最大野党、民進党の岡田克也さんは、第193通常国会を、「本当にひどい国会だった」と語り、安倍自民党を批判しました。
安倍首相が森友、加計など「建設的議論からかけ離れた」批判に野党が明け暮れたとしていることについて岡田さんは「共謀罪を審議した法務委員会は、まさしく政策論が中心だった」として蓮舫執行部の国会対応を高く評価しました。
第193国会は、今週日曜日に閉会しました。
これとは別に、会期末に三人区選出の参議院議員が民共候補者調整を批判したことについて、岡田筋は「衆議院小選挙区の闘い方が分かっていない」と語り、スケールの小ささを批判しました。 岡田さんのメルマガなどの媒体での発信は以下の通り。
○国会閉会─本当にひどい国会だったが、民進党の役割は大きかった
通常国会が、延長することなく終わりました。本当にひどい国会だったと
思います。
安倍総理は国会閉会後の記者会見で、「建設的議論という言葉からは大き
く懸け離れた批判の応酬に終始してしまった。国民の皆様に大変申し訳な
く感じております」、あるいは、「深く反省しております」と言われまし
た。
しかし、私から見て、共謀罪について議論した法務委員会などは、まさし
く政策論が中心だったと思います。一般市民に適用される可能性はないの
か、「組織的犯罪集団」の定義は何なのか、といった基本的な質問につい
ても、金田大臣は答えられませんでした。
人権を侵害する可能性がある法案だからこそ、しっかりとした答弁を求め
たのですが、残念ながら、有意義な議論にならなかった。その責任は、政
府側にあるという認識に欠けていると思います。
また、安倍総理は、国家戦略特区をめぐる文部科学省の文書について、
「二転三転した形となり、長い時間が掛かることになったが、政府への不
信を招いたことは、率直に認めなければならない」とし、「何か指摘があ
ればその都度、真摯に説明責任を果たしていく」と明言されました。
しかし、まず、文書の存在を否定した最初のいい加減な調査結果に対して、
前事務次官だけではなく、文科省の中からも「文書は存在した」という声
が上がり、取り繕うことができなくなって、慌てて再調査し、事実を認め
たというのが現実ではないでしょうか。
そして、文科省と内閣府で見解が異なっていることが明確になりました。
本当に説明責任を果たしていくというのであれば、もう一度、内閣府で調
査を行うことこそが、説明責任を果たすことになるはずです。口では責任
を果たすと言いながら、現実には、国会を閉じ、証人喚問も行わず、予算
委員会の集中審議も行わず、時間が経てば国民は忘れると思っているとし
か思えない。非常に残念なことです。
国会は閉会中ですが、今後、森友問題、加計問題、そして共謀罪について、
しっかりと問題を指摘し、引き続き事実を明らかにする努力を続けなけれ
ばならない、改めてそう感じています。
なお、安倍総理は、「今国会では、60本以上の法案が成立した」と述べ
られました。正確に言いますと、この国会で成立した法案は67本。そし
て、その中の78%にあたる58本は、熟議の上、民進党も賛成し、成立
しています。
成立した法案の中には、天皇陛下の退位に関する法律もあります。まさし
くこれは、国会の中で、衆参議長・副議長が中心になって、与野党の枠を
超えて成し遂げられたもので、国会の歴史に残る偉業だと思います。
そういう意味では、この国会は、様々な問題について政府が説明責任を果
たさず、解決されないまま残された、ひどい国会だっただけではなく、や
るべきことはかなりなされた。その中において、民進党の役割は大きかっ
たということを、ぜひ皆さんにもご理解いただきたいと思います。