怒りを覚えました」

 岡田克也さんが激怒しました。

 岡田克也さんは、平成27年2015年2月2日(月)夜、かつやNEWSなどメッセージを発信し、前日朝(日本時間)のいわゆるイスラム国、ISILによる後藤健二さん殺害事件について、語りました。

 岡田さんは、「志のある有為な人材を失った悲しみ」と「日本人2人を人質にとって、卑劣なやり方で様々な要求をして、最終的には殺してしまったISILに対する怒り」の2つの感情があるとしました。

 そのうえで、「今回のこの事件を教訓として、我々はいろいろなことを学ばなければならないと思います」とし、「海外にいる日本人の安全について、もちろん個人が気を付けることは大前提ですが、政府、外務省もしっかりとやるべきことをやってもらいたい」と述べ、古巣である政府、外務省に意識向上を呼びかけました。

 国内のテロの危険についても、「1つステージが上がった」と語りました。私は岡田さんがそう言うので、私も気を付けることにしました。

 「今回の事件でもアラブの国々の協力をいただいたのですが、そのことに感謝しながら、例えばこの事件がイスラム教やイスラム教徒の皆さんに対する偏見につながっては決してならない」

 としました。

 岡田さんは元資源エネルギー庁石油部職員ですが、岡田さんの国会事務所長は湾岸戦争前のクウェートに留学歴があるアラビア語学科卒業生だし、元私設秘書も、今まさに中東で働いていて先週現地の新聞に載りました。

 そのうえで、岡田さんは、

 「いわゆる「イスラム国」(ISIL)は、イスラム教とは全く関係のない、宗教の名を借りたテロリストである

 と述べ、ISILは、イスラム教徒はまったく関係の無い、その名を借りた偽物だとの認識を示しました。

 岡田さんの激怒にはじめて触れた人は驚くでしょうが、3年に1度くらい、ここぞとばかりに怒ります。

 マックス・ヴェーバーの「職業としての政治」は、すべての人は「武装」する必要があるとしています。それは「どんな挫折にもめげない固い意思」による「武装」だとしています。そして、そのなかで、「現実の世の中がどんなに愚かであり卑俗で」「どんな事態に直面しても、それにもかからず!と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治が天職だ」としいてます。

 その、「言い切る自信」こそが、きょうの岡田さんの「ISILは、イスラム教とは全く関係のない、宗教の名を借りたテロリストである」との言い切る自信、断言なのです。

[ブログ版、岡田かつやTalk-Aboutから全文引用はじめ] 

○日本人人質事件―痛切な悲しみと強い怒り、教訓から学び、検証を

後藤健二さんが過激派テロ組織、いわゆる「イスラム国」(ISIL)によっ
て殺害されたことが、ほぼ確実になりました。この話は、日曜日の早朝に
電話連絡を受けたのですが、本当に表現のしようがないというか、怒りの
やり場がないというか、本当に残念だし、強い怒りを覚えました。

この件について、いろいろなことが言えると思います。まず、後藤さんと
いう非常に立派なジャーナリスト、子どもたちを通じてアラブの国々を世
界中に紹介してくれた有為な人材、志のある人材を失うことになった悲し
み。そして日本人2人を人質にとって、卑劣なやり方で様々な要求をして、
最終的には殺してしまったISILに対する怒り。

今回のこの事件を教訓として、我々はいろいろなことを学ばなければなら
ないと思います。まずISILが言っている我が国、日本人に対する脅し、こ
れを真に受ける必要はありませんが、しかし今回のこの事件を1つの教訓
として、同じことが繰り返されないために、海外にいる日本人の安全につ
いて、もちろん個人が気を付けることは大前提ですが、政府、外務省もし
っかりとやるべきことをやってもらいたいと思います。

国内のテロ発生の危険も、私は今回の事件の結果として、決して今までと
状況は同じではない、1つステージが上がったと思っています。そのため
にも政府に万全を期してもらいたいと思います。

二度とこういった事件が繰り返されないための検証作業も重要です。今ま
で我々民主党は、日本の中でワンボイス、1つの声でISIL側と対応しなけ
ればならないということで、いろいろなことを言わずに、政府の後押しを
してきました。ただ、やはり検証は重要で、これから国会の場などを通じ
て、我々も検証作業をしていきたいと思います。

政府にはいろいろな情報をなるべく公開してもらい、その上で、同じこと
の繰り返しがなされないような、そういった知恵を出していかなければな
らないと思います。

もう1つ懸念していることは、今回の事件でもアラブの国々の協力をいた
だいたのですが、そのことに感謝しながら、例えばこの事件がイスラム教
やイスラム教徒の皆さんに対する偏見につながっては決してならないと思
います。日本にもたくさんのイスラム教の皆さんがおられます。観光客も
来られます。

このいわゆる「イスラム国」(ISIL)は、イスラム教とは全く関係のない、
宗教の名を借りたテロリストであるということはしっかり認識して、対応
していかなければならないと、そのことをあえて申し上げておきたいと思
います。

[全文引用おわり] 


