【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【第49回衆院選】序盤から終盤まで接戦区が変わらず最終日に突入ここにきて「枝野あなた111本動画」の労作が投票日当日も「効果」を発揮するとの憶測も浮上

2021年10月29日 20時03分41秒 | 立憲構成員である読者を想定した2021-22選挙・組織情報
 コロナ禍であり、解散から投票日まで最も短かった第49回衆院選が最終日へ。序盤情勢から終盤情勢まで接戦区が動かない異例の展開となりました。

 公明党も含めて電話での投票依頼の立ち上がりも遅れ「もう期日前投票を済ませました」と言われて、投票確認ができない事例も相次いでいます。私もきょうかなり電話しましたが「今朝見た」「さきほど車で選挙事務所を通った」と候補者たちの動きは活発なようす。4割当選確率がある無所属候補について「今朝、年配の男性と2人だけで立っていたけれど、あれはお父さんか」との質問が出るなど、選挙戦術も多様な選挙戦が各地で見られます。

 これまでの調査で、第206回特別国会の冒頭に、第101代首相に岸田文雄自民党総裁が就くことが確実な情勢となりました。4年前、1人で5億円を借り入れて「立憲民主党」の看板をかけた枝野幸男代表も、接戦区の3割で相対1位になれば比例も含めて公示前議席を上回るところまで下駄を上げて最終日を迎えます。

 あす土曜日は投票依頼の電話が相次ぎそうです。

 またここにきて、立憲民主党作成して2週間前に公開していた「#100messagesforyou」があさって31日の投票日当日の効果を発揮するのではないかとの憶測が浮上しました。これは、枝野幸男代表が属性に応じた「あなたへ」と題した2分間前後のメッセージ動画を111本つくった労作。このうち「39水産業に携わるあなたへ」の再生回数はわずか352回。しかし、「73 ポスドクのあなたへ」は3822回再生されており、多様性の共生を求める層に一定の評価があるようです。これを、支持者があす30日(土)23時59分までに、SNSなどで引用すると、31日(日)の投票日当日に検索などでユーチューブ動画を見る有権者も出てきそうです。

 投票依頼の電話をするにしても、非正規で働く低所得の支持者にとってなかなか電話をする友人も少ないという疎外感もあるため、投票日当日まで「枝野立て」を支える「総合選対本部の企画チーム」の深謀遠慮ではないかとの憶測もここにきて浮上しました。

このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読くださり、ご寄付をお願いします。 
このニュースサイトは以下のウェブサイトを活用しています。
Ⓒ2021年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。

【北海道4区の第2報】立憲「おおつきくれは候補」が終盤逆転か、自民麻生副総裁「北海道米は地球温暖化でうまくなったとの失言」影響か、枝野幸男代表「冗談じゃない、品種改良だ」とやり返す

2021年10月29日 14時13分54秒 | 立憲構成員である読者を想定した2021-22選挙・組織情報
[画像]おおつきくれは候補を応援する枝野立憲代表、きょう令和3年2021年10月29日(金)、立憲民主党公式ユーチューブチャンネルから宮崎信行がスクリーンショット。

【追記・おことわり 翌日0時付】

 この記事中の麻生太郎自民党副総裁の「地球温暖化のおかげで北海道産米がうまくなった」との25日の失言は、同じ小選挙区の自民党前職の応援演説でなされたものでした。投稿時に筆者が把握していませんでした。タイトルを変えて、段落を入れ替え、文章を補いました。

【追記・おことわり終わり】

 北海道4区(札幌市の手稲区などや小樽市など)は、自民前職の中村裕之候補と立憲新人のおおつきくれは候補の与野党一騎打ち。前回は自民が順調に勝っていますが、終盤逆転しました。

[写真]札幌市で力強く演説する枝野代表、今月15日、宮崎信行撮影。

 おおつきくれは候補の応援に入った枝野幸男立憲民主党代表は「北海道4区は大変な激戦まさにつばぜり合い」「新しい候補者だし、時間も短いから厳しいと思ったら大激戦。もうひと押しふた押し、周りのみなさんに声をかけてくれませんか。もうひと押し、もうひと押し」と強調しました。札幌市手稲区で演説しました。このもようは生配信されました。

