ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【2/25】早稲田夕季さん年次税制改正法案でおそらく女性で初質問、国土交通分科会で松原仁さん羽田新ルート「想定の8倍がある」に赤羽一嘉・国交相「私の母校」「にわかに良い答えできない」

2020年02月25日 21時48分44秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[写真]国会議事堂、3年前(2017年5月)、宮崎信行撮影。

 まず自分の話をさせていただきますが、13年ぶりの第二弾。貸工場がほぼ完成。大手賃貸サイトでみると、山手線徒歩圏内の貸工場は、2020年春シーズン唯一の物件のようです。先々月から1200万円を投じて今月完成。自信作です。

 3連休明けの、2月25日(火)。予算委は国会クラスタ歓喜の分科会。財金委では年次税制改正法案の審査。衆議院は女性が1割ですが、立憲民主党の早稲田夕季さんがおそらく憲政史上で初めて、女性委員が年次税法審議の質問に立ちました。

【衆議院財務金融委員会 令和2年2020年2月25日(火)】

 「令和2年所得税法など改正案」(201閣法3号)は3日目。

 立憲民主党から早稲田夕季さんが登場。自民党系の人はご存じないでしょうが、「鎌倉民社」という半世紀以上にわたって国政・県政・市政で途切れのない「鎌倉民社」という系譜。早稲田さんを擁立した県連代表なり、県議の同僚なりは、正直嫌になるくらい何人も知っているんですが、鎌倉日仏協会という団体の女性専務理事の娘さんが、たくさん国税を払う会社につとめていて、政治とは縁遠い会社員も「家族ぐるみで鎌倉市議時代から応援してきた早稲田さんが初めて代議士になってうれしい」とのこと。気になる存在です。

 早稲田さんは「10ー12月期のGDPは想定以内のマイナスで、私は消費増税が冷え込ませたと考えている」とし「私は消費税は10%から減税すべきだと考えている」と、きょう現在の枝野幸男代表やブレーンの田中信一郎教授らとは違った認識を示しました。知事経験のある立憲中堅議員が消費税の勉強会をやっていますが、立憲内の分裂につながりかねない情報は省きましょう。

 早稲田さんは「直間比率の是正。平成元年は7対3。令和元年は6対4だ」と直接税の比率が下がっていることを指摘し、「直接税の中でも、所得税は21・4兆円から19・1兆円に減ったが、法人税は19兆円から11・7兆円へと大幅に減った」としました。法人税に関しては累進税率の導入を求めましたが、これははねのけられしました。

 枝野代表の東北大学同級で側近とみられていた青山雅幸さん(1期)は維新の会派に入り、質問しました。

 衆議院での男女比は、9対1となっています。そのうち「財金」はそれ以上に女性の比率が少ない傾向があります。14年前に佐藤ゆかりさん(現在は参院に転出)が「金融商品取引法改正案」の審査で質問。かつて、阿部知子さん、とかしきなおみさん、牧島かれんさん、井澤京子さんらが財金委で質問していますが、すべて一般質疑でした。谷垣、尾身、額賀各財務大臣、柳澤金融大臣らへの一般質疑で、とかしきさんは「詳しくない国民代表として質問する」としていました。昨今の年次税制改正は配偶者控除や寡婦控除など所得控除が話題ですので、女性で税法の質問ができる人材は自民党も立憲も早期に育てないといけません。

 次回の審議は未定。今週の予算案委員会通過とともに、採決に進むと考えられます。楽天モバイルへの法人税優遇を疑問視する向きもあります。

【衆議院予算委員会 同日】

 「令和2年度予算案」の審議は16日目。分科会はきょう一日です。

 第二分科会では午前8時の開始とともに、委員席に座っている棚橋泰文予算委員長に他の議員から罵声が上がり、小倉将紀主査が注意しました。

 第一分科会では、自民党の杉田水脈さんが質疑を通じて辻元清美さんを批判。関西生コン労組の延べ逮捕者は八十数名に上るとの答弁を得ました。「鯛は頭から腐る」についてはそのようなことわざはなく「魚は頭から腐る」であり、ロシアのことわざだとしました。杉田さんは「世界を旅して、ロシアに影響されたのか」と社民党出身であることを揶揄し、「そもそも魚は腹から腐る」との主張を続けました。

 第一では、本多平直さんの質問に対して今井絵理子内閣府政務官は「和泉洋人首相補佐官が官邸で倒れたのは2018年(平成30年)10月で、数日入院した」と答弁。本多さんは同年に4回海外出張しているのは違和感があると、その場にいた菅義偉・官房長官に問いましたが、菅さんは和泉さんをかばいました。

 第八分科会では、政権時に内閣府の大臣以外に国土交通省の副大臣もつとめた松原仁さんが、羽田新ルートについて質問。先日の「実機飛行」について「想像以上の衝撃だったとの声が寄せられている」としました。国交省が説明会で示した想定音量を超えた地点について、航空局長は答弁で「気象条件でばらつきがあることをご理解いただきたい。そのうえで、離陸機では3デシベル上回ってしまったのが3か所。江東区大島、大田区羽田、川崎市の観測点。着陸機では9デジベル上回った地点が2か所。北区立袋小学校と新宿区立落合第二小学校だ」と答弁しました。

 松原さんは「音量と、音の強さは違う」とし、航空局長は「音量が想定より9デシベル上回ったということは、約8倍の音の強さになったことになる」と語りました。松原さんは「説明会参加者にとっては合点がいかない」としました。

 ここで、赤羽一嘉国土交通大臣(兵庫2区)が答弁し「たまたまなんでしょうが、落合第二小学校は私の卒業した学校だ」と明かし、「実家があって、姉に聞くと音というよりも圧迫感があった、と言われた」と述べました。しかし、赤羽大臣は「にわかに良い答えが出せない」。在日米軍の管制空域の問題もあるなか、日本国国交省の無力感を体現した正直な答弁に、松原さんも「誠実あるご答弁ありがとうございました」と引き取りました。

 このほか、分科会ということもあり、立憲民主党の亀井亜紀子さんと石川香織さんがともに、改正法にもとづく地方自治体の会計年度任用職員について、給料を上げたり、国費を嵩上げするべきだと働きかけました。

 菅直人さん、野田佳彦さんらも質問しました。「内閣」「外務」などの分科会に立つことが多い岡田克也さんは、ことしは分科会には登場しませんでした。

【あすの予定】

 あすは予算審議は17日目となりますが、集中審議は4日目。相場だともう1日くらいあるものですが。あすの集中審議は野党第一会派は枝野幸男、玉木雄一郎両代表だけで14時から16時21分まで。日程は優勢、審議は劣勢の安倍晋三首相(自民党総裁)にとっては久しぶりの正念場となります。予算審議も最大の山場です。議運もあります。参議院では調査会のうち2調査会が開かれます。

【閣議 きょう】

 7時30分からでした。関係者はおつかれさまでした。

 以上です。
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