安倍首相、「防衛駐在官」を2年経って「駐在武官増員したい」と漸進的軍国主義 参・予算委、補正予算案

2015年02月02日 17時20分22秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[画像]答弁する安倍首相、2015年2月2日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【平成27年2015年2月2日(月) 参議院予算委員会 平成26年度補正予算(案)基本的質疑1日目】

 安倍晋三首相(自民党総裁)は漸進的軍国主義なのでしょうか。

 参議院予算委員会で補正予算の審議が始まりました。なお、趣旨説明は前週の財政演説後に、衆・予に続いて、参・予でも済ませてありました。

 安倍首相は、自民党の佐藤正久さんの質問に答えて、シリア・イラク領内の「自称イスラム国」のテロ事件の善後策について、

 「軍人は軍人にしか情報を渡さない。駐在武官の増員も検討したい」と答弁しました。

 安倍首相は、ちょうど2年前の補正予算(自称15か月予算)の参議院予算委員会の質疑(25年2月18日)で、民主党の岩本司さんの質問に答えて、

 「海外では武官と言っております。委員も武官とおっしゃった。しかし、日本では防衛駐在官という言い方をしていますね。なぜかといえば、それは外務省に出向しているからなんですよ」

 として、駐在武官という言い方をたしなめています。

 もちろん、いくら専守防衛で平和主義のわが国だからと言って、駐在武官を防衛駐在官と言い換えることが平和につながるとは思えず、左翼マスコミ、左翼教師対策に過ぎないかもしれません。

 ちなみに、岩本司さんは、日本新党職員から新進党職員、地方議員を経て、福岡県選出参議院議員を務めた「二大政党派」ですが、2013年7月、再選不出馬に追い込まれました。上記の質疑をした時点で、かなり苦しい立場に追い込まれており、上記のテレビ入り質疑がラストチャンスという感がありましたが、反対党党首にいなされた感じでした。残念です。

 質問者が敵味方違うとはいえ、安倍さんの答弁のゆらぎも残念です。

 これに先立ち、自民党の愛知治郎さんは参議院事務総長に質問し、参議院の会派数とその名前を答弁してもらいました。「参議院の院内会派は11個だ」として、会派名を読み上げました。「生活の党と山本太郎と仲間たち」と答弁した際は、かわいた冷笑。

 そのうえで、愛知さんは「二大政党制をめざしたのに11会派もあることを国民は知ってほしい。戦前の財政は二大政党による批判とバラマキ合戦で破綻した。平成6年政治改革4法の成立後に、日本の国債残高は急速に増えている。選挙制度の抜本的見直しが必要ではないか」と語りました。

 安倍首相は「大変大きな角度からご質問をいただいた。衆議院においては小選挙区による民意の集約が進んでいるが、二大政党制には残念ながら、なっていないのではないか」と語りました。公明党への配慮か、「もちろん二大政党制がいいのかという問題もある」と付け加えました。そのうえで、「要はすべては国家国民のためという観点からのぞむべきではないのだろうか」とまとめました。答弁は、選挙区制度改革が衆議院と参議院で切り離すべきだとの考えを示したものです。

 安倍さんは、宮澤解散による、第40回総選挙で初当選した、自民党には珍しい「野党スタート議員」。第1次安倍内閣では、自民党総裁として初めて国会で、「エヌシー(NC)」という言葉を使った憲政史に残る政治家です。最近の安倍さんはNC(民主党次の内閣)という言葉を使いませんが、どうしたんでしょうか。

 安倍さんには、改めて命がけで、初心に戻ってほしいと願います。

 2020年東京オリ・パラでも、それ以降も、テロに狙われない強い国をつくり、かつ守り続けるためには、安倍自民党と岡田民主党の切磋琢磨。この道しかありません。

[国会会議録データベースから引用はじめ]

183 - 参 - 予算委員会 - 2号 

平成25年02月18日

 内閣総理大臣(安倍晋三君) 海外では武官と言っております。委員も武官とおっしゃった。しかし、日本では防衛駐在官という言い方をしていますね。なぜかといえば、それは外務省に出向しているからなんですよ。ほかの国では基本的に軍からそのまま行っていて情報収集等もやっているわけでありまして、それは実は同じではないということは認識をしておく必要があると思いますよ。

 そしてまた、自民党もずっとこの歴史の中で防衛駐在官増やしてこようと思ってきた。それについては根強い反対が国会の中でもあったんですよ。そういう中において一人一人増やしてきたという事実があるということも御理解をいただきたいと思います。こういう中で一生懸命頑張って増やしてきた。
 大変忙しいと思いますよ。そういう中において、冷戦時代とは随分構造も変わりました。しかし、とはいったって、例えばヨーロッパで今ロンドンにも一人であります。ヨーロッパで余っているという状況でもないわけでございまして、この中において、あのような軍部が強い政権において、情報収集においてはやはり防衛駐在官が果たす役割は大きいというのも、それは事実なんだろうと思います。
 ただいま官房長官の下で今般の事案を検証しながら、どう対策をしていくかということについて、そうした駐在官が誰もいない国にどう配分をしていくかということも含めて検討していきたいと思っております。

[引用おわり]