【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【茨城6区】岸田首相「新しい資本主義」を「新しい経済」と言い換え、野党統一(青山やまと)と1期同士の一騎打ち、国光あやの候補「総裁選で聞く力」と宏池会アピールに聴衆が拍手

2021年10月26日 16時35分47秒 | 第49回衆院選(2021年10月 岸田続投 枝野辞任)
[写真]聴衆とグータッチをする岸田文雄首相(自民党総裁)きょう令和3年2021年10月26日(火)茨城県つくばで、宮崎信行撮影。

 第49回衆院選はきょうを入れて残り5日間。最後の追い込みです。

 茨城6区(つくば市・土浦市など)は、自民党の国光あやの候補と、立憲民主党の青山やまと候補の1期生同士の激突。

 岸田文雄首相(自民党総裁)の応援演説も力が入りました。


[写真]「岸田ノート」を見せて「聞く力」をアピールする岸田文雄首相(自民党宏池会会長)と自民党公認で宏池会(丹羽元会長の後継者)の国光あやの候補、きょう2021年10月26日、茨城・つくばで、宮崎信行撮影。




[画像]茨城6区野党統一の立憲民主党前職の青山やまと候補=本人公式ウェブサイトから宮崎信行がスクリーンショット。

 きょうは火曜日で定例閣議後に「新しい資本主義実現会議」の初会合。渋沢さん、同友会の桜田さん、連合の芳野友子さんのほか、1年前の菅政権の「未来投資会議」廃止「規制改革会議」重視路線で席から離れていた、米良はるか社長も加わりました。

 岸田さんはそれに触れず。岸田さんは「私は総裁選で医療難民ゼロの政策を打ち出したが、こういう政策は国光さんの思いがつまったものばかりだ」と語ると拍手がわき、聴衆も国光さんが元宏池会会長の丹羽厚労相の公募後継者で、今回は総裁派閥としてのぞんでいることを知っているようでした。

 世論調査でコロナより経済に関心が集まっていますが、コロナから先に話し、「みなさんの生活・仕事も守る」と付け加えました。岸田さんはこの後、「新しい時代の経済をつくっていく」と資本主義ではなく経済と言い換え、「経済の拡大は強い者がどんどん強くなる。大きな企業だどんどん強くなってしまうという指摘が出る」と気にかけながら、「新しい時代の経済は、成長の果実をみなさんひとりひとりに、みなさんの給料を上げることで、経済循環につなげる」と強調しました。

 きょうの岸田演説は経済理論として「成長なくして分配なし」。きょうのNGワードは「資本主義」「成長なくして分配なし」だったようです。

 最後に「経済をしっかり直する。地方こそデジタルでできることがある。デジタル田園都市構想を進めていきたい」と述べ。ました。岸田官邸はデジタル田園都市構想実現会議、デジタル臨調も会議体も立ち上げることになっています。

 これに先立つ国光候補の演説は「今も近くに住み医師としても働いてもいる。普通のサラリーマン家庭の出身で、中学生の子どもがいる」と売り込み、「やはりコロナにはワクチンが効くんです」とコロナ政策をまず強調。この後が経済で「つくば市でも10%の人が食べ物が足りないという。(先月29日開票の自民党の)総裁選の公約にも入れてもらったが、子ども食堂を国でやりたい」としました。そのうえで「野党候補(青山やまと)との一騎打ちだ」と危機感を口にし、「私たち自公政権にご批判があるのは分かっています。しかし、岸田総理には、聞く力がある」と、冷や飯の第5派閥から総裁派閥へと浮上して迎える二度目の選挙への意気込みを訴えました。

 茨城県では、ベテランの働きかけもあり野党調整がスムーズにいっています。茨城6区は1期生一騎打ちの珍しい構図で、国光さんが上の調査も、青山さんが上の調査もありますが、数ポイント以内の激戦。おそらく投票日までなだれ込むでしょう。

 青山さんは「地元生まれの地元育ち。与野党伯仲国会をつくりたい」と訴えています。

 私はこの会場は前回の衆院選(解散後公示前)にも行きましたが、当時の安倍晋三首相(自民党総裁)もハイタッチを、初村滝一郎政策秘書(当時)の「前説」でやりました。大石吉彦事務秘書官(現在は警視総監)もいました。4年前は引退直後の丹羽雄哉前議員もいました。

【茨城3区】

 また、4年前は「つくば会場」に自民党の葉梨康弘さんも来てマイクを持ちましたが、今回はおそらくいなかった。公示後ともあり地元張り付きを迫られているとの見立てもできそうです。茨城3区は「自・立・維3つどもえ」という第49回初登場「第2バージョン」で、自民前職葉梨さん、立憲民主党新人の梶岡博樹さん、維新新人の岸野智康さんの3つどもえで、維新票が自民票を削っているともされています。


[写真]聴衆とグータッチをする岸田文雄首相(自民党総裁)きょう令和3年2021年10月26日(火)茨城県つくばで、宮崎信行撮影。

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