宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

明日から臨時国会ですが、薬機法改正案と、血液法改正案の審議は、厚労省内で12月大詰めへ

2018年10月23日 16時27分44秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

 あすから臨時国会ですが、薬局経営者や、iPSの関係者は、国会よりも厚生労働省内の審議会の議論が気になりそうです。

 5年前の臨時国会では、「特定秘密保護法」の審議をめぐって、私がやっていたツイッターを見ていただいたりして、真冬の様相を呈した国会議事堂を深夜、十重二十重に国民が取り巻き、警察官僚出身の小野次郎議員(当時)が反対討論に立つという、新しいデモクラシーの萌芽がありました。

 で、そのとき、参議院では野党がやむなく欠席戦術に出ていた法律が、「薬機法」です。法律番号は「平成二五年一一月二七日法律第八四号」です。この改正法律で、法律のタイトルが「薬事法」から「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に変わりました。

 で、その改正法律の附則66条は、「政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況を勘案し、必要があると認めるときは、当該規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」としています。

 いわゆる「5年後見直し規定」で、政権再交代からねじれ国会にかけて、中根康浩・衆議院議員(当時民主党)らを中心に、採決前に与野党で、「5年後見直し規定」を入れるのがはやりました。ただし、薬機法については、政府が初めから原案に入れて提出したものです。中根さんらは、5年後は与党で見直したかったかもしれませんが、緊張感の無い議会構成のまま5年後を迎えました。

 平成25年改正法律は、束ね法で、「血液法」(安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律)の改正条項も入っていました。なので、血液法も5年後見直し規定の対象となりました。

  このため厚生労働省は、薬機法は「厚生科学審議会 医薬品医療機器制度部会」で、血液法は「薬事・食品衛生審議会薬事分科会」で、別々の教授らが見直しをしてきました。

 この結果、薬機法では、網羅的な改正に加えて、「かかりつけ薬局」「健康サポート薬局」に加えて「高度薬学的管理機能薬局」を儲けて、抗がん剤などの高度な経験知識が必要な薬局をつくろう、という議論が大詰めを迎えています。

 「血液法」に関しては、献血を基につくった血液製剤ではなく、iPSに限って、直接採血して血液製造をつくることができる、内閣官房ひと・まち・しごと・創生事務局が原案を執筆した、改正国家戦略特区法を、全国に広げる法改正となります。厚労省内で法案執筆の準備が始まっています。

 ともに、来年の第198回通常国会で、3月上旬までに提出されるはこびですが、束ね法案になるかどうかは未定。

 いまだにもりかけが収まらないうちに、「iPS特区」が全国に広がるわけですが、さすがにこれは異論は無さそう。「高度薬学的管理機能薬局」となると、街の薬剤師さんでは手が出ない、ロビー活動がしやすい大手薬局チェーンが有利だという気がします。

 このほか、「女性活躍推進法」も5年後見直し規定で、見直しが進んでおり、法改正が必要かどうかも含めて12月にまとまる見通し。

 さらに重要な、「平成31年度予算案」や、「平成31年度所得税法など国税税制改正大綱」「同地方税法など地方税制改正大綱」なども再来月12月までに国会外で決まることになります。

 これらは臨時国会に法案として議題にはなりませんが、衆参の各委員会は、一般質疑のなかで、国政調査として各委員が省に質問することができます。

このエントリーの本文記事は以上です。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV) 参議院インターネット審議中継 国会会議録検索システム(国立国会図書館) 衆議院議案(衆議院事務局) 今国会情報(参議院事務局) 各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク) 政党インターネット資料収集保存事業 「WARP」(国立国会図書館) 予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト) インターネット版官報

[お知らせおわり]

tags 

(C)2018年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki 2018


臨時国会に会計検査院の検査官の国会同意人事案を提出へ、森友土地で参議院に不誠実報告の前院長が新卒から42年半勤めて定年退職

2018年10月23日 06時29分24秒 | 第197回臨時国会2018年12月までの「定例日無視延長なしのひどい国会」」

[写真]文部科学省と会計検査院、東京都千代田区霞が関、先月撮影、宮崎信行が赤線を加筆。

 会計検査院の院長だった、河戸光彦さんは1953年10月23日生まれ、ということで、きのうをもって会計検査院を定年退職しました。

 これにより、あす召集の第197回臨時国会に「検査官の国会同意人事」が提出される見通しとなりました。検査官は3人で、そのうち1人が会計検査院長に選ばれます。河戸さんは昭和51年1976年4月から42年半、会計検査院につとめたようですが、後任は、検査院新卒採用者ではない人から選ばれると思われます。

 上の写真は、文部科学省と会計検査院のビルで、文科省は赤煉瓦風の旧館から新館の19階まで入居。ビルの21階から32階までは検査院が入っています。学校法人森友学園特区では文科省の一部官僚が気を吐きましたが、国会法56条による参議院の要求に対する検査院の不誠実な対応と合わせて、「国賊2官庁」という感じもしますが、院長交代を契機に、信頼回復につとめてほしいところです。

このエントリーの本文記事は以上です。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV) 参議院インターネット審議中継 国会会議録検索システム(国立国会図書館) 衆議院議案(衆議院事務局) 今国会情報(参議院事務局) 各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク) 政党インターネット資料収集保存事業 「WARP」(国立国会図書館) 予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト) インターネット版官報

[お知らせおわり]

tags 

(C)2018年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki 2018