宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

安倍首相、「特定秘密保護法に抵触するかもしれないから答弁しない」首脳間の電話会談について 衆・予算委

2015年02月04日 23時59分59秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

(このエントリーの初投稿日時は2015年2月5日6時30分)

【平成27年2015年2月4日(水) 衆議院予算委員会 集中審議】

 通常国会は、補正予算が成立したのに、当初予算(案)書の印刷が遅れており、8日間の空白期間となりました。

 集中審議が開かれました。

 ISILがヨルダン軍兵士を檻に入れて焼き殺す映像を流し、ヨルダン政府が報復として人質交換予定の死刑囚を夜明けに執行。報復攻撃となりそうです。ただ、すべての暴力の連鎖は、今世紀最初の「9・11テロ」という我々が絶対に許すことができない暴挙から始まっているということは、私たちは片時も忘れてはいけません。

 それはさておき、安倍晋三首相は、今回のISILによる、日本人人質2人殺害をめぐる、外国首脳との電話会談について、維新の党の井出庸生さんから問われました。

 これに対して、安倍首相は、特定秘密保護法(平成25年12月23日法律108号)が先々月に施行されたことから、

 「首脳との電話会談の中身が特定秘密にあたるかもしれないので、答弁は差し控えたい」

 「公になると思ったら、首脳は特定秘密を私に与えない」

 「特定秘密のルールができたのでそれに尽きる」 

 と答弁しました。

 私は、特定秘密保護法を読みましたが、このなかで、「外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針又は内容のうち、国民の生命及び身体の保護、領域の保全その他の安全保障に関する重要なもの」が特定秘密にあたるという解釈なのでしょう。しかし、そもそも首相は適性検査の対象ではないはずです。

 私が首相官邸で、総理番記者をやっていた1997年から1998年にかけては、首相の電話会談、直接会談後は、「番小屋ブリーフ(番ブリ)」と言って、総理事務秘書官(外務省出向者)立ち合いのもと、外務省の担当課の職員が15分程度、内容を説明してくれました。総理が、電話会談が特定秘密になるかもしれないから答弁しないと強調すると、外務省職員はブリーフィング(記者説明)に二の足を踏むでしょう。それに信頼関係がある相手国の首脳とはいえ、援助額などについて一方的な発表をする可能性もあります。

 この首相の答弁はていねいな精査が必要に感じます。

 1月14日に閣議決定済みの平成27年度当初予算(案)は、来週木曜日(2月12日)に印刷・製本され、国会に提出されます。

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