[画像]経産官僚の出席を確認する、衆議院国土交通委員会理事の小宮山泰子さん(左)ら、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
国家公務員法案の取り扱いをめぐり自民党内で官邸・国対の意見対立が表面化していますが、衆議院の内閣、法務両委員会は開かれ、「あおり運転」の法案が審議されました。きょうの臨時閣議の第2次補正予算案の報道が続出。コロナ禍で、持続化給付金の支払いは迅速だという評価もあり、飲食店などへの家賃支援なども含めて、経済産業省・中小企業庁の官僚が各委員会で答弁する場面が目立ちました。
【参議院本会議 令和2年2020年5月27日(水)】
登壇した参議院議員は12人で、長時間の審議となりました。
「日本アルゼンチン、ウルグアイ、ペルー、ジャマイカ、ウズベキスタン、モロッコ各国との租税協定」(201条約6、7、8、9、10、11号)は共反対、自公立国社の賛成多数で承認され、両院での手続きを終えました。
「スーパーシティー改正国家戦略特区法」(201閣法5号)は討論になりました。討論は反対→賛成→反対の順になりますが、森ゆうこさんの反対討論、維新の賛成討論、共産の反対討論と議席数淳になりました。森さんは法案提出をめぐる政府内の混乱で自治体による法律の上書きは憲法違反だと内閣法制局が指摘していたが、今回の法案でも不十分な部分が残っていると強調しました。採決の結果、立国社共の反対、自公維の賛成多数で可決し、成立しました。
「持続可能なバス交通の改正法律」(201閣法20号)は共反対、自公立国社などの賛成多数で可決し、成立しました。
「5G促進法」(201閣法22号)は共産党反対、自公立国社などの賛成多数で可決し、成立しました。
「GAFAをデジタルプラットフォーマーとして規制する法律」(201閣法23号)は全会一致で可決し、成立しました。法律の正式名称は「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」。アメリカのGoogle、Apple、Facebook、Amazonを日本において「デジタルプラットフォーマー」という法令用語で定義し、国内の取引業者への情報開示に努めることなどを求めた法律です。
これに先立ち、「復興庁を10年延長するなど復興庁設置法及び特別会計法改正案」(201閣法33号)が田中和徳復興大臣から趣旨説明され、木戸口英司さん(岩手選挙区2002年改選)らが代表質問し、参議院でも審議入りしました。
【衆議院国土交通委員会 同日】
経産省の政府参考人が来ていないとの共同会派理事の小宮山泰子さんから指摘があり開会が遅れましたが、国民民主党の西岡秀子さんがとりあえず質疑を始めることになり、委員長が感謝して、始まりました。西岡さんは「旅客業者へのマスク、消毒液の安定した供給や、固定資産税などの軽減が必要だ」としました。中小企業庁の政府参考人は「家賃支援では最大600万円(3分の2まで6カ月以内)の制度を設けた。緊急事態宣言は解除されたが、必要な支援を届けたい」とコロナ経済対策の政策について意気込みを感じる答弁をしました。
「無人ドローン規制のための航空法改正案」(201閣法29号)が趣旨説明されました。
【衆議院経済産業委員会 同日】
「中小企業事業承継円滑化法改正案」(201閣法50号)が趣旨説明されました。
【衆議院法務委員会 同日】
森まさこ法相の連日の答弁が続いた法務委ですが、法案処理はすべて終わりました。「自動車運転処罰法改正案」(201閣法42号)を採決し、全会一致で可決すべきだと決まりました。「高速道路で、前に出て、急ブレーキをかけて、後続車を止まらせる行為」はぶつからない限り、現行法では処罰できません。午前中の参考人質疑では、あおり運転被害者の遺族が淡々と意見陳述。弁護士らは「罪刑法定主義で、改正法の拡大解釈はやめるべきだ」とくぎをさし、国会議員らも同調しました。対政府質疑の後、採決され、全会一致で可決しました。
【衆議院内閣委員会 同日】
おとといの与野党国対委員長会談で欠席戦術がにおわされましたが、開会されました。
まず、質疑を完了した「個人情報保護法改正案」(201閣法48号)を採決し、共反対、自公立国社など賛成多数で可決すべきだと決めました。
続いて、「道路交通法改正案」(201閣法38号参先議)が武田良太国家公安委員長から趣旨説明されました。上述のあおり運転の禁止のほか、第二種や高齢者の運転免許に関する改正規定が盛り込まれた法案。3月3日(火)に国会に提出され、4月3日(金)に全会一致で参議院を通過しましたが、衆議院委員会での審議入りは遅れました。
【衆議院農林水産委員会 同日】
「森林組合法改正案」(201閣法45号参先議)が採決され、共反対、自公立国社維の賛成多数で可決すべきだと決まりました。前日趣旨説明されたばかりのスピード採決。これ、もう1法案衆参で審議できる日程が余っているかと思いますが、他の法案は審議しない政治判断になっているでしょう。
【衆議院財務金融委員会 同日】
「金商法改め金融サービス法とする改正法案」(201閣法40号)が審議され、採決の結果、共産党反対、自公立国社の賛成多数で可決すべきだと決まりました。
なお今国会で、「金融機能強化法改正案」(未提出)が政府から追加で提出される見通し。時限法の4年延長、保証枠の12兆円から15兆円への拡大、金融機関の経営者責任の緩和などが盛り込まれる見通しです。予算委員会と並行して、この委員会で審議されると見込まれます。
【参議院国民生活・経済に関する調査会 同日】
白真勲会長のリーダーシップで、「誰もが安心できる社会」についての中間報告書案ができ、各会派の議員の意見陳述を受けました。
【参議院資源エネルギーに関する調査会 同日】
原子力規制委員長らへの質疑。
●参議院国民経済・外交に関する調査会は元議院運営委員長の鶴保庸介さんが会長をつとめますが、きょうは開催されませんでした。
【参議院地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 同日】
「第10次地方分権一括法案」(201閣法32号)が趣旨説明され、審議入りしました。
【参議院東日本大震災復興特別委員会 同日】
「復興庁を10年延長する復興庁設置法及び特別会計法改正案」(201閣法33号)の趣旨説明がありました。本会議で木戸口英司さんが質問し、特別委員会は青木愛委員長がとりしきり、存在感は低下している小沢一郎さんですが、秘書を育てて議員にするという実績は今後三十年前後続くかもしれませんね。
【閣議 同日】
持ち回り閣議で、31・9兆円を追加し、一般会計を160・2兆円にする「令和2年度第2次補正予算案」が決定されました。特別会計で労働保険特会にも補正が入りました。国会提出は再来週でしょうか。
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Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki
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