[写真]参議院の本会議や予算、決算、議院運営、財政金融各委員会が開かれる「本館」(左)と、法務委員会、厚生労働委員会などほとんどの委員会・調査会が開かれる「分館」(右)、2017年5月、筆者宮崎信行撮影。
第193回通常国会は、大幅な延長はなく閉会する見通しとなりました。7月2日の都議選後、二大政党の党首選も予定されておらず、9月頃内閣改造。とくだんの補正予算案編成の動きもなく。衆院側で選挙が強い人は、この夏は、視察「など」で海外にでも行こうという予定を立て始めているでしょう。ただ、嵐の前の静けさで、ある日突然、内外局面が混乱する気配があります。
【衆議院法務委員会 平成29年2017年6月6日(火)】
「性犯罪等の量刑を引き上げ強制性交等罪などを設ける、刑法改正案」(193閣法47号)が金田法相から趣旨説明されました。理事会では、与党が次回の7時間コース審議、野党が参考人質疑を要求。この法案ですが、「私たち女性は110年待った」という煽り方をしている人がありますが、あくまでも量刑の見直しで、法定刑の上限を引き上げる内容。レイプに会った男性が「待った」というのはあり得ますが、基本的には、採決までにいたれば、ほぼ全会一致に近い意思をとなるんだろうと思います。成立した場合、公布から20日後に施行。
【参議院法務委員会】
前日、秋野公造法務委員長が、共謀罪法案の審議のために、職権で委員会を設定。けさから理事会で協議しましたが、折り合わず、やむなく、民進党が委員長解任決議案を、本会議に提出しました。あすの本会議で審議されます。きょうの委員会は昼前後にとりやめとなりました。
【参議院内閣委員会】
これまで「特区法改正案」と書いてきましたが、きょうから、「国家戦略特区法及び構造改革特区法改正案」(193閣法54号)と表記することにします。質疑があり、次回も質疑することになりました。
【参議院総務委員会】
一般質疑の後、「電子委任状促進法案」(193閣法46号)が趣旨説明されました。閣法としては最後の議案になります。
【参議院外交防衛委員会】
「日印原子力協定の承認案」(193条約3号)が、民進党・共産党・維新・沖縄の風の反対、自民党・公明党の賛成多数で、「承認すべし」となりました。この後、特に、全会派でまとめた案文を、民進党の大野元裕さんが朗読。「インドが未臨界核実験をしたら、条約第14条にもとづき、速やかに核協力を止めるよう、政府に強く求める」としました。与党も加わって、「強く」求めるという決議が採択されました。
この後、「日本ケニア投資協定の承認案」(193条約11号)、「日本イスラエル投資協定の承認案」(193条約12号)の2本が、岸田外相から趣旨説明されました。この2本は、衆議院段階で共産党が反対しています。質疑は次回。定例日は残り3回。
このほか、衆議院では上記2本と一括審議された「日本スロバキア社会保障協定」(193条約13号)「日本チェコ社会保障協定」(193条約14号)は、審議入りせず。ただ、衆議院では全会一致でしたので、会期内に承認されるとみられます。
●参議院財政金融委員会は開かれませんでした。
●参議院文教科学委員会は開かれず。衆側から議員立法が1本回ってきていますが、きょうはありませんでした。
【参議院厚生労働委員会】
「医療法など一括改正法案」(193閣法57号)の質疑があり、全会一致で可決すべし、となりました。。
この後、一般質疑。
最後に、「厚労省設置法を改正して、医務技監を設ける法案」(193閣法16号)が趣旨説明されました。大臣によると「iPSなどゲノム医療などの発展により」医務技監が必要だとのことで、そう言われればそうなのかもしれないな、という感じです。
ところで、一般質疑の中で、厚労省がブラック企業ではないかとの指摘がありました。橋本岳副大臣が「質問主意書が多い」などとしました。たしかにそうだと思います。厚労省は純増が必要です。ただ、次官級ポストを1つ新設する法案の審議入りという流れは、なかなか深い気がします。雇用維持のうえ、政権交代してシンプル化が一番良いと思うんですがね。
【参議院農林水産委員会】
「畜産物価格安定法改正案」(193閣法40号)の参考人質疑だけがありました。
【参議院経済産業委員会】
「信用保証法改正案」(193閣法31号)が共反対、自公民維賛成多数で可決しました。
【参議院国土交通委員会】
「住宅宿泊事業法案」(193閣法61号)とは趣旨説明され、ただちに与野党とも質疑しました。
【参議院環境委員会】
「廃棄物処理法改正案」(193閣法62号)、「バーゼル法改正案」(193閣法63号)、「環境省福島地方環境事務所の承認案」(193承認2号)の参考人質疑がありました。
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