【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

岡田克也・無所属の会代表「沖縄は政権の前知事に対する強引な仕打ちへの不信感が積もり積もった選挙結果」「中村喜四郎さんの地元・茨城県議選は皆で中村派の応援に行く」

2018年10月24日 20時34分52秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]岡田克也代表、3年前の2015年、東京・千代田区内で、宮崎信行撮影。

 衆議院会派で野党第3勢力「無所属の会」の岡田克也代表は、臨時国会開幕を受けて、衆議院議員会館内で記者会見を行いました。

 安倍晋三首相の所信表明演説の感想を「薄味で中身が無かった」と切り捨てました。

 岡田代表は「きょうの会派総会では、辺野古移転の政府のやり方はあまりにも強引で到底認められないとの考えで一致した」と述べ、玉城デニーさんが圧勝した知事選など沖縄県内首長選の選挙結果について「安倍政権の知事らに対する仕打ちへの不信感が積もり積もった選挙結果だ」との認識を共有したことを明らかにしました。

 無所属の会は、所属議員のみの「会派総会」を閉会中も含めて運営を議論しており、本会議15分前の代議士会は、無所属ならだれでも参加して本会議の事前情報を得られる場と位置付けています。きょう、平成30年2018年10月24日(水)も代議士会に先立ち、会派総会が開かれました。

 岡田さんは与党時に「唯一の選択肢だ」と辺野古崎沖移転を進めていましたが、「当時の判断だ」とし、米海兵隊がグアムに移転するのが本筋だとしました。

 今国会注目の「入国管理法改正案」(197閣法 号)について、「首相も時間をとって議論すべきだ」とし、重要広範議案に指定すべきだとの会派の意向を強調。そのうえで、「リーマンショックのときに、日系人の人がたくさんくびをきられて母国に帰った。このとき、子供の教育の問題があったと思う。義務教育でないので、小学校中学校にいかなくてもいい子供たちで、日本語しか話せないのに、母国に帰って、おそらく就職できなかった子供もいる。本人の教育にツケが回ってくる」と話し、移民政策をとる場合は、入国管理法だけでなく、義務教育の議論もすべきだとの見解を示しました。岡田さんは言及しませんでしたが、地元の工業・商業都市、四日市の実情を反映した発言と思われます。

 会派員で、経世会(旧竹下派)の先輩である、中村喜四郎さん(茨城7区、当選14回)の地元、茨城県で、11月30日(金)告示、12月9日(日)投開票の茨城県議選について、「皆で応援しに行く」と語りました。「中村派」の候補者たちを、他野党の推薦状況を念頭に置きながらも、会派として応援する考え。

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第197回臨時国会召集、12月10日まで 与野党新布陣で来夏の参院選へ

2018年10月24日 15時28分02秒 | 第197回臨時国会2018年12月までの「定例日無視延長なしのひどい国会」」

 第197回臨時国会が召集されました。既に陳腐な表現となりつつありますが「平成最後の秋の臨時国会」。但し、大型テーマがあるわけではなく、方向感が乏しいスタート。政権再交代後の首相は毎夏、友好団体のスピーチで「秋の臨時国会は好循環実現国会です」というように、事前に設定するプロパガンダをしてきましたが、今回はありません。大臣・国会・党、衆参与野党とも新布陣となり、この顔触れで、参院選に突入することになります。自民党両院単独過半数国会の3年目で、初めて何が起こるか分からない状態になった気はします。

