ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【全文付き】単一税率でインボイス実質廃止など国民民主党追加経済対策案で先手を打つ「4本柱」20項目、政府案に7項目程度取り込まれ「対決より解決の玉木党・矢田補佐官路線」加速も

2023年10月11日 21時43分39秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
[写真]矢田わか子現首相補佐官(撮影時の肩書は前参議院議員)と玉木雄一郎国民民主党代表、きょねん12月、内閣府8号館で、宮崎信行撮影。

 国民民主党は、今月2023年10月末に政府がまとめる追加経済対策に先手をうち、きょう2023年10月11日「国民に直接届く緊急経済対策」を発表しました。

 消費税単一税率5%でのインボイス不要など、「4本柱」を5分野、合計20項目。

 きょねんの参院選を前にした「ウクライナ小麦・電力高騰」の際は、立憲民主党と同日に発表するなど張り合った経済対策対案です。

 今回や政府より3週間早く出したことで、矢田わか子首相補佐官同様に、政府が取り込んだ割合を選挙にアピールするねらいがあるとみられます。

 岸田文雄首相の「新たな経済対策」は減税が含まれる柱立てで賛否両論あります。

 数週間前から、玉木雄一郎さんがX(旧ツイッター)、大塚耕平さんがNHK日曜討論で言及している「ブラケット・クリープ現象」。賃上げが実現したことで、年末調整の所得税の適用累進税率が上がることをおさえる措置をイの一番に持ってきました。そして「消費税単一税率5%でのインボイス実質不要」を3項目め。

 この後、特別高圧も含んだ電気の高騰対策の助成金。赤字法人も対象となる(県税の)法人事業税、(市税の)固定資産税の減税も求めました。

 いつもながら、連合組織内議員の親元に配慮した、原発再稼働の審査の効率化、咳止め薬・解熱鎮痛剤などの(ジェネリック中心の)医薬品の製造・流通への支援を盛り込みました。

 さらに、秋田・石川・佐賀など線状降水帯の「平成5年6月・7月大雨と9月の台風13号に復旧・復興」、福島第一原発ALPS処理水の中国禁輸措置の対応、地方創生臨時交付金の増額を盛り込みました。

 その一方、昨年度予算に賛成したのに手のひらをかえされた、揮発油税のトリガー条項凍結解除も、いまだに提案し続ける事態ともなっています。

 当ニュースサイトが見たところ、今月の対策に一つずつ盛り込まれるための「4本柱」とみられ、20項目中7項目ぐらいが、補正予算案に入ってくることも考えられます。

 統一地方選では、東京の区議・市議で2自治体に1自治体くらい「非・連合」の若手男女議員が初当選していることから「玉木党」として「対決より解決路線」を突き進む勢いとなってきました。
 情勢調査では、小選挙区では新人の初当選を厳しいですが、逆に現職の9割は手堅いとみられます。11ある比例のいくつかで1議席を積み増すのではないかとの分析が大勢。「玉木党」路線が加速することになりそうです。

[国民民主党「国民に直接届く」緊急経済対策 全文]

国民民主党「国民に直接届く」緊急経済対策 令和5年10月11日
 
持続的な賃金上げ実現と国民の暮らしを守るため、以下に掲げる緊急経済対策を速やかに実行することを提言する。国民が賃上げを実感できるよう、国の税収の上振れ分を減税によって納税者に直接還元するとともに、物価高騰等で大きな打撃を受けている国民生活を支援し、可処分所得を増やす。なお、財源として今年度の税収上振れ見込み約10兆円、予備費残額約5兆円、教育国債などを活用し、15兆円以上の規模とすることが適当である。

1.「生活減税」4本柱

①所得税減税(所得税を課す最低金額引き上げ等による「ブラケット・クリープ(※)」対応)
※賃金上昇に伴う名目所得の増加によってより高い所得税率が適用され、賃金上昇率以上に所得税収が増える(税負担が増える)現象のこと。

②ガソリン減税(トリガー条項凍結解除、いわゆる「暫定税率」・「二重課税」の廃止)

③消費税減税5%(単一税率にすればインボイスは不要に)

④法人税(投資)減税(投資額以上の償却を認める「ハイパー償却税制」導入、少額減価償却資産特例の上限額引き上げ)

2.「物価高騰・持続的な賃上げ対策」4本柱

①ガソリン補助金及び特別高圧を含む電気・ガス・灯油等の高騰対策を来年3月まで延長

②賃上げ減税の拡充(税額控除額引上げ、価格転嫁等の取引条件を改善した企業等への適用拡大、赤字法人も対象となるよう減税項目を法人事業税・固定資産税・消費税に拡大)

