【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

農業土木、森山農相「年0・2兆円増やしたい」、岡田代表「戸別所得補償に充てたい」持続可能な農業

2015年11月01日 20時48分51秒 | 第24回参院選(2016年7月)

[写真]農林水産省、2015年10月、筆者・宮崎信行撮影。

 農業土木について、自民党農政と民主党農政の考え方が際立ってきました。

 新大臣の就任会見についてあまり叩くと官僚主導になりますので、なるべく控えています。

  これは持論の吐露だろうと思いますが、森山農相は就任会見で、農業土木の予算を、年0・2兆円を目安に増やしたい考えを示しました。「年0・2兆円」はおおむね「消費税0・1%分」に相当する巨額です。

 森山農相は次のように語りました。

[農林水産省ウェブサイトから抜粋引用はじめ] 

森山農林水産大臣就任記者会見概要

日時 平成27年10月7日(水曜日)22時39分~23時37分 於:本省会見室

(中略)

あの、まあ、今後がどうなっていくかというのは、まだ分かりませんけれども、来年度予算の概算要求ではかなり積極的な概算の要求をいたしました。これ、できるだけ予算化されるように努力をしなければいけないなあというふうに思っています。ただ、現場の実態を見ますとですね、補修とかなんとかというのは、ちょっとここのところずっと厳しかったものですから、例えば1千万くらいで補修しておけば何のことなかったのに、それができなかったものだから災害でですね、5千万かかった6千万かかったとかというのは結構やっぱり、全国にあるんですね。だから適時適切な補修の予算というのは、やっぱり確保しておくというのは本当に大事なことだなあということを最近改めて思います。だから、事前防災といいますか、その考え方というのは、農業農村整備事業の中でもですね、大事なことではないかなというふうに思っています。ただ、むやみにそこの予算を増やしていいのかと問われますとですね、そこはやはり限度があるんだろうと思います。ただ、我々の政権の時のところまで、まだ戻ってないものですから、そこは2千億ちょっと戻ってませんので、まだそこまでは戻す努力をするということが大事だろうと思います。

(後略)

[抜粋引用おわり]

 農業土木は、土改連(土地改良事業団体連合会)の会長に、二階・自民党総務会長が就任し、第24回参院選で、組織内候補を自民党が公認(内定)しています。 

 森山農相は、自民党第2次与党期の、麻生内閣当時まで戻したいとしています。

 これに対して、民主党の岡田克也代表は、先々週の記者会見で次のように述べました。

[民主党ウェブサイトから引用はじめ]

(前略)

【代表】
 必要な農業土木もありますので、それが悪だとか全く必要ないと言うつもりはないのですが、我々は財政の再建ということも視野に置いて、限られた財源をどう農業に使っていくかということを考えた時に、農業土木の予算を大きく削って、たぶん半分くらいになったと思いますが、そしてそれを先ほどの戸別所得補償に充てるという決断をした。限られた予算の中でどう優先順位をつけていくかということになれば、やはり持続可能な農業をどう作っていくかというところが優先されるべきと考えています。

(後略)

[引用おわり] 

 農業土木の自民党と戸別支払いの民主党。

 農業においても、企業(土建屋)優先の自民党と、国民(農業者・農家)優先の民主党。

 日本農業新聞の農政モニター世論調査では、自民党支持率が凌駕しているとはいえ、農政支持率に限定すると、民主党がトップになっています。2007年参院選では民主党第1党につながりました。それから8年経ち、農業者の「オピニオン・リーダー度」は落ちているとは思います。瑞穂の国の農業は、仮に土俵際の徳俵に残っていると信じていいのならば、民主党農政が優れているのは、火を見るよりも明らかです。そうでないと、日本が潰れます。

このエントリー記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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黒田日銀の追加緩和、実はできないのではないか 平成27年度予算総則が縛る「80兆円」の天井

2015年11月01日 12時39分24秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 黒田東彦総裁率いる日本銀行は、年間80兆円ペースの国債買い取り目標を維持し、追加緩和を見送りました。

 が、平成27年度一般会計予算総則からして、追加緩和は当面できないのではないでしょうか。

 平成27年度の当初予算の一般会計予算書

 そのPDF11ページの、予算総則第6条には新規に発行できる公債(国債)を「60・03兆円まで」としています。PDF17ページの予算総則第8条は「財務省証券と一時借入金は20兆円まで」としています。財務省証券とは、国庫短期証券(短期国債)のことで、一時借入金とは、交付税および譲与税特別会計が、地方交付税を金融機関から前借りしている分です。

 これをあわせると、80兆円となります。

 これは日銀の追加緩和ペース「年間80兆円」と重なる数字です。 

 もちろん、日銀が市中銀行に残存する既発債を購入することはできますが、既にたま切れが近づいています。市場へのメッセージ性も含めて、年80兆円を超えるペースでの国債買い入れは難しいのではないでしょうか。

 今後も早ければ来年1月にも補正されますし、平成28年度予算案の政府原案も作成中です。この一般会計予算総則第6条と第8条の、補正や書き換えがあるかどうか。平成28年2016年の通常国会で、注目したいところです。

このエントリー記事の本文は以上です。
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