【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

安倍首相「TPPで様々な変化に不安な人いる」甘利大臣「国民皆保険への影響全くない」参・予算委

2015年11月11日 17時13分54秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年11月11日(水)参議院予算委員会】

 「TPPをはじめとした現下の政治課題に関する集中審議」が第189回国会の閉会中審査で行われました。 
 
 このうち、高木毅復興大臣のパンツスキャンダルは別エントリー記事にしました。 安倍首相が海自艦艇の乗組員を増やすことを明言したことも別のエントリー記事に仕立てました。

 岸宏一委員長=報道によると来夏引退=が開議。まず、東徹さんの文書提出による理事辞任が発表され、後任は後日決めることになりました。

 TPP条約について、安倍晋三首相(自民党総裁)は「様々な変化があるので不安に思っている人もいると思う。とくに農家などだ。十分に理解できるよう説明していく」と語りました。先月まで閣僚をつとめた、山谷えり子さん(自民党)への答弁。

 公明党の浜田昌良さんに対して、甘利明TPP相(自民党)は「国民皆保険制度が壊れることはまったくありません。社会保障、医療の分野で我が国がどのような制度変更をしてもTPPにより変更を求められることはありません」と語りました。

 TPP条約案を精査してみました。甘利答弁の部分は、第11章「金融サービス」。まず、第11章第1条は、金融サービスの定義について生命保険、医療保険を含むとしています。そのうえで、第11章第2条に、この章は加盟国の財政制度の変更を妨げないという趣旨のことが書いてあります。英語版原文は「This Chapter shall apply to measures adopted or maintained by a Party relating to (a) financial institutions of another Party.」ということで、各国の財政制度の枠組みの中でしか適用できないことになっている、ということだろうと思います。

 TPPは第11章が金融サービス章。第9章は投資章、第10章は国境を越えるサービスの貿易章となっています。第11章は、やたらと「第9章何条を除く」「第10章何条を除く」という記述が多く、どこかに抜け道がないか。あるいは日米2国間の並行協議文書や、見直し条項が入っていないか、今後、検証した方がいいのではないかな、という感想を持ちました。

 日本共産党の紙智子さんは、「横浜税関は人不足で、輸入食品の検査が全体の8%に減ってきており、92%は検査していない」としました。甘利大臣は「サンプル検査で十分だ」としましたが、紙さんは以前より減っていることから、TPP前の対応を求めました。

 片山虎之助さんは「TPPは秘密交渉なので、報道であまり事前に漏れ伝わらなかった。農水省の影響調査はよくやったとは思うが評判は悪い。TPPの全容が分かる前に、TPP対策大綱をつくれるのか」とただしました。甘利大臣は「関税率はまだ数字になっていないものが多い」とし、TPPの全容を文書で提示するのにはまだ時間がかかるとして、理解を求めました。また「東京一極集中が進んでいる」と指摘しましたが、具体的な論争としては、首都機能のバックアップ、多極分散型国土開発など既存の政策を繰り返すにとどまりました。

 次世代の党の中野正志さんは「先日官邸で首相と会った」とし、「消費税10%を延期する考えはないのか」「補正予算案は11兆円規模必要ではないか」との持論を開陳しました。

 きょうの質疑者は、山谷えり子さん、渡辺猛志さん、徳永エリさん、小川敏夫さん、浜田昌良さん、紙智子さん、井上義行さん、アントニオ猪木さん、片山虎之助さん、中野正志さん、渡辺美知太郎さん、福島みずほさん、荒井広幸さん。

このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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「海自艦艇の人数を増やす」と安倍首相が明言 安倍自民党の「軍拡」路線強まる 参・予算委

2015年11月11日 16時58分40秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 安倍首相(自民党総裁)は平成27年2015年11月11日(水)の参議院予算委員会閉会中審査で、

 「自衛隊の定数は変えられないが、スクラップアンドビルドで艦艇の体制を増やす」とし、海上自衛隊の護衛艦「あたご」などの乗組員を増やすことを明言しました。渡辺美知太郎さんへの答弁。

 集団的自衛権を「存立危機事態」として認めた安保法が来年春に施行されることを踏まえた答弁。南シナ海での米艦防護なども念頭にあると思われます。

 中谷防衛相は、閣議決定の「中期防衛力整備計画(中期防)」で、「護衛艦は47隻から54隻に増やすことになっている」と紹介し、「船体のコンパクト化でより少ない人数でも動かせるようにしたい」としました。

 質問した渡辺さんは、以前の旗艦「しらね」と比べて、現在の旗艦「あたご」の定員が100名以上増えていることを指摘。艦艇の定員に占める実際の乗組員の割合である「充足率」について、防衛省経理装備局長は防衛機密で答えられないとしました。これを受けて、渡辺さんは「100%ではない」とし、海上自衛隊が恒常的に充足率割れしていることが浮き彫りになりました。

 安倍首相は、南シナ海南沙諸島での、米軍による「航行の自由作戦」について、「当面は加わらない」と答弁しました。片山虎之助さんの質問に答えました。 

 これとは別に同日朝、NHKは、防衛省が、航空自衛隊主力戦闘機「F15」などに女性自衛官をパイロットとして起用する方針で、近日発表する、と報じました。自衛隊の深刻な人手不足が背景にあるとみられます。 米軍では女性の将官もいますが、これは国防総省ビル内で、後方支援を計画する将官。前線への投入が前提になる「F15」への乗り組みは、おそらく、世界的には異例ではないかと思われます。

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高木毅復興大臣パンツスキャンダル「(被害)女性を知らない」と答弁、他人事ながらだいじょうぶか?

2015年11月11日 14時24分17秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[画像]小川敏夫さん、2015年11月11日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【平成27年2015年11月11日(水)参議院予算委員会】

 予算の執行状況の調査「TPPをはじめ現下の政治課題に関する集中審議」。

 このうち、TPPについては、別エントリーに書きます。

 今秋、参議院民主党幹事長にふたたび就いた小川敏夫さんは、高木毅復興大臣のパンツスキャンダルをただしました。

 小川さんは元検察官。小川さんは、「被害者の女性は知っていますか」と問うと、高木大臣は「女性は知らない」と断言。「家に入った事はありません」とも明言しました。

 被害者(?)の女性は、地域青年団体主催のミスコンテストに出場した銀行員(当時)の女性だとされています。他人事ながら、高木さん「知らない」と断言してだいじょうぶなんでしょうかね。

 小川さんは「なぜ名誉棄損で出版社を訴えないのか」と重ねると、高木大臣は「弁護士と相談していますが、復興を加速するのが私の職責」と語りました。

 小川さんは「訴えるかどうかはあなたが決めることであり、弁護士は仕事でやるだけだ」とし、「私も法務大臣になったとき、週刊誌に事実無根を書かれたが訴えて勝訴した」としました。これは2012年の週刊新潮の元配偶者の有名女優へのDV、週刊文春の弁護士報酬違法請求との報道で、ともに、小川さんが勝訴しており、でっち上げだったことが民事で明らかになっています。

 小川さんは「同じように勝訴するか、身を引くかどちらかにしてほしい」と迫りました。

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