[写真]玉木雄一郎国民民主党代表、2年前の2018年、国会内で宮崎信行撮影。
特別定額給付金1人10万円の各世帯への振り込みについて、総務省と市町村が一部で「オンライン申請の中止」なるなど一部で混乱していることに関連して、自民党など与党が「今回地方自治体が入手した銀行口座の情報とマイナンバーを紐づけする法案」を提出する公算が高まっています。
財務省出身の玉木雄一郎さんはきのう(令和2年2020年5月20日)の国民民主党定例記者会見(無料オンライン会議サービス「Zoom」)で、「口座をつくっていただいて、あるいは既にあるのでもいいのですが、それとマイナンバーとを紐づけして、国民にとって非常に利便性が高まる形での改善ということを提案するほうが現実的だし早い」と語り、法案に前向きな姿勢をみせました。
但し、「税務に役立てようと思っても、ありとあらゆる口座を全部紐づけしようと思うと、あまり欲張らないほうがいい」とくぎをさしました。
この件について、私が「国税庁は新しい仕事をしたがらないが、国税庁が所得税非課税を含めて全世帯の銀行口座に定額給付金を振り込むこともありうるか」と質問しました。
玉木代表は「現在の仕組みでいうと、総務省が地方公共団体にお願いするのでこういう形になっていますが、ある意味、本来徴収すべき税金をとらないという形で10万円なり20万円を渡すということになれば、ある種これは減税措置なので、そうなると国税を経由してやるというのも一つ考え方としてはあると思います。それは我々が言っている給付付き税額控除に非常に近いものになっていくのだなと思います」と述べました。
国税庁の業務が拡大する制度改正について、政党党首が言及することはきわめてまれ。これまでは、例えば「かんぽ学資保険の保険料を所得税控除して国税庁に確定申告したが、学齢期を迎えた子がいるのに、衆議院に提出した資産・所得報告書に載せていないのではないか」などと分析して、衆議院議員をビビらすやり方で、財務省・国税庁の政治的影響力を保ってきました。このため、衆議院議員が国税庁長官の資質を問題視することがあっても、国税庁に関する制度改正などに言及することは与野党問わず、ほとんどありません。
国民民主党は財務省出身の幹部が多く、連合とともに、労働者を日本酒漬けにして酒税の増収をはかろうとする、いかがわしい幹部もいます。玉木さんも休業補償をめぐる遅滞についても「財務省はもうそこまで力がない」との表現で古巣をかばう姿勢を今月見せました。
2012年の社会保障と税の一体改革法(財務省は成立後に平成24年税制抜本改革法と呼び名を一方的に変更)で、検討事項となった「給付つき税額控除」は安倍晋三政権で検討が取りやめとなりました。これはもともと「負の所得税」という新自由主義の発想で、源泉所得税と申告所得税の差額を利用すれば、国の税収は減らないはずですが、確定申告者が1500万人増えると予想され、国税庁は手間がかかることを懸念して、一貫して反対しています。
特別定額給付金1人10万円の各世帯への振り込みについて、総務省と市町村が一部で「オンライン申請の中止」なるなど一部で混乱していることに関連して、自民党など与党が「今回地方自治体が入手した銀行口座の情報とマイナンバーを紐づけする法案」を提出する公算が高まっています。
財務省出身の玉木雄一郎さんはきのう(令和2年2020年5月20日)の国民民主党定例記者会見(無料オンライン会議サービス「Zoom」)で、「口座をつくっていただいて、あるいは既にあるのでもいいのですが、それとマイナンバーとを紐づけして、国民にとって非常に利便性が高まる形での改善ということを提案するほうが現実的だし早い」と語り、法案に前向きな姿勢をみせました。
但し、「税務に役立てようと思っても、ありとあらゆる口座を全部紐づけしようと思うと、あまり欲張らないほうがいい」とくぎをさしました。
この件について、私が「国税庁は新しい仕事をしたがらないが、国税庁が所得税非課税を含めて全世帯の銀行口座に定額給付金を振り込むこともありうるか」と質問しました。
玉木代表は「現在の仕組みでいうと、総務省が地方公共団体にお願いするのでこういう形になっていますが、ある意味、本来徴収すべき税金をとらないという形で10万円なり20万円を渡すということになれば、ある種これは減税措置なので、そうなると国税を経由してやるというのも一つ考え方としてはあると思います。それは我々が言っている給付付き税額控除に非常に近いものになっていくのだなと思います」と述べました。
国税庁の業務が拡大する制度改正について、政党党首が言及することはきわめてまれ。これまでは、例えば「かんぽ学資保険の保険料を所得税控除して国税庁に確定申告したが、学齢期を迎えた子がいるのに、衆議院に提出した資産・所得報告書に載せていないのではないか」などと分析して、衆議院議員をビビらすやり方で、財務省・国税庁の政治的影響力を保ってきました。このため、衆議院議員が国税庁長官の資質を問題視することがあっても、国税庁に関する制度改正などに言及することは与野党問わず、ほとんどありません。
国民民主党は財務省出身の幹部が多く、連合とともに、労働者を日本酒漬けにして酒税の増収をはかろうとする、いかがわしい幹部もいます。玉木さんも休業補償をめぐる遅滞についても「財務省はもうそこまで力がない」との表現で古巣をかばう姿勢を今月見せました。
2012年の社会保障と税の一体改革法(財務省は成立後に平成24年税制抜本改革法と呼び名を一方的に変更)で、検討事項となった「給付つき税額控除」は安倍晋三政権で検討が取りやめとなりました。これはもともと「負の所得税」という新自由主義の発想で、源泉所得税と申告所得税の差額を利用すれば、国の税収は減らないはずですが、確定申告者が1500万人増えると予想され、国税庁は手間がかかることを懸念して、一貫して反対しています。
インターネット版官報
Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki
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