【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【10/25時点】岸田内閣閣僚全員当選の公算、立憲の比例1期女性苦戦、コロナより経済が争点に、枝野の前座なので絶叫演説を初練習の前職も

2021年10月25日 10時53分34秒 | 立憲構成員である読者を想定した2021-22選挙・組織情報
 第49回衆院選は残り6日間となりました。

 選挙サンデーを折り返して追い込みに入ります。

 これまでの情勢調査で、4日に発足した岸田内閣の閣僚は全員が当選することが確実な情勢となりました。このうち、東京の若宮消費者相と沖縄の西銘沖北・復興相が小選挙区で僅差ですが、比例での惜敗率上位での議席維持は極めて有力。安倍内閣では「西川公也農相だけ小選挙区では落選」が党内二階派、刑事のアキタフーズ、全体の一強批判へとさざ波を立てました。が、当選3回生3大臣は圧勝の公算で、斉藤国交相の当選の有力となっています。

 立憲民主党は小選挙区で議席の上積みはかたい情勢ですが、4年前に比例で当選した1期の女性(元参議院含む)が西日本の選挙区で落とし、比例復活も厳しい公算になっている事例が出てきました。パリテを進めるにしても「あの小選挙区の有権者はジェンダーバイアスだ」といってもどうにもなりません。 国替え選挙区で2回目の当選をめざす立憲議員のうち男女とも意外といっていい好成績が出ていますが、来夏の参院選もにらんだ「枝野・福山コンビ」の組織拡大の余地は残りそうです。

 今世紀の小選挙区選挙では日本に続き、豪州・英国でも「刺客」がはやり出しましたが、第49回衆院選は注目選挙区ではなく、全体の議席数のみが注目される選挙といえそうです。

 選挙サンデー朝のフジ・NHKを最後に党首討論はなさそうですが、街頭演説の論戦では、コロナより経済が明確になりました。共同通信の調査で、経済政策が34・7%→36・7%、コロナが19・4→16・1、年金・医療・介護が16・5→15・7などとなりました。

 私はきのうだけで、自公立3党首の街頭演説を聞きました。改めてテープを聞くと、山口代表は「自公と立憲共産党の政権選択選挙だ」とだけかたっています。岸田総裁は「ワクチン接種は1回目が76%、2回目が69%。アメリカ、フランス、ドイツを追い越した」「PCR検査の無料、薬局でのキット販売、その次に治療薬、口から飲める経口治療薬が年内に、できる」と語っていますが、公明党支持者が中心とみられる聴衆の反応はありませんでした。一方、枝野代表は「アベさんが私の選挙区に来て悪夢のような民主党政権と語ったようですが、実質経済成長率は年平均1・5%、アベ政権は0・3%。圧倒的にアベ政権になってから経済は駄目になった。世の中の豊かさを一部の人に偏らせただけだ」との演説には大きく合いの手が入っています。

 立憲民主党の各幹部は、今週、小川淳也さんや本庄さとしさんに応援演説する見通し。テコ入れというよりも勢いのある人を取り込みたい「立憲民主しぐさ」も感じますが、「大作戦」方式もふまえて、応援を広げたいかまえ。候補者は代表よりも前座で演説します。このため、「枝野代表は絶叫しているらしい」との情報から、前座での絶叫演説を練習した前職もいるそうです。できるかどうか、人それぞれでしょう。但し、枝野さんが経済成長率について語るのは7年前からで、以前と違って、年率換算にする正しい計算だけを語っており、説得力が大きく増しています。

 日本経済の現状は厳しく、飲食・サービス業は去年より厳しい。これは当然で、廃業せず、ことしも経営していれば、前年より厳しい。大手でも日本マクドナルドだけが前年比2%増ですが、テイクアウトではなくもともと酒を出していないから分母が有利なだけ。但し、民間銀行はここを見ます。私は緊急事態宣言明けの今月1日から一斉に人が出るのかと思っていましたが、様子見ムードで、地方も忘年会シーズンが「前年比プラス」はありえないでしょう。いまだに追加経済対策を策定していない岸田・山口が「給付金」に言及するよりは、枝野経済絶叫は上滑りせずに、今週さらに追い込みをかける姿が私には予感できます。

 幹部が誰も応援に来ない選挙区でも、やれることをやることで展望が開けそうです。

 情勢は大きく変わることもあります。

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