③正社員を採用した事業主の社会保険料負担を半減、ゼロゼロ融資の返済負担軽減

④下請けGメン等の増員・育成、適正な価格転嫁・取引ルールの徹底、「2024年問題」解決に向けた運輸業の規制や商慣行の見直し

3.「子育て・人材育成」4本柱

①子育て・教育政策の所得制限撤廃(障害児福祉等含む)

②年少扶養控除復活

③高校までの給食無償化・有機化、ベビーシッター割引券継続

④企業内配置転換等のリカレント教育・リスキリングへの支援による人材育成強化

4.「カーボン・ニュートラル等の推進」4本柱

①CEV補助金及び充電・充てんインフラ等導入促進補助金の拡充

②省エネ住宅・家電等の購入及び断熱リフォーム支援

③原子力発電所再稼働の審査プロセス効率化・合理化、原子力イノベーション(次世代軽水炉、SMR等)推進

④咳止め薬、解熱鎮痛剤、痰切り薬など品薄が続く医薬品の製造流通への重点支援

5.「地方支援」4本柱

①令和5年6・7月大雨、9月台風13号による被災地の早期の復旧・復興支援拡充

②食の安全保障を踏まえ、農林水産物の飼料・肥料・資材高騰対策及び適正な価格転嫁支援・所得補償

③福島第一原発処理水に関する風評被害及び中国の禁輸措置への対策として水産業輸出強化及び国内消費促進支援

④地方創生臨時交付金の増額

以上
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安倍晋三首相譲りの邪道、菅義偉・岸田文雄に受け継がれる、国政統一補選中の国会召集は21年ぶり

2023年10月11日 12時57分00秒 | 国政統一補欠選挙
 国政補選統一法(改正公選法)が平成14年2002年に施行されてから、補選中に国会が召集されるのは、21年ぶり2回目だということが分かりました。

 秋の国政統一補選は、2023年10月22日(日)の投票日に向けて、参議院徳島・高知選挙区で17日間、2015年区割りの衆議院長崎4区で12日間の舌戦が繰り広げられています。政府はあさって、第211回臨時国会を10月20日に召集することを衆・議運理などに伝達します。

 総務省ホームページの衆議院議員補欠選挙一覧と、参議院議員補欠選挙一覧、衆議院ホームページの国会会期一覧を照らし合わせると、江田憲司さんが初当選するなどした平成14年10月27日の補選をたたかっていた、平成14年10月18日の第155回臨時国会が直近では最後だったことが分かりました。


 立憲の岡田克也幹事長はきのうの会見で次のように語りました。

 「どうかと思いますね、本当に。せめて代表質問まで終えてからならわかりますが、所信表明で、その中でいろいろな経済対策などをお話しになるのでしょうが、それだけ見せておいて議論・反論も許さずに投票日というのは、私は フェアではないと思います。岸田総理も、こういうことを続けていると、これが岸田スタイルだということになってしまいます。総理としても決してよくないと思います。もっと正々堂々と戦うべきだと思います」と語りました。

  筆者は、安倍・菅政権の、参院選一人区で32勝0敗をめざす殲滅思想や、自民公認が一人しかないない愛知県・岐阜県で、名古屋で1時間に2回街頭演説するだけの姿勢を邪道であり、民主主義を破壊しかねないと警告してきました。そうしたら、安倍さんがきょねん暗殺され、議論や選挙結果で決着させることは夢となってしまいました。

 以上です。
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【衆法】立憲民主党は「統一教会財産保全特別措置法案」を策定し第212回臨時国会に提出へ

2023年10月11日 11時57分33秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
 立憲民主党が20日からの臨時国会に「統一教会財産保全特別措置法案」を提出すると、きょう11日臨時記者会見で発表しました。

 西村ちなみ代表代行の対策本部、長妻昭さんの政調会、山井和則代理の「国対ヒアリング」事務局の3機関が合同で発表しました。

 あさってと見られる、文部科学省から裁判所への解散命令請求の後、3年近く決定がかかったこともあると指摘。日本国内で100億円近くの不動産と数百億円の現金を保全して、被害者の救済に充てることを主眼としています。
 現在は150名、40億円近くの被害がありますが、話し合いは進まず、現在は調停に移行している例もあるとされました。西村さんは「解散請求の報道で、初めて、自分が被害者だったと気づく人もいる」とし、「1日でも早く成立させたい。法制局と詰めている。但し、整理すべき点も多い」としました。

 韓国、アメリカの教団やファミリー企業に現金ではこぶ懸念は、外為法でしたいとしました。

 維新と国民が準備している法案は、長妻さんが「時限立法ではないようだ」とし、統一に限定した、時限立法にこだわりたいとして、現段階での協議は否定しました。

 以上です。


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