●麻生副総裁「地球温暖化で北海道米がうまくなった」と中村候補の応援で失言

 自民党の麻生太郎副総裁は、25日に小樽市で自民党の中村候補を応援した際、カーボンニュートラルに言及した文脈で地球温暖化にも良いことがある例として、「年平均気温が2度上がったおかげで、北海道のお米がおいしくなった。昔、北海道のお米は『厄介道米』と言われるほど売れない米だった。農家のおかげですか? 農協の力ですか? 違います。温度が上がったからです」と事実と異なる発言をしました。

 これが終盤で逆転したのではないかとの情勢に影響したかもしれません。

 枝野代表は演説で取り上げました。「私も東京で(麻生発言を)聞いてびっくりしました。温暖化のおかげで北海道の米が美味くなった。冗談じゃないですよね。北海道の皆さんの努力でいろいろな品種改良をして、寒さにも強く、美味しいお米を作った。そして、この温暖化のおかげで水産業も、獲れる魚が変わってしまって苦労されている。農家の皆さんだって、気候が変われば、ご苦労をされる。全く国民の暮らしなんか見ていない。温暖化によって地球が危ないという危機感を持っていないトンでもない発言でした」とし、農業者戸別所得補償の復活や、温暖化で不利になった漁業の振興を訴えました。

 北海道は高収益の「ゆめぴりか」を含めた品種改良で寒さに強い稲をつくり、新潟県を上回る日本最大のコメどころとなっています。

 この発言について、中村候補は、ジャーナリストの横田一さんの取材に27日答え、「あれは、麻生さんが少し前向きに考えようぜと言うことを言いたかったんでしょうが、あれは間違っていますから」「麻生さんは頑固ですから」と答えました。


[画像]きょうの枝野代表とおおつきくれほ候補、立憲民主党ユーチューブ。


[写真]おおつきくれほ候補と枝野代表、今月15日、宮崎信行撮影。

 私が先々月、札幌市の北海道4区(1、2、3、5区と合同)の「大作戦」でおおつきさんを見た際は、フジテレビ記者出身らしく5分00秒にまとめたスピーチは、小樽市出身の経歴と決意表明だけで終わってしまいました。

【北海道4区】おおつきくれは低姿勢で5分00秒演説立憲民主党大作戦20211015宮崎信行撮影

 きょうのおおつきさんは具体的な政策がてんこ盛りでした。「私たちはチャレンジを応援する」とし「コロナ後の生活で手稲の食卓の一品を増やす」とし(1)児童手当の所得制限を撤廃する(2)高齢者の医療費の窓口負担を1割に戻す(3)介護従事者などエッセンシャルワーカーの給料底上げーーを提案しました。そして「北海道のみなさんの生活に直結する」とし「立憲民主党はガソリン高騰に対して緊急提言をすることになっていると聞いている。また、私としても(自治体の福祉灯油など現行制度である)低所得の方の灯油の助成をしっかりと働きかけていきたい」と述べました。


[画像]政策を訴えるおおつきくれは候補。

 このほか、枝野さんは次のようにも語りました。枝野さんは「変えよう。まずはコロナです」とし「北海道は(地域医療構想で)拠点病院の統廃合がとくに進み、医療崩壊の局面となったが岸田さんは続けるという」「病床を削減したツケが出てきた。これを変えよう」としました。

 枝野さんは、おおつきさんのことを「記者だったので、やりにくい」とし、「野党はだらしない」と報道されてきたとしました。

 おおつき記者は、岡田克也さんの事務所でも親しまれていました。懐への入り方は、私・宮崎信行に次いで、2番目でした。そのおおつきさんが2か月前選挙に転出するということで、宮崎の地位は再び磐石になったわけですが、そんな問題ではありません。私は国士です。おおつきさんはそれだけ信頼に足る人間であることの証左です。

 おおつきさんの笑顔で、腰を落とした姿勢でマイクを持つ表情が印象的でした。











[写真]札幌で演説するおおつきくれは候補、今月15日、宮崎信行撮影。

 
このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読くださり、ご寄付をお願いします。 
このニュースサイトは以下のウェブサイトを活用しています。
Ⓒ2021年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。