【参議院本会議第1ラウンド 平成30年2018年10月24日(水)】

 本会議の「第1ラウンド」「第2ラウンド」という表現は法令の定めはありませんが、国対の現場では一般的に使われている表現です。

 第1ラウンドは午前10時頃からおよそ5分間。

 入閣した前任者にかわって、議院運営委員長に、自民党の末松信介さんが選ばれました。

 まず、経済産業委員長には、国民民主党の浜野喜文さんが続投。

 そして、他の委員長の選挙がありました。石井正弘・内閣委員長、秋野公造・総務委員長、公明党が半世紀以上独占している法務委員長には、国対・農水畑の横山信一さんが就任。今国会3つ案件がある主要ポストの外交防衛委員長には「ワタミ」の渡辺美樹さん。財務金融委員長には中西健治さん。「学校法人」が問題になっている文教科学委員長には元政務官で学校法人職員出身の上野通子さん。厚生労働委員長は、やはり厚労族で看護師会の石田昌宏さん。農林水産委員長は堂故茂さん。国土交通委員長は元大臣の羽田雄一郎さん(参議院長野選挙区公認)。環境委員長には那谷屋正義さん。日教組出身で国対委員長でしたが、環境委員長になり、なんらかの「更迭」人事だと考えられます。決算委員長には石井みどりさん(歯科医師会=不出馬の見通し)、行政監視委員長には前環境大臣で元議運委員長の中川雅治さんがつきました。

【参議院特別委員会 同日】

 前国会と同じ構成で、続投も含めて、山本博司・災害対策特別委員長、石橋通宏・沖縄北方特別委員長、渡辺猛之・倫理選挙特別委員長、山谷えり子・拉致問題特別委員長。そして、参議院だけに設置されている、ODA特別委員長には、前大臣で元議運委員長の、松山政司さんが互選されました。消費者問題特別委員長には、宮沢洋一さんが就任。これは、自民党税制調査会長に、公用車をあてがおうという配慮もあると考えられ、自民党も貧しくなったものだな、と想像します。復興特別委員長には徳永エリさんが再び、互選されました。

【衆議院本会議第1ラウンド 同日】

 議事進行係は日大卒で元産経新聞記者の、自民党の星野剛士さんが就任。

 まず会期は、12月10日(月)までの48日間とすることを、全会一致で決めました。

 議院運営委員長には、女性で初めて高市早苗さんが就任。内閣委員長は牧原秀樹さん、総務委員長は江田康幸さん、法務委員長は元副大臣・元国対副委員長の葉梨康弘さん、外務委員長は若宮健嗣さん、財務金融委員長は坂井学さん、文教科学委員長は亀岡偉民さん、厚生労働委員長は、富岡勉さんが文科委員長から横滑りしましたので国対を重視した人事だと考えられます。農林水産委員長は武藤容治さん、経済産業委員長は赤羽一嘉さん、国土交通委員長は谷公一さん。谷さんは先月の自民党総裁選で造反したとみられており、過去に国交委員長をやっていることから、新しい実績にならない、過去に経験したポストをあてがわれた報復人事と考えられます。環境委員長は秋葉賢也さん、安全保障委員長は「集団的自衛権」をすすめた岸信介元首相の孫である岸信夫さん。予算委員長には女性で初めての野田聖子さん。野田さんは若手時代は自民党内小派閥で干されていましたが、総理と同じ期数になってポストに恵まれてきた印象です。決算行政監視委員長は、海江田万里さん。その他の懲罰など常任委員長は続投。

 情報監視審査会委員の選挙は起立採決となり、反対者が出ました。

 特別委員会の中では、地方創生特別委員会の設置だけ起立採決となり、反対がありながらも設置されました。反対政党も委員名簿はすぐに出したようです。

【衆議院特別委員会 同日】

 各々互選で、続投も含めて、望月義夫災害対策特別委員長、山口俊一政治倫理・公職選挙法改正特別委員長、末松義規・沖縄北方特別委員長、山口壮・拉致問題特別委員長、法案審議が見込まれる消費者問題特別委員長は土屋品子さん、古本伸一郎・科学技術イノベーション推進特別委員長、古川禎久・復興特別委員長、高木毅・原子力問題調査特別委員長が互選されました。設置が多数決となった、地方創生特別委員長は、国対畑の松野博一さんが互選されました。情報監視審査会の会長には浜田靖一・元防衛大臣がつきました。

【衆議院本会議第2ラウンド 同日】
【参議院本会議第2ラウンド 同日】

 安倍晋三首相の所信表明演説と、麻生太郎財務大臣の財政演説がありました。首相外遊のため、代表質問は来週です。

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