[写真]経済産業省を背にする宮崎信行、今月2018年8月、筆者・宮崎信行撮影。
経済産業省も、いいかげんにしろ!といったところです。
先の通常国会で、「生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律」が成立しました。この国会傍聴記で気づいていなかったので「法律の執行状況」のカテゴリーで書きますが、なんとこの法律の中で、官民ファンドに出資する官民ファンドの法律が成立していました。
これは「株式会社産業革新機構」を改組して発足する「株式会社産業革新投資機構」。名前が似ているのですが、今度は、官民ファンドにも出資できる、ファンド・オブ・ファンドのようです。経産省がきょう財務省に提出した平成31年度概算要求で、財政投融資から1600億円をひっぱりたい、と要求しました。
第196回通常国会の平成30年4月10日(火)の衆議院経済産業委員会では、立憲民主党の落合貴之さんが
「ファンド・オブ・ファンド(ファンド・オブ・ファンズ)といっても、民間のファンドに投資をするのではなくて、ここに書いてある、二分の一以上政府が出資しているファンドに対して出資をすることができると。要は、政府系ファンドに対して出資をすることができるようになるわけでございます。 政府系ファンドというのは、経済産業系のクールジャパン機構ですとかそういうのもありますし、あと、国土交通省ですとか総務省の所管のファンドもあると思うんですが、これは、所管を超えて出資をして、しかも産業革新投資機構が口も出せるようになる、それを所管している経済産業大臣も、他省庁の管轄しているファンドに出資をしたら口も出せるという解釈でよろしいんですね」
と指摘し、経済産業大臣が答弁で認めています。
ファンドだから失敗してもいいのですが、経済産業省から出向した官僚の失敗の穴埋めに財投を使われたら困ります。また、ファンドを2つ通すことで、私のような記者や、野党議員などがその流れをおさえて検証することが難しくなります。
産業革新機構にしても、淘汰されるべき企業を救済してきました。
これは、もう経産省から出向して「初めて株式会社で働ける」と意気込んだ若手官僚がくさっている姿が目に浮かぶので、いい加減にしろ、の吹き出しつきの写真を堂々と載せてしまいました。
どうしてもやるんなら、「雇用保険給付金の割り増しファンド」でもつくって、企業の淘汰による雇用の流動化を支援して、一人ひとりが幸せを見つめ直す機会でもつくってほしいものです。
このエントリーの本文記事は以上です。
[お知らせはじめ]
宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。
このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
衆議院インターネット審議中継(衆議院TV) 参議院インターネット審議中継 国会会議録検索システム(国立国会図書館) 衆議院議案(衆議院事務局) 今国会情報(参議院事務局) 各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク) 政党インターネット資料収集保存事業 「WARP」(国立国会図書館) 予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト) インターネット版官報
[お知らせおわり]
tags
(C)2018年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki 2018