宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【2/19】籠池実刑、岩田教授コロナ船内情告発、人事院給与局長「法相の嘘に付き合わされて」野党一時退席で今日明日総攻撃、和泉補佐官のスーチー国家顧問面会になぜか大坪審議官が同行竹本大臣かばう

2020年02月19日 20時32分01秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[写真]人事院、先週2020年2月14日、宮崎信行撮影。

●籠池さん実刑

 籠池さんが懲役5年の実刑となりました。控訴するかどうかは未詳。補助金詐欺で巨額ですから外形的な犯罪事実が大きくなりますので、妥当な判決でしょう。しかし釈然としないものがあります。

【衆議院財務金融委員会理事懇談会 令和2年2020年2月19日(水)】

 財金は、火、水、金曜日が定例日とされていますが、主に水曜日に開かれることが多いようです。きょうは委員会は無く理事懇談会がありました。3年前の2月15日には国会で初めて「森友学園」が出ました。それより速いペースで、既に「所得税法など改正案」(201閣法3号)が審議に入っています。おそらく予算委が中央公聴会になる金曜日に麻生大臣が入って法案審議があるのでしょう。

【衆議院予算委員会 同日】

 「令和2年度予算案」の審議では13日目で、そのうち一般的質疑5日目です。

 まず、政府参考人の出席で、大塚内閣府官房長ら5名ほどが採決され、与党の賛成多数で登録されました。野党が北村誠吾大臣に答弁させようとしたのに対して、与党が政府参考人に答弁させようと対抗したものと思われます。

 きょうも自民党は3期生が中心で、秋本真利さんは政務官時代に国土交通省の1500本の電灯が再エネかどうか調べさせたとし、その後調べたらあまり導入されていないとしました。埼玉7区の神山佐市さんは歯科を検診に含めるべきだなどと問いましたが、原稿を読み上げるのがたどたどしいばかりでなく、漢字を読み飛ばすことも多くあり、視覚になんらかの異常があるのかもしれません。

 野党会派の山井和則さんは、前半は桜を見る会、後半は新型コロナウイルス
。前日、森山裕・自民党国対委員長がANAインターコンチネンタルホテルのしかるべき人が自民党本部を訪れていた、とする記者会見内容があるとして、しめつけだと批判。昨夜、YouTubeに上がった岩田・神戸大学教授の動画について。半日足らずで、山井さん、大西健介さんらが取り上げ、CNN、BBC、NHKなど各媒体や官房長官会見などでも大きな話題となりました。ダイヤモンド・プリンセス号にいた橋本岳・厚生労働副大臣のTwitterでの反論も出てきました。

 山尾志桜里さん。黒川弘務・東京高検検事長の検事総長含みでの定年延長について。山尾さんは改めて、一般法である国家公務員法による定年延長は特別法である検察庁法に当てはまらないとする過去の国会答弁に矛盾しているとの指摘。森まさこ法相は「国公法と検察庁法の解釈変更については内閣法制局と協議し、その後、1月22日から24日まで人事院と協議し、問題ないとのことだった」とし「1月24日」に解釈を変更したと答弁。山尾さんはならなぜ、前回の指摘時に、そう答弁しなかったかと追及。人事院の松尾給与局長は黒川氏の事案だけに限ったものだとの認識で、昭和答弁から現在まで解釈変更の議論がなかったという意味ではない、としました。山尾さんに促されて松尾局長は国会議事録の修正を求めました。

 しかし、その後、答弁が二転三転し、紛糾。再答弁ができない状態となり、整理のために委員長が速記を止めました。場内協議に納得しなかった野党は、退席。このやりとりでは、野党議員からも「法務大臣の嘘に付き合わされる人事院もかわいそうだよ」との野次が飛びました。

 ちなみに、松尾給与局長は早稲田大学法学部卒の昭和59年人事院入省。大塚・内閣府官房長は早稲田大学政治経済学部卒で、霞が関の局長に早大卒が突然増え出しましたが、今でも、非東大の局長は煮え湯を飲まされることが多いようです。

 これに先立ち、竹本直一・内閣府担当大臣は、ミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問と和泉洋人首相補佐官との面会に、大坪寛子・内閣官房審議官が同席していたことを認めました。なぜミャンマー国家顧問に会うための外遊に大坪審議官が同行していたのかについて、2人がクルマの後部座席で打ち合わせをする必要があったためとの趣旨の答弁をしました。

 こちらは部下の和泉洋人補佐官を守るために大臣が要領を得ない答弁をする格好となっています。建設省の後輩の和泉さんが国会に出ず、建設省の先輩の竹本大臣が原稿を読みながら守るかっこうとなりましたが、いつまで続くか。

 「カジノ」「中東」「河井夫妻」などの話はなかったと思います。あすも午前9時から。

【参議院国民生活・経済に関する調査会 同日】

 ヒアリング。

【参議院資源・エネルギーに関する調査会 同日】 

 更田・原子力規制委員長らに対する質疑。

【あすの予定】

 衆議院予算委員会は一般質疑で一連の追及が頂点を迎えます。衆議院総務委員会では「地方税法改正案」(201閣法6号)と「地方交付税及び地方財政法など改正案」(201閣法7号)。参議院は無し。

【法案提出 きのう】

「特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案 」(201閣法22号)「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案 」(201閣法23号)が提出されました。

 201閣法22号とは別に後日「乗り合いバス合併の独禁法特例法案」が出ます。

 201閣法23号は「GAFA新法構想」と報じられてきましたが、今回の法案は情報開示を求める限定的な内容だとの指摘もあり、今後精査してみます。また、報道によると、3月上旬提出予定の「種苗法改正案」と「家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律案」の2本が自民党政務調査会の農林部会を通ったようです。

 以上です。
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